オペラシティ「近江楽堂」のコンサートで音響を確かめた率直な意見

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先日、新宿・初台にある「オペラシティ」の近江楽堂でのコンサートを聴きに行ってきました。オペラシティと言えば“タケミツメモリアル”で有名なコンサートホールがありますが、あの細長いホールはバルコニー席を中心にステージの見え難い席が多く、観客の立場としてはどうも好きになれません・・・。

そんなオペラシティに「近江楽堂」という小さなホールがあるのをご存知ですか?固定座席の無い小じまりとした空間で、50~60名程度の収容人数があるホールですが、なかなかココでのコンサート鑑賞の機会に恵まれず、これまで一度も立ち入った事はありませんでした。 今回知人の誘いがあって、フルートとハープによるコンサートを聴きに、近江楽堂へ初潜入を果たしました。そこで、コンサートを観賞してのホール音響について、レポートしたいと思います。

広大な空間と洗練されたアプローチ

オペラシティの最寄りとなる「初台」の駅からホールへと続くアプローチは、吹き抜けの天井や洗練されたデザインが成す空間美があって、いつ来ても魅了されます。

オペラシティ 近江楽堂 (3)

特別な豪華さがある訳ではありませんが、過密都市“新宿”にこれだけの空間を使って贅沢に演出できるというのは、ある意味スゴイ事ですよね。

オペラシティ 近江楽堂 (1)

今回は初めて行く「近江楽堂」ですので、少し迷いました…。案内板を見ると、コンサートホールと同じ3階にある様です。

オペラシティ 近江楽堂 (4)

チケットセンターの前を通ってその先…

オペラシティ 近江楽堂 (5)

ありました!結局はコンサートホールへ行く途中に近江楽堂はあるんですね。この洗練されたアプローチを通って会場入りすると、コンサート鑑賞へのモチベーションが上がります。

固い座面の椅子

コンサートは満員御礼!見たところ、50~60人ほど入っている様に見受けられました。しかし後付けの椅子なので、もう少しシートピッチを詰めれば、更に10~20名は入れるでしょう。実際、遅れて来た客に対して、スタッフが椅子を追加していました。

オペラシティ 近江楽堂 (7)

ただこの椅子、座っているとかなり疲れます。クッションが無いのは勿論の事、背もたれが垂直な為か、重心が常に尻の方へと集まり、体重を分散できません。2時間ほどの公演の中、途中休憩時に席を立たずに過ごした所、臀部が凝ってしまいました。

常に鳴り続けるノイズ

演奏を聴いていると、どこからともなく“ジー”っという耳障りな音が聴こえて来ます。

オペラシティ 近江楽堂 (6)

恐らくステージを照らすスポットライトや、会場袖の可変ライトから鳴っているものだと思いますが、2時間の公演中、常に絶えず鳴っていました。会場が狭い為、観客とこれら照明器具との距離も近いですから、ごく小さなノイズでも気になってしまうんですよね。会場の特性上仕方の無い事かもしれませんが、もう少し配慮してもらいたいものです。

乱反射による耳障りな音

演奏は主にフルートとハープ、それに加えて男性による語り部もあるユニークなものでした。

フルートの音を聴いていると、特に高い音程の時に、耳にギュンギュンと鋭い雑音が入って来ます。 恐らくこれは周囲の壁に当たった音が乱反射して耳に届いているものだと思いますが、近江楽堂がヒョウタンの様な形をしていて面と面を介した長方形ではない構造だからこそ、起こり得るものなのでしょう。

オーディオルーム

例えばオーディオルームを作る時に、部屋の対面する壁を音が「反射」する素材と「吸収」する素材とで分けて構築し、音の軌道をなるべく乱さない様に留意するものですが、近江楽堂にはその様な効果が無いのかもしれません。

低音のこもり

一方、語り部の男性の声を聴いていると、特に低い音程においてはまるでトンネルの中で話しているかの様にこもって、何を喋っているのか分からなくなる程でした。今回の語り部奏者は優秀なのか、それを意識してハッキリとした口調で発音しされていたので、それほど難なく聴き取る事が出来ましたが、高音にせよ低音にせよ、近江楽堂の音響はちょっと期待できるものではない様です。

実際の広さと低廉な利用料金

公演修了後、お客さんが殆ど居なくなった後の会場を見渡してみましたが、思ったよりも狭く感じました。特に天井の高さは思ったよりも低く、特にHPに掲載されている会場の写真のイメージとは掛け離れています。

オペラシティ 近江楽堂 (9)

ただ、あれだけ客が入っていたのに、音が人に吸収される事なく豊かな残響(良い意味でも悪い意味でも)を保っていたので、これもある程度の天井の高さが成す効果なのかと、素人ながらに思っています。

近江
文京シビック利用料

尚、近江楽堂の利用料金は1区分¥25,000~と、都内の主要ホールとしては破格の料金ながらも、区分によっては同じ値段で文京シビックの小ホールが借りられてしまう事を考えると、主催者側としては悩ましい所ではないでしょうか?

オペラシティ 近江楽堂 (12)オペラシティ 近江楽堂 (14)

今回“客”として入った私の感想としては、殺風景な内装に加え会場内のノイズ、残響の乱反射に加え座り心地の悪い椅子と、満足のいく内容ではありませんでしたが、会場の特長的なデザインやインテリア、そして駅からの洗練されたアプローチを考えると、これを「買い」と判断する主催者も多いのかもしれません。しかし音響を重視する演奏者の方は、利用について慎重に検討される事をおススメします。

以上、オペラシティ「近江楽堂」初潜入のレポートをお伝えしました。

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