薄っぺらい…ANA新型A320neo「エコノミークラス」シートのコストカット

ANA全日空の短距離向け新型機材A320neoに搭載のシート。六本木の東京ミッドタウンで開催されたANAサービス体験会では、A320neoのビジネスクラスと共にエコノミークラスのシートも展示されていました。

薄っぺらい…ANA新型A320neoエコノミークラスシート

小型機であるA320neoに大型機並みの機能を備えたというこのシート、実際に間近で見てみると、あらゆる所で無駄を削ぎ落とした究極のエコノミーシートでした。

※この記事は2017年に行われた体験会の様子です。極限までコストカットされたエコノミークラスシートの詳細をレポートしています。

随所に見られる究極のコストカット

薄っぺらい…ANA新型A320neoエコノミークラスシート

小型機A320neoのエコノミークラスは3+3の6列シート。鮮やかなブルー一色で、見た目は好印象を持ちます。

薄っぺらい…ANA新型A320neoエコノミークラスシート

シート幅は44.5cm。JALの国際線767に搭載されているSKY WIDERの45cmとほぼ同じです。777の10列シート(43cm)に比べると余裕がありますが、座った印象では特段広い感じはしません。まぁ近距離ならこれで問題は無いでしょう。

薄っぺらい…ANA新型A320neoエコノミークラスシート

しかしそれ以上に、肘掛の薄さが気になります。リクライニングのボタンがある所はしっかりしていますが、それ以外の所は薄っぺらい板…。コストカットも遂にここまで来たかという感じです。

薄っぺらい…ANA新型A320neoエコノミークラスシート

座面の薄さもスゴイ!これで体重100kgのマッチョマンを支えられるというのだから驚きです!

薄っぺらい…ANA新型A320neoエコノミークラスシート

前の座席とのシートピッチは79cm。JALのSKY WIDERの86cmとは大差があるものの、それほど狭さを感じないのは不思議…つまりそれだけシートの厚みが無いという事ですよね。技術としては凄いのかもしれませんが、これに大柄の男性が座って満席になった光景は想像したくありません…。

低すぎるテーブル

薄っぺらい…ANA新型A320neoエコノミークラスシート

テーブルはJALでも採用されている折りたたみ式。ドリンクや小物を置く際に大型テーブルを開くよりもスペースを有効活用出来る様になっています。

薄っぺらい…ANA新型A320neoエコノミークラスシート

しかしこのテーブルがメチャクチャ低い!足に付きそうになるくらいの高さでしか無く、ここに機内食を乗せて食べるとなると、相当腰を屈まないといけません。それこそ前後のシートが違う高さに設置されているのかと疑うほど。これは設計ミスなのでは?

薄っぺらい…ANA新型A320neoエコノミークラスシート

しかもコストカットでテーブルを支える支柱の容量を削った為、安定感の無さはハンパ無いです。LCCじゃないんだから、もう少し安心して使えるものを提供してくれないと、価格差に見合ったサービスとは言えませんよね。

2010年に導入されたシェル型シートは何処へ?

私はJAL派なのでANAに乗る事は滅多に無いのですが、以前2010年~2012年頃に羽田⇔福岡でANAを利用した事があります。当時は国際線の新型機材が就航に先立って国内線で運用されていた事もあり、私が搭乗した羽田→福岡もこの国際線機材が宛がわれていました。

ANA本来導入されるはずだったエコノミー

その時座ったシートがコチラ。エコノミークラス初のシェル型シートで、背もたれを倒しても後ろの席に一切影響が出ないというスグレもの!おまけにシートピッチも86cmとJALのSKY WIDER並みに広く、これがANA次世代のエコノミークラスシートなのかと大きな期待を寄せていました。

薄っぺらい…ANA新型A320neoエコノミークラスシート

しかしそれもいつの間にか無くなり、代わりに出て来たのは紙の様に薄っぺらい超コストカットシート…。最近では大型機777の9列シートを10列に、787の8列を9列に改修するという暴挙も見られますし、エコノミークラスの乗客はますますぞんざいな扱いを受ける事になりますね。

2010年に登場した快適次世代シートは、プレミアムエコノミーにも健在でした。それについて次回お伝えしたいと思います。

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