A350と共に2019年に誕生したJALの新しい国内線機材B787-8。今回は、羽田⇔伊丹の往復で利用し、普通席およびクラスJの両方に座ってその乗り心地を確かめてきました!
国際線では“世界一広いエコノミークラスシート”として知られるJALのB787ですが、国内線では座席数が大幅に増加。詰め込み仕様の乗り心地は如何なものか?レポートしていきたいと思います。
JAL国内線の新型機材B787-8
今回、私が東京⇔大阪の往復で利用したJALのB787。国際線では既に2013年から就航していましたが、国内線仕様は2019年に誕生。
総座席数は291。ファーストクラスまで付いた3クラス仕様です。A350と共に刷新された新型シートが話題になっていますが、新型ファーストクラスは座席幅が縮小して乗り心地が悪化したという口コミも・・・。
デザインが刷新された「クラスJ」シート
それでは、先ずはクラスJからレポート!B787のクラスJは2-3-2の7列仕様で、全58席を配置。黒の革張りシートだった以前のデザインからは、かなり刷新されていますね。
可動式のヘッドレストに読書灯、カクテルテーブルなど、基本的な仕様は旧式と遜色無いですが、見た目は全くの別物!国際線のプレミアムエコノミーにも似ている気もしますが、良く言えば見慣れたシート、悪く言えばあまり特別感が無くなった様な…。
その代わり、これまで国内線には無かった個人用モニターが新設され、機内エンタメを楽しむ事が可能になりました!これは普通席にも設置されていて、映画や電子書籍などを観る事が出来ます。
ただ、映画を観ようと思ったら2本しか無く、またその他の動画もTVのバラエティ番組が幾つかあるのみ。国際線の様な豊富な作品から選べる訳では無い様です。恐らくまだこのサービスが始まったばかりなので作品が出揃っていないだけかとは思いますが、これは今後に期待ですね。
狭い肘掛と使い難いレッグレスト…
ところでこのクラスJシート、座席のサイズ自体は旧型と変わらない(座席幅48cm、シートピッチ97cm)はずですが、座ってみると隣席との距離がかなり近い…。
肘掛の幅も細く、隣り合った者同士がここへ肘を乗せれば、干渉を防ぐ事はまず不可能でしょう。カクテルテーブルの大きさを見ても、これは旧式より縮小化した事は明らかです。
またこのレッグレストが曲者で、スタンダードポジションにしても収まりが悪く、普通に座っているだけで常にふくらはぎへ触れて気持ち悪いです。フットレスト(足置き)も相変わらず付いていないですし、ほんとこれ付ける意味あるのかといつも疑問に思います…。
背もたれを倒してリラックスポジションにしてみましたが、やはりふくらはぎを圧迫するだけのレッグレストは不要!逆にリクライニングに関しては、座面の後方がやや沈み込む形に改良されているので、旧式よりは若干改善したと言えなくもないかなと。
まぁ何れにしても+1,000円で乗れる事を考えれば、このくらいで上出来なのかもしれません。
国際線より5cm狭い普通席シート
次に普通席を見てみると、こちらも旧式(Sky Next)からデザインが大きく刷新されたグレーのシート。国際線の787からは1席多い3-3-3配列の奴隷船仕様ですが、国際的に見ればこれが標準仕様です。
クラスJと同じく、全席タッチパネル式モニターとコンセント付き。画面タップの感度も良く、まぁこればかりは最新式の恩恵ですよね。
座席幅は43cm。国際線のSky Widerの48cmと比べると5cmも狭いですが、割とせせこましさを感じないのが不思議なところ!まぁB777の極狭10列シートに慣れてしまっているのが原因かもしれませんが(笑)
ただ、今回指定した28列目のバルクヘッド席は肘かけ下にシートコントローラーが収納されているのですが、その出っ張りが異様に大きくて座席幅を更に縮小させる結果に…。
大柄な人は、この席の指定を避けるのが賢明かもしれません。
因みにこのシートコントローラーは、国際線のものとほぼ同じ。ゲーム向けのボタンも配置されていますが、将来的にはプレイ出来るゲームも出てくるのだろうか…?
その他、ヘッドレストは国内線としては初(?)の設置。しかし上下への可動はあるものの、クラスJの様に左右の跳ね上げ機能が無いのでヘッドレストの機能としては不十分ですし、そればかりか異様に嵩張って使わない時も常に頭に触れてしまうという駄目仕様…。
これなら最初から付いてない方がマシです…。
座席は△、でも乗り心地はGood!
そんなB787の国内線ですが、乗り心地に関しては文句無し!気圧の変化が従来機よりも押さえられている為か耳への負担は少ないですし、B787特有のキーンという電子音も全く聞こえません。離着陸時のGや上空での揺れも殆ど無く(こればかりは操縦や気流による所も多いですが)、B787の性能がフルに生かされている感じがします。
座席に関しては不満な点も多く、センターパーティションやフットレスト、またリクライニングをしても後ろの席への影響が無いシェル型シートなど要望は尽きないですが、国内線にしてはこれでも上出来なのかもしれません。
少なくとも、既存のB777より快適である事は言うまでも無いので、予約の際は優先的に選びたいものですね。