前回までコンパクトな空港「コウノトリ但馬空港」をレポートしてきました。今回は、この但馬空港からプロペラ機に乗って大阪伊丹空港を目指します。
但馬~伊丹の区間はJAC日本エアコミューターがSAAB340Bという定員36名の小型プロペラ機を飛ばしていて、JALグループが運行する定期便の中では最小の機材になっています。この区間でしか味わえないフライトはどの様なものなのか、レポートしたいと思います。
機内持ち込み荷物に制限あり
JAC日本エアコミューターは、JTA日本トランスオーシャン航空等と同じJALグループの為、JALの他の路線と同じようにJALのHPからの予約となり、搭乗に関する予約や手続きも全く一緒です。
しかし機内がとても狭いSAAB340Bでは機内持ち込み手荷物も厳しく制限されていて、通常機内持ち込み可能とされている小型のスーツケースもここでは受託手荷物として預けなければなりません。一応3辺の和が100cmを越えない荷物であれば機内持ち込み可能とされていますが、私は以前3辺の和が95cmのスーツケースでも持ち込みを断られた事があります。つまりスーツケースは基本的に全て機内持ち込み不可と考えて良いのかもしれません。
保安検査通過は最後まで待つべし!
荷物を預けた後は、その横にある保安検査場を通過しますが、入場開始のアナウンスがなされるまで中へ入る事はできないので、それまでロビーにて待機する必要があります。
勿論ここにはJGC向けの優先レーン等あるはずも無く、全員共通のレーンが一つのみです。まぁ大阪伊丹行きしか無い但馬空港で、たとえ満席便でも乗客は36名しかいませんから、レーンを増やす必要が無いのは明らかでしょう。
しかし保安検査には一人一人に一定の時間がかかるので、特に入場開始のアナウンス直後は保安検査場前に長蛇の列!更に保安検査を通過した後にあるのは、搭乗人数ギリギリの数のベンチがあるだけの搭乗待合室。ここにはお土産売り場も無く、トイレにも行けない様なところで搭乗開始を待たなくてはなりません。
それならば、保安検査場が空くまでロビーで待っている方がよほど利口というもの。たとえ搭乗開始時刻になってから保安検査場を通過しても、目の前が搭乗口なので十分間に合います。私は検査場の人が空くまでの間、展望デッキで到着する飛行機を見物していましたが、時間つぶしには最高でした!
タラップから搭乗
それでは搭乗開始!JALグループなので一応“優先搭乗”があります。勿論ボーディングブリッジは無く、50mほど離れた飛行機まで徒歩で向かいます。
確かに小さいですね!こうして正面から見ると、マイクロバス並みの大きさに感じます。
意外と広い機内
しかし中は案外広く感じます。通路が若干狭い感じもしますが、天井高も外から見た感じよりははるかにスペースがあるので、通路の中央部分を歩けば、よほどの高身長でない限り頭をぶつける事はないでしょう。
座席の配列は1+2の3列。
一番後方は3席が横並びになっている他、窓が無いので注意が必要です。
収納スペースは片方のみ(2列席側のみ)となりますが、100サイズを切る小型スーツケースですら機内持込を断っていた割には、しっかりとしたスペースが設けられています。
旧式のシートは広々で快適!
私が利用したのは独立シートの10A。やはり他人との干渉の心配が一切無いのは気楽で良いですね!
シートは古い時代の産物(吸殻)がついているほど年季の入ったものですが、座席幅は広々!“Sky Next”に代表される最近の詰め込み仕様の新型シートとは雲泥の差です。
そう言えば、改修される前の777-200国内線(旧JAS機材)もこのくらいの座席幅があったと記憶しています。当時は2-5-2の9列配置でしたが、現在の777国内線は全て3-4-3の10列配置…狭くなるのは当たり前ですね。
テーブルもデカイ!大型PCを置いてもお釣りがあるくらい~。
操縦はかなりアクロバティック
いよいよ出発!プロペラは離陸の直前に激しく回り出すのですが、その振動で機内が大きく経て揺れし、物凄い騒音が響き渡ります。そしてレーシングカーの様に急加速~!
安定飛行になってもプロペラの大きな回転音はそのまま。激しい騒音に、気分が悪くなる人もいるのではないかと思うくらいです。
但馬~伊丹間の所要時間は45分。短い区間ですし、そう遅れる事は無いものと確信していたのですが、それが甘かった!なんと到着機遅れの影響で、ここまで来るのに既に45分の遅延。この時期18:05出発ですと通常まだ外は明るい状態なのですが、さすがに19時前ともなると真っ暗になってしまいました。
でもそのお陰で満天の夜景を見られたのは良かったです。小型機は就航高度も低い為、大型機とは違った景色が楽しめるのも魅力の一つかなと思っています。
それにしても今回の操縦はかなりアクロバティック!離陸時の急加速もそうですが、着陸時もドスンと有り得ないくらい激しくバウンドして、天井に頭をぶつけそうになりました!確か滑走路が滑り易い時にこの様な着陸の仕方をするのだと聞いた事がありますが、それにしても荒々しい…これも小型プロペラ機の宿命なのかもしれませんね。コウノトリ但馬空港から大阪伊丹空港までを45分で結ぶプロペラ機SAAB340B。決して乗り心地の良いフライトではありませんでしたが、短い時間で少しだけ非日常的な旅を味わうには良い路線だと思います。
価格も安く、時期によっては「先得」で5~6千円から購入可能ですので、北近畿方面へお出かけの際は行程に組み込んでみるのも良いかと思います。まぁ風の強い日は、ちょっと怖いかもしれませんが…。
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