ビジネスクラス運賃が安くなる?コロナ後の上級クラスは良い事ばかりでは無い

コロナ騒動によって壊滅的な被害を受けた航空業界ですが、ニュースをチェックしていると必ずしも悲観的な事ばかりではない様で、その内の一つがビジネスクラス運賃の値下がり。

大企業の出張利用が激減して企業向けから個人向けにシフトした事で、個人旅行者にも手が届き易くなる可能性があるそうですが、しかしよく考察してみると必ずしも良い事ばかりでは無いかもしれません。

かつて旅行者の憧れの的だったビジネスクラスが今後どうなるのか?JALダイヤモンド会員の私が色々と考察してみました!

アフターコロナのビジネスクラスは盛況に?

先ず初めにチェックしたいのが、こちらのTraicyのサイトに掲載された記事。

エミレーツ航空のティム・クラーク社長は、オンラインで開催されたワールド・アビエーション・フェスティバルで講演し、企業出張の大規模な解禁に関わらず、ビジネスクラス

これはエミレーツ航空の社長が取材を受けたもので、同氏が航空業界の今後について語っているのですが、その発言内容によれば、コロナ収束後の航空機はリモートワーク等の普及によって企業出張の利用は減少。

その影響により単価は下落するものの、しかし「ビジネスクラス」は高い搭乗率を維持する可能性があるのだとか。

確かに、割高な企業運賃で乗る出張族が減れば、需要と供給の法則によって運賃が値下がりするというのはごく自然な事。これまで高値の花だったビジネスクラスのチケットが手軽に手に入る様になれば、私達一般の旅行者にとっては朗報ですよね!

エコノミークラスと比べて3倍~5倍もするビジネスクラス運賃ですが、せめて2倍程度で乗れる様にして欲しいところ。エミレーツ航空には是非頑張って頂きたいですし、他の航空会社も追随する事を期待したいものです。

機内サービスが改悪の恐れ

しかしながら客単価が下がるとなれば、サービス内容もそれに応じたものに変わっていくのは当然の事。例えば…

  • 座席の簡略化
  • アメニティグッズの縮小
  • 機内食メニューの改悪
  • シャンパンがスパークリングワインに変更

などなど、コスト削減に向けたサービスの改悪は避けられず、中にはエアアジアの「プレミアムフラット」の様に、座席だけ広くて機内食はエコノミーと一緒。やがてはそんな航空会社も出てくるのではないかと。

確かに、最近のビジネスクラスは「個室型シート」が主流なので、深夜便で寝るだけならそれでも良いですが、旅行という意味ではちょっと味気ないですよね…。敷居が下がる事によって特別な空間では無くなる、というのは避けられないのかもしれません。

エコノミークラスは値上げ

ビジネスクラス値下がりの弊害は他にも考えられ、それはエコノミークラスの値上げ。ビジネスクラスで収益が減った分、エコノミーで採算を合わせる必要が出てくるのは至極当然です。

エコノミークラスで収益を上げるには、単価を上げるか又は座席数を増やすか。出張需要が減ってエコノミー利用者も減る事を考えると後者は考え難いので、必然的に値上げが予想されます。

値上げに伴って客の囲い込みも激化するので、サービスの向上は多少期待できるかもしれませんが、節約旅行派にとっては耳が痛い話ですね…。

単価が上がる反面、改善が期待されるのが座席のシート。これまではANA等に見られる奴隷船仕様(B777の横10列配置など)のエコノミークラスが世界標準でしたが、これからはJALのSky-Widerの様に広さを重視したエコノミークラスが主流になるのではないかと、個人的には考えています。

値上がりの率にもよりますが、将来的には現在のプレミアムエコノミーがエコノミークラスとしての標準仕様になる日が来るかもしれません。2011年に業界を騒がせたスカイマークのA380がこれを前提としたシート配列だっただけに、実現出来なかった事が悔やまれますね…。

“ビジネス”の名前が無くなる?

ビジネス需要が減退するとなれば、もしかしたら「ビジネスクラス」という名前自体が世界的にオワコンになり、他の名前に取って換わる可能性も考えられます。

例えば、JALで2012年まで使われていた「エグゼクティブクラス」や、ANA国内線由来の「プレミアムクラス」、又は欧州の特急列車の様に1st Class、2nd Classと単純な数字が割り当てられるだけになるかもしれません。

そもそも“ビジネスクラス”の由来は、割高な企業運賃で乗る客に向けたサービスだった訳で、土の時代が終わり風の時代が来ると言われるこれからの時代、“金持ち優遇”を匂わせる様なネーミングは嫌われるでしょうし、ビジネスという言葉を使い続ける事の意義も薄れてくるのではないかと。

まぁこれで横柄な態度を取る上級会員が減って、機内が平和になれば良いですが(笑)

と言う訳で、コロナ騒動を経て良い意味でも悪い意味でも今後ガラッと大きく変わる可能性がある航空業界。

奴隷船の様な極小エコノミークラスに12時間もすし詰めにされる時代は、もはや過去の物となりつつある反面、ビジネスクラスやファーストクラスへの憧れの要素が減ってしまうのはちょっと寂しいですね…。何れにしても私たち個人旅行者にとってより良いサービスになる様に願いたいものです!

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