ウィーンよりも美しい!グラーツのオペラ座で観る「フィガロの結婚」観賞レポート!

昨日に引き続き、オーストリア・グラーツにある歌劇場“OPER-GRAZ”での鑑賞記です。今回は、このオペラ座でモーツァルトの有名な喜劇≪フィガロの結婚≫を観賞しましたが、ウィーンよりも美しい講堂で観るオペラは、なかなか見応えあってGood!

客席のシートや眺望、またオーケストラの演奏等について、レポートしたいと思います。尚、このグラーツ歌劇場のチケットやアクセス等については、昨日の記事をご覧下さい→グラーツ歌劇場の座席図とチケット手配/美しい大階段から客席へ!

最上階GALERIEからの眺望

グラーツ歌劇場4階の客席入口

今回の私の席は、GALERIEというエリアの席。ホール最上階(4階)の中央に位置します。早速中へ入ってみましょう!

グラーツ歌劇場4階席の後ろ

客席入口でチケットのチェックを受けて中へ入ると、客席の奥にシャンデリアがお目見え!かなり天井に近い所から入る形になる様です。

グラーツ歌劇場のシャンデリア

天井から吊るされた大きなシャンデリア、そこから放射線状に延びる金の装飾がまるで客席に降り注ぐ流れ星の様な印象を受けます。飾り気の無いウィーン国立オペラ座と比べると、かなりゴージャスですよね!

グラーツ歌劇場のオーケストラピット

このグラーツ歌劇場のキャパは1186。ウィーンの国立歌劇場と比べると半分程に過ぎませんが、こうして上から見ると平土間の間口が広く、オーケストラピットもかなり広い印象を受けます。今回は「フィガロの結婚」なので編成は小さいですが、この広さなら12型の3管くらい余裕で入りそうですね。

グラーツ歌劇場のボックス席

そして、オペラ座と言えばこの両サイドのボックス席。ウィーン国立オペラ座のボックス席は1部屋あたり6名収容でしたが、ここは4名となっている様です。

コスパ最高の2ndカテゴリー

グラーツ歌劇場のシートマップ

さて、今回の私の座席はGalerie Mitteの先頭席!シートマップを見ると分かりますが、このGALERIEの座席区分は2~6カテゴリーとなっており、唯一1stカテゴリーが無い階層です。

グラーツ歌劇場4階席からの眺望

その分、他のエリアと比べると眺望に難があるのかと思っていたのですが、実際に座ってみると眺望は文句なし!視界を遮るものが一切無く、舞台もオーケストラも一望出来てGood!ここが1stカテゴリーではなく2ndカテゴリーだという事が不思議なくらいです。

グラーツ歌劇場の座席の足元

足元は広く無いですが、グラーツ楽友協会と比べたら余裕があります。でも手すりが低いので、高所恐怖症の人は要注意?

opera-graz-balkon

尚、一つ下の階(BALKON)の先頭列は1stカテゴリーですが、多少舞台からの距離が近づくだけで、眺望に差はあまり無いでしょう。それよりも、このGALERIE部分の張り出しが邪魔をして、天井に抜ける音が響いて来ない事も想像できますね。

そういう意味では、この最上階の先頭列はとてもコスパの良い席だと思います。

1階席から眺めてみる

グラーツ歌劇場1階席

まだ開演まで時間があるので、ついでに1階席も覗いてみました!平土間は、後方に向かって緩やかな傾斜がついていますが、後方の両サイドへ行くと、上階の張り出しが頭の上に来るので、この辺りの席を選ぶならなるべく中央寄りの方が宜しいかと。

グラーツ歌劇場の舞台

1階席から舞台を眺めてみると、なかなか迫力ありますよね!公演中は、緞帳の上部の黒い部分に翻訳(ドイツ語)が出る様になっています。

グラーツ歌劇場の上階

上階を見上げた感じもステキ!こうして見上げると尚更分かりますが、天井が迫る2階BALKONの後方を取るくらいならば、最上階GALERIEへ行った方が開放感もあって良いでしょう。

グラーツ・オペラで観る「フィガロの結婚」

グラーツ歌劇場プログラム

さて、今回の演目はW.A.モーツァルト作曲のオペラ≪フィガロの結婚≫。あらすじは述べるまでも無いですが、喜劇なので言葉が分からずとも楽しめる要素は他のオペラよりも多いでしょう。冒頭(序曲)の一部に卑猥な演出もありましたが(笑)。※プログラムは€2.5。

グラーツ歌劇場の舞台セット

舞台セットの質、歌手の実力ともに概ね良し!チケットが安いからと言って抜かりは無く、同じ舞台セットながら場面に合わせて変化に富んだ演出が繰り広げられていました。

グラーツ歌劇場のオーケストラ

しかし、オーケストラの演奏はイマイチ…。グラーツ楽友協会で聴いた時と同じ、相変わらずバイオリンはTuttiでも音質が揃わないし、ホルンはプスる事多し。オペラにおけるオーケストラは歌の伴奏程度の役割に過ぎませんが、ちょっとこれは期待ハズレです。

ただでさえ“長調”しか聴こえてこないモーツァルトの作品だからこそ、尚更オケの演奏が物を言うのだと思いますが、ちょっと眠くなる演奏でした。

ちょっと高級なドリンクメニュー

最後に、休憩時間のホワイエの様子とBarのメニューを少し。フィガロの結婚は3幕オペラですが、2幕と3幕の間で15分の休憩がありました。

グラーツ歌劇場4階のホワイエとカフェ

昨日の記事でお伝えした通り、4階GALERIEのフロアにはカフェ・レストランが併設されたモダンな社交場があるのですが、メインはここでは無くて1階のエントランスロビーです。

グラーツ歌劇場の休憩時間

休憩時間になると、客席から一斉に人が出て行って社交場に集まるというのはウィーンと同じですが、Barを備えたホワイエが各所にあって分散するので、混雑は殆どありませんでした。ほぼ満席の公演にもかかわらず、休憩時間に人の行列が出来ていないBarを見たのは、このグラーツが初めてかも?

グラーツ歌劇場のBarメニュー

Barのメニューを見てみると、グラスワインが€5.5するなど、価格はちょっと高め。ウィーンでも€3.8で飲めたのに、これはちょっと意外です。

しかしシャンパンは「ペリエ・ジェ・グラン・ブリュット」が入っていました。そのボトルの市場価格は6千円を越える程!軒並み安いスパークリングワインで済まされてしまう事も多いオペラ座の“泡”ですが、ここはなかなか力を入れていますよね。

美しさはウィーンよりも上!

グラーツ歌劇場の美しさ

と言う訳で、2回に渡ってグラーツ歌劇場を見てきましたが、赤絨毯の敷かれた大階段から始まり、歴史の重みを感じる煌びやかな金の装飾の施された講堂。規模は小さめとは言え、内部の美しさはウィーンを凌ぐ程だと感じました!

グラーツ歌劇場の夜のライトアップ

これでチケット価格はウィーンの僅か数分の一ですから、手軽に本格派オペラを楽しむには最適ですよね。グラーツへお越しの際は、ぜひ訪れてみて頂ければと思います。チケット手配等については、昨日の記事をご覧下さい→グラーツ歌劇場の座席図とチケット手配/美しい大階段から客席へ!

尚、ウィーン国立オペラ座に関しては、次の記事に詳しく記載しています→オペラ鑑賞記《ウィーン国立オペラ座》美しいホワイエと日本語への対応

グラーツに関する全ての記事一覧は、カテゴリーをご覧下さい→グラーツ

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