近年、JALの相次ぐマイレージ制度の改悪には頭を悩ませます。マイルは蓄積・使用共により使いにくくなった他、その使用に関するルールに至るまで、利用者の意に反した内容へと徐々に書き換えられています。
更に、相次ぐキャンペーンによって大増殖させた「グローバルクラブ」等の上級会員に向けたサービスも、静かにその改変が進められています。
※この記事は2016年執筆のものです。今となっては懐かしいアップグレードクーポン等についてお伝えしています。
アップグレードクーポンの廃止
例えば、以前はFly on上級会員に向けて配布されていた「クラスJ」および「ファーストクラス」アップグレードクーポン。これらは既に2016年度をもって廃止されていますし、またその後配布されていた国際線のFクラスアップグレードに使える紙のクーポンも、現在では廃止。
これを目当てに札幌や福岡へ渡航した事もありましたが、今では遠い昔の話です…。
ただ、個人的にはこれらクーポンの廃止には賛成の部分もあります。特に「クラスJ eクーポン」に関しては、近年の大盤振る舞いによって「クラスJ」はどの便も空席待ちになる可能性が高く、普通に利用したいと思ってもなかなか取れないのが現状ですし、ファーストクラスに関しても、コスパの悪い「羽田⇔伊丹」線ですら事前予約分が満席になる可能性が高くなっていますから、対象者を減らす努めは必要であると考えます。
JGCへの無条件サファイア制度の見直し
「JALグローバルクラブ」に入会している方にとっては、これを一番怖れているのではないでしょうか?現在JGC会員は、全く飛行機に乗らなくても「ワンワールド・サファイア」の資格が維持され、世界中の空港ラウンジの利用や優先チェックインのサービスを受けられます。
以前は毎年JALの飛行機に乗って20,000 fly onポイントを取らないと、翌年からサファイアの資格を剥奪されていましたが、ちょうど経営破綻した2010年から、今の“半永久資格”へと変わっていきました。
我々の様な個人客からすれば、とてもありがたい制度なのですが、一方で大企業の主張族からすれば、ラウンジの混雑の原因など、対象者が増える事によるデメリットを嫌がっている事でしょう。大企業の利用が減った不景気の時には個人客に傾倒していたものが、今や2020東京五輪に向けた景気回復に伴って出張経費も増えているでしょうから、この様な「個人向け」優遇制度は廃止の方向へ向かっていくというのが、有力な見方ではないでしょうか?
近年サクララウンジの混雑は激しさを増していますし、特に国際線では全搭乗者の半分以上がラウンジ入室資格を保持しているという異常事態も見受けられますから、この様な制度見直しは、ある意味当然と言えば当然なのかもしれません。
新規就航のキャンペーンはあるか?
経営破綻の前歴があるJALは、今後の新規路線開設にも慎重な姿勢を崩さないとは思いますが、ボーイング787の相次ぐ投入によって採算の取れる見込みのある路線も増えてきているでしょうから、今後は新規路線の開設が見込まれるのではないでしょうか?
これまでも新規路線開設の際は、多くの場合「ダブルマイルキャンペーン」などが行われてきましたから、来年以降、こういったキャンペーンが幾つも出てくる可能性は十分考えられます。マイレージ制度の改悪が続く中、こうしたキャンペーンを念頭に入れた旅行を計画すると、お得なマイル獲得に繋がるのかもしれませんね。個人客よりも大企業が優先!
私もこれまで10年もの間JALに傾倒して来ましたが、来年からは見直しを検討する事になるかもしれません。何せ、たかだか毎年数十万円程度の取引しか無い様な個人客を相手にするより、経費で高い運賃を買ってくれる“大企業の出張族”に率先して選ばれる航空会社を目指した方が、大きな利益に繋がると考えるのは自然でしょう。
今後もJALのマイレージ制度について、注意深く見守っていこうと思います。