昨日に引き続きチェコ・プラハの話題から、今回は私がプラハ旅行で訪れたオペラ座「国民劇場The National Theatre」でのオペラ・バレエ公演の鑑賞から、ステージの見え方や音の聴こえ方についてレポートしたいと思います。
プラハにはオペラやバレエの公演が楽しめる歌劇場が幾つもあって、芸術鑑賞の聖地となっています。国民劇場以外にも「国立歌劇場The State Opera」や「エステート劇場The Estates Theatre」、「カーリンミュージックシアターThe Karlín Music Theatr」など、いずれも馬蹄形の講堂を持つ豪華な造りの歌劇場ばかりです。チェコは物価水準が低く、ウィーンやパリと比べるとチケット価格は数分の一!少ない予算で1stカテゴリの特等席を確保できるのも魅力でした。
チケット価格が安い!
プラハで行われるバレエやオペラのチケットは、いずれもNational TheatreのHPから購入する事が出来ます。英語の切替も可能で、決済後はバーコード付きのEチケットが発行されて、それを印刷して当日持参するだけでOKです。
驚きなのはチケット価格の安さ!例えば国民劇場のバレエ公演ですと、一番高い公演の一番高いチケットでも1,100czk(≠\5,000)。割高なオペラ公演でもこの2割増くらいですから、これは2万~3万はするウィーンのシュターツオーパーやパリのガルニエと比べると数分の一です!※価格は社会情勢により随時変動します。肝心の演劇の質に関しては後述しますが、豪華な造りの歌劇場で本格的なバレエやオペラがこれ程お手頃価格で楽しめるというのは、とても貴重ですよね。
ブルタバ川沿いにある国民劇場
私がプラハで最初に訪れたオペラ座「国民劇場」。場所は旧市街の西部、ブルタバ川沿いにあります。
この時は外壁工事が行われていて一部足場が組まれていました。重厚感漂う立派な建物ですよね。19世紀に建築・再建された当時のまま残っている部分もあるのだとか。
客席は一般的なヨーロッパのオペラ座に見られる馬蹄形で、赤色の客席と金の装飾が美しい造り。座席は平土間を含めて5階層となっていますが、ステージの幅が狭いのか、講堂の容積自体はとても小ぶりに感じます。
天井の装飾もなかなかのものですね。ただパリやウィーンと比べると、質感は若干ちゃちな感じがします。
眺望の良い平土間、しかし音は…
今回、私はこの国民劇場で2回鑑賞し、初めは平土間の1列目、2回目はステージサイド上階のバルコニーです。
平土間の1列目は文字通り一番先頭の座席。しかし割りと奥行きのあるオーケストラピットのお陰でステージからの距離が稼げるので、ステージが見え難い事はありませんでした。しかも前に人が来る事が無いので、小柄の人でも安心でしょう。しかしオーケストラが近い割りに音が全然飛んで来ません。特に弦楽器が聴こえ難く、遠くで鳴っているかの様…。管楽器は、特に金管との距離が近い事もあって、ベルの方向によってはよく聴こえますが、それが全体のバランスを崩してしまっている様です。
眺望悪くも音は良い?バルコニー席
次に上階、4階席バルコニー席です。お値段も350czk(≠\1,500)とかなりお手頃!ここはバルコニー席の先頭の列なのですが、普通に座るとステージが全く見えないので前かがみにならざるを得ず、これがかなり疲れる…。しかも衝立(ついたて)が無いのでたまに落ちそうになります。
ただ、平土間の最前列で聴くよりもオケの音は遙かに飛んで来ます。これはオーケストラピットの音が天井の方に抜けてしまっている証拠でしょう。歴史ある古い講堂ですから、音質に特化した造りではないのかもしれませんね。
次回は「国立歌劇場The State Opera」のレポート、そしてダンサーの腕前や演奏の善し悪しについてお伝えします。
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