7月8日深夜放送のフジテレビバラエティ番組「さまぁ~ずの神ギ問」で紹介されたJALファーストクラス。「飛行機のファーストクラスって差額分の価値はあるの?」という視聴者の疑問に答えるべく、そのエコノミークラスとの差を検証する内容でしたが、この放送を見ていて「実際と違うなぁ~」と感じる点が幾つかありました。
価格差はあんなもんじゃない!
放送では、成田~ジャカルタのJALファーストクラスとエコノミークラスとの価格差(片道運賃)を312,000円としていましたが、実際にエコノミークラスがあんなに高い訳ありませんね。エコノミークラスが片道257,000円というのは「普通運賃」であって、実際にその価格で飛行機に乗る人は皆無でしょう。
実際は、正規割引運賃の最安値で“往復”56,000円、諸税込みでも6万円ちょっとです。例え乗変の出来るフレキシブル運賃であっても、企業の出張利用では個別の契約によって割引が成されるものですし、個人旅行用で復路の乗変が可能な「エコノミーセイバー」運賃でも“往復”で23万円くらいです。
“普通運賃”は存在しうる最高額の運賃であって、ビジネスクラスの割引運賃よりも高額である事が常ですから、この価格を一般の旅行者が利用する“エコノミークラスの運賃”として定義する事はオカシイですよね。因みにファーストクラスの運賃に関しては、JALには割引運賃が存在しない為、普通運賃での算出で止む無し。よって実際は、ファーストクラス往復(875,000円)とエコノミークラス往復(56,000円)の差=819,000円(欧州往復は240万円以上)というのが正しい答えの様な気がします。
ラウンジでアテンドは付かない
放送を見ていると、搭乗前のファーストクラスラウンジではアテンダントの女性に席まで案内された上、ドリンクの配膳や寿司サービスの紹介などを受けていましたが、私が一月ほど前に羽田空港のファーストクラスラウンジを利用した際には、何も相手にされずにホッタラカシでした。
それもそのはず、ファーストクラスラウンジは、実際ファーストクラスの乗客だけではなくマイレージ上級会員も多く利用していて、そんな一人一人にアテンド出来る様な状況では無いでしょう。まぁその方が気軽に利用出来ますから、敢えてアテンドしてもらいたいとは思いませんし、不満はありません(笑)(参考記事:羽田空港JALファーストクラスラウンジ潜入レポート!)
ガラ空きのエコノミーが快適なのは当然
番組の中では、エコノミークラスに乗った松本Pが「エコノミークラスも快適だったよ」と答えていましたが、それもそのはず。彼の隣席が空席だった事は勿論の事、座席周辺にも人の気配がしない程ガラ空きの状況が映像で流れていました。
行動を制限される事の無いガラ空きのエコノミークラスが快適なのは当たり前ですよね。前後、隣が人で埋め尽くされた満席のエコノミークラス…機内食を食べるにも肘の動きに注意を払い、トイレにも気軽に行けない、そんな地獄のフライトとの比較でないと、ファーストクラスの価値は到底見出せるものでは無いと思います。
私が先日利用した「羽田~ロンドン」便は、正真正銘のド満席。しかしファーストクラスの座席に座っていると、周囲に人の気配すら殆ど感じず不思議な感覚を味わいました。
数年前、満席便のパリ行きエコノミークラス(しかも深夜便!)での地獄を味わっていただけに、何事も無くアッサリと12時間半が過ぎ去る感覚は、“奇妙”とさえ感じました。
ファーストクラスの優位性を検証するには、満席便でなければ意味を成さないでしょう。テレビ放送という性質上、言えない事も多い様ですが、その価格差に見合ったコスパを考えると、ビジネスクラスくらいが丁度良いのかもしれませんね。よろしければ、以下の記事もご覧下さい。
JALファーストクラス搭乗記→【その① シート】【その② 高級シャンパン】【その③ 機内食1】【その④ 機内食2】