都市国家として知られるシンガポールには、人口で作られた大自然が数多く存在していて、「サザンリッジ」もその内の一つ。遊歩道が張り巡らされた都会のジャングルには、珍しい鳥が沢山いて、歩いているだけで楽しい所です!
市街地中心部からのアクセスも良好、そんな自然公園での散歩体験をレポートします。
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ハーバーフロントの自然公園
シンガポール島の南端に位置するハーバーフロント駅。セントーサ島への玄関口にもなっていますよね。
“ハーバーフロント”の名の如く南側は海に面していますが、駅の北側は森林に覆われていて、ここにサザンリッジと呼ばれる遊歩道が整備されています。
サザンリッジの遊歩道には「フェーバー・ウォーク」や「フォレスト・ウォーク」など様々な名前が付けられていて、進んで行くごとに変わっていきます。今回はハーバーフロント駅を出発して、フォレスト・ウォークまで歩きました。
鉄柵の遊歩道を進んでゆく
駅を出てすぐ、森林への入口へと辿り着きます。ここが市街地中心部から僅か4kmしか離れていない所とは思えない程、秘境感満載です!
この様に、鉄柵の付いた遊歩道が永遠と続いて行きます。歩き易いですが、途中幾つも階段があるので、バリアフリー対応では無い様です。
沿道には、熱帯地方特有の植物も多く見られました。例えばこの板状の根を持つ樹木。これは西表島で見たサキシマスオウノキと同じですね。あれと同種かな?
南国固有の鳥を発見!
植物と同じ様に、サザンリッジには日本ではあまり見ない様な鳥が幾つも見られました。
道中には案内板もあって、ここで見られる鳥が掲示されています。日本語名を表示すると、左から順に
- ミドリカラスモドキ
- メンフクロウ
- ナンヨウショウビン
- ズアカミユビゲラ
- ブッポウソウ
- セアカハナドリ
となります。ブッポウソウなんかは日本にも夏鳥として飛来する事もある様ですが、ズアカミユビゲラなんてそう見る機会無いですよね。
私も見つけました!…が、案内板に掲示されたものではなく、これはアオショウビン。大きなくちばしと愛くるしい立ち姿がなんともユーモアたっぷりの鳥で、前から見ると分かり難いですが、名前の由来ともなっている青い羽は鮮やかな色で一際目立っていました。
日本にも“迷鳥”として飛んできた記録があるのだとか。同じカワセミの仲間で“リュウキュウアカショウビン”などは、八重山地方でもよく見られると思います。
そしてこちらも案内板に非掲載のオオハッカ。一見するとカラスに似ていなくもないですが、もっと小柄でカワイイです。
しかもコイツ、鳥のくせに私の目の前ではあまり飛ばずに、ピョンピョンと跳ねながら特長的な動作で道路を歩いて行きます。その姿がかなり滑稽!しかしこの鳥、シンガポール全域に生息していて、街中のホーカーに現れては食料をつつきに来るので迷惑がられているのだとか。私が滞在中にはここでしか見なかった気もするのですが、そういう意味ではカラスと大差なし?
ちょっと異様なビューポイント
サザンリッジを進んで行くと、所々にちょっとした休憩所を含むビューポイントが存在していました。
序盤のフェーバー・ウォークのビューポイントからは、セントーサ島とを結ぶロープウェイが見られます。これをシンガポールでは“ケーブルカー”と呼ぶのだそう。8人乗りのゴンドラが、市街地から15分で結んでいます。
熱帯の樹木の奥に近代的なビル、そして遙か先にまで続くロープウェイ…、なんとも不思議な組み合わせですよね。異様な雰囲気が漂っています。
このビューポイントの側には、以前使われていたゴンドラが展示されています。ここも休憩スペースになっている様ですが、落書きが無いのが治安の良さを物語っていますね。下手すりゃ日本でもこういう所には落書きがあったりしますから。
ブリッジ「ヘンダーソン・ウェイブ」
サザンリッジへ入ってから45分ほど、HENDERSON WAVESと書かれた表示と、その先に架かる橋の袂にやって来ました。
サザンリッジには道路を越える橋が幾つかあって、その斬新なデザインも見物です。フェーバー・ウォークの先にあるヘンダーソン・ウェイブは、波のようにうねる様なデザインが特徴で、シンガポールの中で最も高い所にある遊歩道なんだとか。
ここからの眺めもまた異様…。森から突き出した斬新な高層建築がある光景は、なかなか見られるものでは無いと思います。これは湾岸沿いにある「リフレクションズ」という高級デザイナーズマンション。家賃はどれも50万円以上が相場なんだとか!
とにかく暑い!水分補給必須!
ハーバーフロントの駅からフォレスト・ウォークの終点まで、かかった時間はおよそ2時間…、とにかく暑い!マイナスイオンたっぷりの森林浴とは違い、常夏シンガポールでのウォーキングは、なかなかツライものがあります。
日ごろのデスクワークから開放されて気晴らしにはなりましたが、水分補給は必須!途中、日本製の自動販売機がありましたが、ちょっと制動に疑いが…。あらかじめスーパーなどでペットボトル水を買って持参するのが望ましいと思います。
それでも、珍しい植物や鳥に出会える点や、都市に居ながらにして味わえる秘境感を無料で楽しめるのは価値があると思います。治安の悪さも一切感じませんでしたし、人混みに疲れた際は息抜きに訪れてみるのも良いかと思います。
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