今日ご紹介するのは、シンガポールにあるヒンドゥー教の寺院「スリ・マリアマン寺院」です。都市の中に佇むちょっと奇妙な屋根飾りの建物には、どの様な世界が待っているのでしょうか?詳しくレポートしたいと思います。
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チャイナタウンにあるヒンドゥー寺院
スリ・マリアマン寺院があるのは、シンガポールのチャイナタウン。ヒンドゥー教の寺院が何故チャイナタウンにあるのかと言えば、19世紀辺りまでこの界隈には多くのインド人が住んでいたからだそうですが、それだけ華僑の人達は新興勢力という事なのでしょう。
ヒンドゥー教の寺院と言えばこの外観!初めて見た時は気持ち悪いと思いましたが、慣れてくれば芸術的に見えてくるものです。
これだけで何体くらい居るのでしょうか?人物像は表情こそ皆一様ですが、キャラクターのバリエーションがハンパ無いですね。遠くから見るとグシャっとしていてちょっと気持ち悪いですが、近くで見ると個々の鮮明さに驚きます。
靴を脱いで入る
それでは早速中へ入って行きたいと思いますが、ヒンドゥー寺院は“土足厳禁”なので、入口横で靴を脱ぎます。
靴を置いておくロッカーが用意されていますが、履き間違いや盗難など何かと心配は付き物ですよね。治安の良いシンガポールだからこそ出来る設備なのでしょうけど、やはり海外では不安な方も多いと思います。私の靴は全然大したものじゃないのでここに置いておきましたが、心配な場合は袋を用意して持って行く事をおススメします。入口の扉はかなり重厚です。半分から上部にはベルが沢山付いています。
入口の足元には、段差を補うスロープが。一応バリアフリーには対応している様です。
写真撮影は$3、ドレスコード有り
中へ入ると早速注意書き。土足厳禁に加え、タンクトップや半ズボン、女性は露出度の高い服装やスカートはNGで、その場合は横に置いてあるローブを着用との事。
入場は無料ですが、撮影を希望の場合は撮影料が必要で、写真は$3、ビデオカメラは$6。「チケットをお求め下さい」と書かれているのは、なんと日本語!
カメラ/ビデオのチケットは、入って左側のカウンターで購入します。最初、窓口を覗いても誰もおらず、途方に暮れていると暫くしてオジサンが出てきました。
“チケット”と言えども、渡されるのはレシートのみ。他の諸外国では、精算済みを示すシールを衣服に貼り付けてアピールするものですが、ここは狭いのでその必要が無いのかもしれません。
主祭壇と色鮮やかな天井画
館内の間取りは至ってシンプル。主祭壇のあるワンフロアの建物と、その周りに中庭があるのみです。
入口から入って正面奥には主祭壇、ここには「マリアマン」という南インドに伝わるヒンドゥーの女神が祀られていて、祈りを捧げれば病気が治るとされているそう。信者以外は祭壇へ近づく事が出来ないので、遠目から観賞します。
天井画が美しいですね。煌びやかな装飾のあるキリストの寺院と違って、色鮮やか!入口の屋根の装飾もそうでしたが、描かれているキャラクターが実に個性豊かです。
天井付近の装飾は他にも見られます。多くの人物が、4本の腕を持っているのが特徴的。
中庭も土足厳禁
続いて建物の外、中庭に出てみましょう。屋根の無い屋外ですが、ここも引き続き土足厳禁です。
壁際を見ると、無造作に置かれた棚の上に何か乗っています。何かのお供え物か…?
見ると、まだ火の灯ったロウソクらしきものも置かれています。これは「ディヤ」と呼ばれる素焼きの器をロウソクにしたもので、調べた所によると、月明かりの無い新月の夜にこれで祝典を挙げるのだとか。
本堂の建物は、外から見ると屋根に沢山の装飾が付いているのが分かります。人間も動物も大小様々、これらは皆ヒンドゥーの神々を表しているのだそう。
中にはちょっと威圧的な神様も!男性かと思いきや、乳房があるのでこれも女神様なのでしょうか。
その他、独立したお堂の様な建物もありました。昼間なので灯りは全く点いていませんが、夜になるとどの様な灯りが灯るのか、少し気になります。
観光地としては少し物足りないか…
スリ・マリアマン寺院は、シンガポールで最古の寺院という事ですが、この時観光客は殆どおらず、私を含めて数名程度。あまり人気のある観光地ではないのかもしれません。無料で入れるとは言え、確かに華やかな見所があるものでも無いですし、靴を脱ぐのがメンドクサイと思う人もいるかもしれません。また、この時は信者らしき人の姿も無く、何だかちょっと異国の寺院としては物足りない印象でした。それでも寺院の中は風が通って涼しく、観光のちょっとした間合いに覗いてみるのも良いかもしれません。
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