先日、スイスのジュネーブで開催されたジュネーブ国際コンクール。今回は、決勝の舞台となった「ヴィクトリアホール(Victoria Hall)」について、レポートしていきたいと思います!
100年以上もの長い歴史を持つヴィクトリアホールは、煌びやかな内装の美しい講堂が魅力的!決勝の舞台に相応しい、なかなか豪華なコンサートホールでした!
目次
Victoria Hallの場所
ヴィクトリアホールがあるのは、スイス・ジュネーブ市街の中心。中央駅(Cornavin駅)から1kmほど南へ行った所にあります。
1891~1894年に建てられた歴史あるホールですが、1984年に火災によってかなりの部分が焼失。現在あるのは、その後再建されたものだそう。およそ20mしかないファサードに対して、建物の奥行きがその3倍以上もある縦長の構造をしています。
ホールのエントランスは、建物の東側。大通りとは反対側にあるので、初めちょっと迷ってしまいました!
エントランスホールとシャンパンBar
入口を入るとエントランスホールがあり、ここには総合受付の他、チケットブースやクロークもあります。とても狭い空間なので、開場前には客席への入場を待つ客ですし詰め状態に!
クロークは、両側の壁際に2箇所。手荷物1つにつき1フランのチップが必要です。
その他、エントランスホールには特設のシャンパンバーがありました。もしかしたら無料で降るわれているのか!?と思いましたが、残念ながら有料(笑)。
価格は1杯16フラン。銘柄はモエシャンのブリュット、喉に来るくらいの辛口ですが、料理には合いそうな味です。
Barの軽食メニューをチェック!
エントランスホールの奥へ行くとBarがあって、休憩時間だけではなく、開場時から終演後までずっと営業していました。このホールの中でここが唯一のBarである事から、休憩時間中はこちらも紳士淑女ですし詰め状態!
Barのメニューですが、アルコールはシャンパンや赤白ワインを初め、コーヒーやコカコーラ等のソフトドリンクまで一通り揃っている模様。価格はワインが5フラン、ソフトドリンクは3~4フラン前後。
軽食はサンドイッチが殆どですが、ショーケースに入っているのを見てみるとパンにチーズやハムを挟んだだけの超簡単なメニューです!野菜すら入っているのが見えません(笑)。
サンドイッチの他、ちょっと甘系のメニューを見つけたので試してみる事に。こちらはアップルタルト、価格は4フランとお手頃ですが、安い割にパイ生地はパサつかないし、りんごもちょうど良い甘さ。ボリュームもあってなかなかお得!
サンドイッチを食べるより、遥かにコスパ良いと思います。
煌びやかな講堂へ!
さてさて、今回の決勝の開演は19時、その30分前になると客席への階段が開放されて開場となりました。客席は平土間「Parterre」と2層のバルコニー「Galerie」の3層構造。
客席へ入ってみると、まぁなんとも豪華な内装ですこと!金の装飾がふんだんに施されていますが、派手やかというより重々しい重厚な感じがしますね。
天井も豪華ですが、他国のホールにある様なフレスコ画ではなく、音楽をテーマにした現代風の絵柄が印象的!その周りには絵の描かれていない楕円形の額縁の様な所もありますが、もしかしたら84年の火災で焼失する前は何か別の絵画が描かれていたのかもしれません。
舞台背面には立派なパイプオルガン。これは1993年に設置されたかなり新しいもので、先代は火災によって焼失してしまった様です。
ちょっと変わった木製のシート
客席は、木造の背もたれに網目状の座面がついたものです。この座面はワラの様な素材で出来ており、畳の様な匂いが漂います。
通路側は補助席になっているので、座席指定の際は要注意!でも今回の決勝では残席に余裕があったのか、この補助席はどこも使われていませんでした。
また、1階平土間席は上階バルコニーの張り出し部分がある為、後方および両サイドのボックス席は音響・眺望にかなり制限があると思います。美しい内装を眺めながら音楽に浸りたい場合は、是非とも中央の席を確保したいところ。
2階バルコニーは音響が良い
尚、今回の私の席は2階(1st Galerie)でしたが、ここはちょっと足元のスペースが狭いです。シート幅も広くないですし、あまり環境としては良くないかなと。
眺望に関しては、中央の席であればパイプオルガンを中心にシンメトリックな眺望が楽しめます。しかし両サイドのバルコニーからはかなりステージが見え難く、体を乗り出して鑑賞している人もいるくらい。
東京のオペラシティ・コンサートホールと似ているかもしれません。
ただ、音響はGood!オーケストラは弦楽器から管楽器までバランス良く聴こえてきますし、残響時間もちょうど良い具合。ピアノの音は若干天井に抜けてしまう感も否めませんが、それでも小さな音でも耳に飛び込んできて、細かいニュアンスの変化も分かります。
「聴衆賞」の投票
そんな豪華な内装のビクトリアホールで行われたジュネーブ国際コンクールの決勝。出場者3名の演奏については「結果発表」の記事で触れていますが、3名の中で特に大きな歓声を受けていたのが、プロコフィエフのコンチェルトを弾いたDmitry Shishkinさん。
その歓声の通り、彼は1位受賞と共に「聴衆賞」も獲得!2015年ショパン国際コンクールの6位入賞者という事もあって、コンクール前から注目はしていましたが、やはり彼のメカニックな演奏は凄かった!
聴衆賞への投票は、当日配られるプログラムの中にある投票用紙に候補者名を記入し、それを終演後に投票BOXの中に入れます。私個人的にはバルトークを弾いたThéo Fouchenneretさんに軍配が上がりましたが、それでも同率1位獲得なので文句ナシ!
と言う訳で、11日間に渡るジュネーブ国際コンクールのピアノ部門が幕を閉じましたが、巨匠が弾く70%の演奏なんかよりも、こうやって若いコンテスタントが弾く120%の演奏の方がはるかに聴く価値がありますよね!ジュネーブ国際コンクールは毎年開催されていますが、次のピアノ部門は3年後?4年後?機会があればまた訪れてみたいと思います。ジュネーブ国際コンクールについては、「ジュネーブ国際コンクール」のカテゴリーも併せてご覧下さい。コンクールの結果発表についてはコチラ→ジュネーブ国際コンクール2018結果発表!ピアノ部門
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