ベトナム国内には、フランス統治時代に建てられたオペラ座が幾つか存在しますが、その内の一つがホーチミンにある市民劇場「サイゴンオペラハウス」。ここでは定期的に公演が行われていて、誰でもチケットを購入して鑑賞する事が出来ます。
今回は、先日訪れたサイゴンオペラハウスの鑑賞レポート!チケットの購入方法からオペラ座の内部まで、詳しくお伝えしたいと思います。
目次
フランス統治時代に建てられたオペラ座
ホーチミンのサイゴンオペラハウス、場所はホーチミンの“シャンゼリゼ通り”としても知られるドンコイ通り沿いにあります。地元では「市民劇場」とも呼ばれているのだそう。
ベトナムのフランス統治時代を象徴するコロニアル様式の建物で、建築は1897年~1899年。1911年に建てられた「ハノイ・オペラハウス」よりも古いという事になりますね。第2次世界大戦の空襲によって一部が損壊、その後1955年に修復されたのだそう。一時は国の議場として使われていたそうですが、現在ではコンサート劇場として回帰、連日公演が行われています。
尚、オペラ座の裏手の方はカフェ(Highlands Coffee)になっていて、テラス席の他、オペラ座の建物内に入り組んだ落ち着いた雰囲気の店内があります。
チケットはLune Productionのサイトで購入
サイゴンオペラハウスの公演チケットですが、日本から購入する場合は「Lune Production」のサイトが便利!座席指定もできて、クレジットカード決済で簡単に購入可能です。
買い方はハノイ・オペラハウスと全く同じなので、詳しくはコチラを参照→ベトナム・ハノイ「オペラハウス」チケット購入はこのサイトから!
Webでチケットを購入するとEチケットが発行されますが、公演当日窓口で実券への引き換えが必要です。オペラ座正面エントランスの右側に引き換え専用の窓口があるので、そこでEチケットを提示すればOK。
チケットは、ミシン目の左側が半券、右側にはウェルカムドリンク(下記参照)のチケットになっています。
それにしても、今回のチケット価格は1,600,000VND(8,000円)。一番高価な1stカテゴリーの席ではありますが、ベトナムの物価水準からするとかなり割高ですね…。※価格は為替レート等により常に変化します。
尚、当日券を求める場合はエントランス左側のチケットブースへ。公演直前以外でも、ボックスオフィスは9:30~18:00の時間で営業しています。
ロビーと内装
それでは早速チケットチェックを受けて中へ!オペラ座のロビーへは、公演のおよそ1時間前から入る事が出来ます。
このエントランスロビーは、真っ白な壁面に所々彫刻が施された造り、シャンデリアもあってなかなか洗練されたデザインです。
入って正面の方へ行くと1階平土間席への入口、両サイドにある赤絨毯の敷かれた階段を上ると、上階のロビー&客席へと行く事ができます。パリにあるガルニエの様な大階段とまではいかないものの、なかなか高級感があってGood!
上の階のロビーはこんな感じ。このオペラ座は3階席までありますが、今回の公演では最上階の席は開放されていませんでした。
尚、客席へは開演の30分前にならないと入場できません。
無料で飲めるドリンク
さて、1階のロビーではこの様なドリンクのカウンターが設けられていて、誰でも無料で飲む事ができます。ハノイのオペラ座でもそうでしたが、こんなサービスがあるのも常夏の国ならでは!
ドリンクは3種類あって、水とグリーンティー、それにレモングラス&ピーチティーというのがありましたが、飲んでみるとスッキリとした飲み心地でなかなか美味!
グリーンティーも頂いてみましたが、これに限っては係員に言ってコップに注いでもらいます。抹茶味かと思いきや、何だか枝豆の様な味がしてちょっと嗚咽…。体には良さそうですが、私は一口でギブ!
茶菓子もおいてあって、何かと伺ったら「ジンジャー」との事。甘くなく、天然そのままの生姜という感じの味。どれもこれも、ベトナムのお持て成しは健康に良さそうなものばかりです!
アルコール1杯無料サービス!
1階ロビーにはもう一つドリンクのカウンターがあって、ここにはワインやウィスキーなどのアルコールが置かれています。先ほどの水は無料でしたが、残念ながらアルコールメニューは有料。
だた、公演チケット(上記参照)に付いているウェルカムドリンクのサービス券を使うと、1杯に限り無料で飲む事ができます!私は赤ワインを頂きましたが、主張は大人しいもののコクと深みを感じるワインです。
ワインの通常価格は60,000VND(≠300円)、他にもウィスキーやモヒート、ブランデーも用意されていて、いずれも1杯無料の対象です。
チケット代は高いですが、こういったサービスがあるのは嬉しい限り!
シートMAPとキャパシティ
それでは開演30分前になったので客席へ!
客席入口でもチケットのチェックが行われるので、開演前にチケット指定以外の階へ進入する事が出来ません。私は2階席の指定だったので、1階平土間席は公演修了後に入って撮影しました。
このオペラ座、キャパシティは500程度あるそうですが、最上階(Second floor)は開放されておらずチケットも販売されていません。
また、平土間の両側にもバルコニー席があるはずなのですが、シートMAPにも表示されていないので、実際には満席になっても400名ほどしか入らないと思います。
シンプルなデザインの客席
中へ入ってみると、小じんまりとしながらも本格的な馬蹄形をした講堂。白一色で統一された壁には金の装飾や彫刻等な無く、至ってシンプルな造りですが、洗練された美しさがあります。
天井のデザインはかなり独特!アワビの様な卵型で、白い彫刻の枠が何重にも重なっています。
品格のあるデザインの真っ赤な客席は、座ってみると座席幅50cm位あって広々!ただ、シートの仕様が古い為か、後ろに体重をかけるとバランスを失って倒れてしまいます。
平土間席の後方は、上階バルコニーの張り出しや柱があるので、眺望や音響にやや難があるかもしれません。この辺りの席は選ばない様に注意しておきたいところ。
客席とステージの間には広めの空間がありますが、見た所オーケストラピットの様な装置は見当たらず。オケの生演奏を主とした会場ではないのかもしれませんね。
眺望が良い2階席
尚、今回の私の席は2階のバルコニー(First floor)。先頭列の席を押さえましたが、視界遮るものが何も無く、開放感抜群でなかなか良い席です!
シートの仕様も1階平土間とは少し異なっていて、肘掛が隣席と共用ではなく独立したタイプになっているので更に快適!
そんな2階バルコニーの中央席から見たステージの景観がコチラ。ステージの手前から奥までくまなく見え、正に完璧な構図です!同じチケット価格なら、迷い無く1階よりもこの2階席を選ぶ事をおススメします!
アクロバティックショー「A O SHOW」
さてさて、今回の公演名は「A O SHOW」。現在サイゴンオペラハウスで常演となっている公演で、藁で出来たボウルの様な物と竹を使ったアクロバティックなエンターテイメントショーです。コンセプトは、ベトナムの歴史。古典的な生活に始まり、やがて都市へと成長していくベトナムの情景と、その中で徐々に失われていく古き良き時代への郷愁、そして都市への皮肉が描かれています。
以前ハノイで観た“LANG TOI – MY VILLAGE”にも似ていますが、途中でボイスパーカッションを交えた現代風のダンスもあって、よりエンターテイメント性の高い内容だと感じました。
個人的にはハノイの公演の方が好きですが、古典楽器の生演奏もあって内容的には文句ナシ!
公演時間は短く、18:00開演で19:15に終演、途中休憩はありません。終演後にはロビーで出演者がお見送り、記念撮影にも応じてもらえます。
フランス建築で観るベトナムの伝統芸能
と言う訳で、サイゴンオペラハウスの鑑賞レポートをお伝えしましたが、“西洋建築のホールで観るベトナムの伝統芸能”という他には無いちょっと変わった体験が出来るのが良いですね。
チケット代は少々値が張りますが、行ってみる価値はあると思います。機会のある方は是非!
その他、ベトナム・ホーチミンに関する情報や観光スポットについては、コチラをご覧下さい→ベトナム・ホーチミン 一覧
♪こちらも合わせてどうぞ↓