以前このブログでご紹介した、シンガポールのマリーナ地区にあるエスプラネード・コンサートホール。その同じ施設内には「Theatre(シアター)」というオペラハウス型の劇場があって、連日公演が行われています。
今回はこのEsplanade Theatreで、日本の楽団による公演を鑑賞しました!チケット購入から客席まで、詳しくレポートしたいと思います。
目次
トゲトゲ屋根の中にある劇場
エスプラネード(Esplanade Theatres on the Bay)と言えば、シンガポールのマリーナ湾に接する文化複合施設。中には大小様々なホールやスタジオが入っていて、オーケストラや演劇などのコンサートが連日行われています。
マーライオンパークからも一望出来る、この斬新な建物。トゲトゲの屋根に覆われたガラス張りの外観が特徴的で、その歪な形から“ドリアン”とも呼ばれているそうですが、私的にはジャックフルーツ(パラミツ)の方がしっくり来る様な…(笑)。
トゲトゲのドーム屋根は2つあって、その2つの間にメインエントランスがあります。夜はライトアップされて、より一層パラミツ色に!
ホールへのアクセスとしてはMRTのEsplanade駅が最寄の他、City Hall駅からも同じ地下街を通って来る事が出来ます。
City Hall駅から向かう場合は、地下街をひたすら歩いてエスカレーターを上り下りする必要があるので、駅からホールまで徒歩10分は見ておいた方が良いかもしれません。
アクセスについてはこちらの記事も併せてご覧下さい→「シンガポール交響楽団」公演チケットとEsplanade Concert Hallアクセス
チケットはWebサイトから購入
エスプラネード・シアターの公演チケットは、Esplanadeの公式HPから購入出来ます。任意の公演の案内ページにあるBuy Ticketsを押すとチケット購入が面に切り替わり、公演日や座席の種類などを選択。
座席はシートマップから選択可能ですが、稀に空席にも関わらず何故か選択できなくなるという不具合が発生する事も。システムの都合かブラウザの都合か分かりませんが、その場合は素直に諦めて他の席を選択するしか方法が無い様です。
初めて購入の場合は、SISTICというシステムへのアカウント登録が必要(シンガポールシンフォニーHPのアカウントがそのまま使えます)。
クレカで決済が完了したらバーコード付きのEチケットがメールで送られて来るので、それをプリントアウトまたはスマホに保存して当日持参すれば、そのままチケットとして使用出来ます。
尚、チケットはエスプラネードのエントランスから入って一つ下の階にあるボックスオフィス(営業時間…12:00~20:00)でも購入する事が出来ます。
エントランスから吹き抜けのロビーへ
エスプラネードシアターの入り口があるのは、メインエントランスから入って左側。開場時刻になるとエスカレーターが動き出し、係員によるチケットチェック&手荷物検査を受けて上階のロビーへ進んで行きます。
今回の公演は20:00開演のところ、19:15にロビー開場、19:30に客席の開場と相成りました。
ロビーは座席の階数(レベル)ごとに分かれていて、どの階も特に飾り気もなくとてもシンプルな内装。低層階は上階の天井が張り出して、ちょっと窮屈な感じがします。
しかし各階は吹き抜けになっていて、特に最上階は吹き抜けになったガラス張りの屋根がすぐ側まで迫るダイナミックな景観がなかなか素敵です!
Barのメニューをチェック!
ロビーの一角にはBarカウンターが設けられていて、途中の休憩時間になると営業開始。Barは複数ありますが、この日は最下層の1箇所のみ営業していました。尚、決済にはクレジットカードにも対応している模様。
メニューをチェックしてみると、ビールやワインは$10、シャンパンは$18、ソフトドリンクは$4~。物価高のシンガポールなのでさぞボッタクリ価格かと思いきや、オペラ座にしては良心的な価格設定です。因みに、この日のシャンパンの銘柄はLaurent Perrier。
ヨーロッパのオペラ座の様にピンチョス等の軽食があれば良いのですが、残念ながら販売はドリンクのみ。
音響効果の優れた客席
19:30になると係員が一斉に扉を開けて、客席への入場開始!今回は最上階のCircle 3・Door 11から入場します。
客席は4階層になっていて、キャパは1,923。ヨーロッパさながらの馬蹄形(馬のヒヅメに似た形)になっていて、ワインの様な真っ赤な内壁がなかなか素敵です!
21世紀に建てられた新しいホールの為、パリのガルニエにある様な歴史の重みは感じられないものの、ドバイオペラに見られる様な“ブルジョア感”はしっかりと演出。
一方、天井にはヨーロッパのオペラ座にある様な豪華なシャンデリア等は無く、代わりに音響効果を高める為の反響板が設置。
馬蹄形のオペラ座はどこも音が吸収されてデッドになりがちですが、ここはこの反響板の効果もあってか、適度な残響でステージの音がごく自然に聞こえてきます。
流石は現代版オペラ座、見た目重視だけではなく音響の追及にも抜かりが無いですね。
最上階コスパシートの眺望は…?
今回の私の座席は、最上階の中央ブロック。オペラ座の最上階と言えば、大概どの会場でも座席配列は断崖絶壁になりがちですが、ここは比較的なだらかです。
最前列の右端から3番目を指定しましたが、座席幅はとても広く、普通に肘を下ろしても肘掛けに当たらない位に余裕があって快適!日本のコンサート会場もこれくらい広いと文句無いのですが。
眺望も良好で、殆ど身を乗り出すこと無くステージの全景が見えます。他の階よりも割安な最上階の席ですが、これでもチケット価格は$78+税で$82(≒8,200円)もするという…。
尚、最上階および一つ下の階の両サイドバルコニー席は、この様に座席が前を向いた配列になっているので注意が必要。ここへは後から若いティーンズの団体客が座りに来ていたので、おそらく“わけあり”席なのだと思います。
日本の楽団による公演「DRUM TAO」
さてさて、この日のプログラムは「DRUM TAO」という日本の楽団による公演。“ドラム”の名の通り和太鼓を使ったアクロバティック・リズム・パフォーマンスで、フルートや三味線とのコラボもありました。
PVを見ての通り、鍛え抜かれた若い男達が繰り広げる“カッコいい”をウリにした女性向けの内容ではありますが、ビートを外した複雑なリズムのクロスオーバーは音楽家の血を掻き立てるもので、男の私が観ても十分に満足のいく内容です。
プロモーションにも力を入れている様で、この日はアンケート記入と引き換えにバッジをプレゼントするという企画も。
過去には日本でもツアー公演を行っていたそうですから、今後彼らを見かけた際は是非とも応援してあげようと思います。
普段着で入れるオペラハウス
と言う訳で、シンガポール版のオペラハウスで観るコンサート。ドイツやオーストリアの様に着飾る必要も無く、日本と同じ普段着のままで気軽に鑑賞できるのは嬉しい所です。
機会のある方は是非!エスプラネードでの鑑賞については、以下の記事も併せてご覧下さい。