宮古島からの帰り、乗継の那覇へ向かう飛行機は、なんと小型のプロペラ機でした!宮古~那覇の路線は通常JTA運行のB737が宛がわれているのですが、最終便に限ってはRAC(琉球エアコミューター)が運行するDHC8-Q400CCという機材になっていて、これは僅か50名乗りのプロペラ機。
小型機ならではの狭小空間を想像していたのですが、実際に乗ってみると機内はとても明るくてシートも広々!普通席なのに、クラスJ並みに広いシートピッチで驚きました
目次
RACのDHC8-Q400CC
今回搭乗するのは、宮古19:45発の那覇行き。那覇でJAL羽田行きの最終便に乗り継いで、帰路に着く行程です。
宮古空港には1時間程前に到着したのですが、特に見所のある空港ターミナルでもなく、また空港ラウンジも無いので、少しの間展望デッキで時間を潰す事に。
デッキに出ると、ちょうどこれから搭乗する飛行機が到着したところでした!プロペラ機ならではの物凄い轟音を轟かせています。JALグループのプロペラ機と言えば、但馬~伊丹でSAAB340Bという機材に以前搭乗した事がありますが、それに比べるとかなり大きな飛行機です(参考→JAC但馬~伊丹SAAB340B搭乗記!JAL最小プロペラ機のシートと乗り心地)
シートマップを見ると、僅か13列ながらSAAB340Bの1.6倍にも及ぶ50名乗り。しかも客席後方は広大な貨物室になっています。JALグループのプロペラ機の中では、最大の大きさを誇る機材なんですね。
搭乗口付近は広いロビー
宮古空港では、保安検査場を抜けると広いロビーがあります。よく地方空港なんかへ行くと、保安検査を抜けたらトイレも無い様な狭小ロビーに隔離されてしまう所もありますが、この宮古空港はトイレの他、売店もある広い空間です。
売店の奥は軽食がとれるコーナーになっていました。でも椅子は無く、立ち食い専門の様です。
出発は定刻。この先の那覇での乗継時間が20分しか無いので、定刻で出発してくれて良かった…。優先搭乗は、私以外に1名のみ。
タラップから搭乗
飛行機までの導線は結構長く、係りのお姉さんに連れられてひたすら歩きます。途中エレベーターやエスカレーターの無い階段のみの部分もある等、バリヤフリーの導線にはなっていない模様。
やがて、ターミナルの外へと出て行きます。雨天に備えて、大量の傘が横に準備されていました。
かれこれ2分くらい歩いてやっと到着!遠くから見るよりも、こうして近くで見る方がより機体が小さく見えますね。
さぁそれでは、いざ搭乗!タラップの高さはSAAB340Bよりも低く、また階段もなだらかです。
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シートピッチは驚きの広さ!
中へ入ると、蛍光灯の明るい機内。外から見るよりずっと広々と感じます。薄暗いブルーライトが陰気くさいJALのSky Next機材とは雲泥の差ですよね。
荷物棚も、しっかり入りそうな感じ。でもこの飛行機の座席数は100席未満なので、そうとう小さなスーツケースでない限り持込は不可です。
シートは本皮仕様。これもSky Nextと同時期に改修されたものだと思いますが、シートだけ張り替えて古い枠組みをそのまま再利用したSky Nextとは違い、肘掛などの部分も刷新されているのかピカピカ!
座ってみると、その足元の広さに驚かされます!普通席にも関わらず、足が余裕で組めるほどの広さ。シートピッチは、クラスJをも上回るかと思うくらいです。私は今回窓側に座っていましたが、通路側の人を退かせる事なく通路に出る事が出来ました!これは通常エコノミークラスでは有り得ない事ですよね。
ただし、機体側面の曲がり具合が激しく、窓側の席は通路側に比べて半分近く足元の空間が狭くなっています。前後のピッチが広いのでそれほど気になるものではありませんが、これは小型機ならではのデメリットかと思います。
座席の設備と機内誌
頭上には、空調を調節できるツマミがあります。本家JALには付いていなかったと思いますが、これも南国・沖縄の航空機ならではの仕様でしょうか。
テーブルもしっかりした造りでGood!極限までへつった物ではなく、厚みもしっかりあります。
機内誌はJTAと共通のもの。沖縄地方の路線は、JALグループがほぼ独占していますね。
その他、こんな機内販売も!質感が分かり難い写真なので何とも言えないですが、機内販売限定なのかな?
プロペラ機の乗り心地
明るくて広い快適な機内、これがプロペラ動力の小型機である事を忘れてしまう程ですが、いざ飛行機が動き出すと、プロペラ機ならではの難点が幾つも見えてきました。
先ず何と言ってもプロペラの音がスゴイ。バリバリとした動力音よりも、ブーンという低周波が異様に機内に響き渡ります。そしてそれが床を伝って足に響き、常に振動します。
上空で安定飛行になると若干和らぎますが、それでも常に低音が耳に響く状況。SAAB340Bよりはマシですが、これで1時間以上のフライトはちょっとツライかも…。
ドリンクは1種類のみ
離陸して安定飛行に入ると、ドリンクサービス。ここではCAさんがワゴンを押して来るのではなく、予めコップに注がれたものを持って来てくれます。同じプロペラ機でも但馬~伊丹のSAAB340Bではドリンクサービスが無かったですから、この点は優れていると思います。
ドリンクは選択の余地は無く、1種類のみ。さんぴん茶っぽい味でしたが、苦味の奥に甘みを感じる美味しいお茶でした!飛行機の揺れを想定してか、カップに半分程の状態で渡されました。
広々シートピッチはRACだけ?
今回搭乗したRACのDHC8-Q400CC。普通席とは思えないほど広いシートピッチで快適でしたが、同じDHC8の機材でも中には20列を携えるシート配列のものも存在します。これだと、同じスペースに2列も多く配置されているのが分かりますね。
今回搭乗したQ400CCのシートピッチがこれだけ広いのは、恐らく貨物スペースの都合によるものかとは思いますが、クラスJをも上回る様な広いシート配列は、他に類を見ないですよね。もしこれがエコノミークラスの“世界標準”ならば、わざわざマイルを貯めてビジネスクラスに乗る必要が無くなるかも?
と言う訳で、RACのプロペラ機DHC8-Q400CCを体験しました!プロペラ音の低周波はかなり気になる所ではありますが、快適シートで文句ナシ!近年、至る所で座席やシートピッチの狭小化が進む昨今ですが、日本の空にはまだまだこんな広々シートの機材が運行されていたんですね。
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