タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港から東京・羽田へのフライトで利用したJALビジネスクラス。往路では“BEDD”ブランドの下、黒木純シェフ監修の美味しい機内食を堪能する事が出来たので、今回の復路でも多少の期待はしていたのですが、残念ながらそれが一気に裏切られる結果に・・・。
往路と復路、JALの機内食の質はこんなにも違うのかと、驚かされる体験となりました。
目次
年季の入ったシェルフラットシート
バンコク・スワンナプーム空港のキャセイパシフィック航空ラウンジ、およびサクララウンジを巡った後、9:45発JL032便にて羽田空港へ向かいます。出発の30分前に搭乗口へ到着したら、既に優先搭乗が始まっていました。
今回のバンコク発羽田行きは、B777-200型機。JAL国際線の中で2番目に大きい機材で、近年はSky-Suite化も進んできていますが、今回搭乗するのは改修されていない古い仕様です。
その為、シートは「シェルフラットシート」。これは往路の成田→バンコクで乗ったシェルフラットネオよりも更に前のシートです。配列は2-3-2の7列。
“ネオ”の前身という事もあって、姿形はとても似ているのですが、さすがに大分年季が入っていますよね。シート幅や足元のスペースも、ネオに比べたら幾分狭いです。
ベッドポジションは170度のライフラット。これでも当時は最新鋭の設備だったそうですが、体がずれてくる上に“ネオ”よりも幅が狭く、やはりこれで眠るのは辛いかも…。
機内食メニューの雑な書き方…
さて、今回の機内食メニューを見てみると、表紙のデザインこそ往路と変わらないものの、中身には明らかな差が見受けられました。先ず、料理の写真が無い事、そして表示方法も簡素で文字の配置も雑。それ故かメニュー表のページ数が少なくてペラペラ、また料理に関しては、往路の様なシェフとのコラボレーションもありません。これだけを見ても、日本発と日本着との差は歴然ですよね。今回のフライトは、深夜便と違って機内食需要の少ないフライトでもないですし、いくら“復路”とは言えここまで如実に変えなくても良いのではないかと思いますが…。
期待ハズレの前菜5つの小鉢
今回も和食を選択。特別なシェフとのコラボは無いものの、一応料理のコースとしては同じで、前菜の小鉢→月代わりの台の物→デザートの順に出てきます。小鉢の詳細は以下の通り、今回もご飯をパンに代えてもらいました。
- 干し柿なます・蟹肉と黒豆添え
- 穴子キャベツ巻き・ほうれん草お浸し
- 海老揚げ真丈・ずんだ
- 茄子揚煮浸し・鶏の治部煮
- 袱紗焼き、蛸柔らか煮・里芋唐揚げ、しめじ旨煮・蒟蒻ピリ辛焚き、栗甘露煮
どれも料理名は立派ですが、玉子は味がしないし里芋は固くて味わいも無し、その他もごく普通の“野菜の煮物”という感じで、特別な美味しさはありません。心なしか、往路の黒木シェフのメニューと比べて彩りも寂しい…。
パンのレベルも中の下。一応温められていて、細長いパンは中につぶつぶが入っていて香ばしさもありますが、どちらも美味しいパンでは無いです。
「牛すき焼き」は学校給食レベル…
続いてメインの“台の物”。9月のメニューは「牛すき焼き」です。パンに代えたはずが、ライスも一緒に出てきました…。
味付けはまともな方ですが、肉はパッサパサ!噛んでも噛んでも旨味が滲み出る事は無く、口の中の乾燥を呼ぶだけです。それでいて、このタップリ入った肉の量…、正に質より量を取った良い例です。往路で食べた黒木シェフのとろける様な牛とは、本当に天と地の差!
そんな中、大した味付けでもない味噌汁が美味しく感じてしまいます。乾燥オクラ入りの味噌汁と香の物。
唯一美味かったデザートとコーヒー
期待ハズレの機内食が続く中、唯一美味しかったのはこのデザートとコーヒー。機内食がシェフとのコラボでは無い中、コーヒーに関しては往路と同じ“JAL CAFE LINES”という特別なコンセプトで選ばれた銘柄が使われています。たまたま入れ方が良かったのか(若しくは期待ハズレの機内食の後だからか…)、このコーヒーが特別美味しく感じてしまいました。
デザートは「マンゴームース」。和食・洋食とも同じメニューです。私は普段マンゴーは独特の臭みがあってあまり好みでないのですが、これはそんなクセが一切無く、濃厚でまろやかな舌触り。程よい甘さが広がって美味しいムースです。
チーズセレクションが酷い…
美味しいデザートを食べてホッとしたのもつかの間、最後に頼んだ「チーズセレクション」がコチラ!何これ!? 小さなチーズが2+1切れ、埋め合わせにクラッカーが4枚積んであるだけの、実に寂しいプレート…。
味はフツー。日本のスーパーのチーズレベルです。香り立ちも無く、風味の余韻も感じられない…。“セレクション”と名乗るならば、もう少し美味しいチーズを幾つもセレクトさせて欲しいものです。
行きと帰りの格差が凄い…
バンコク発羽田行きJALビジネスクラスの機内食を体験してみましたが、往路で食べた黒木シェフの美味しいコラボ料理と比べると、本当に同じ航空会社なのかと疑ってしまいます。以前、シンガポール線で食べたJALエコノミークラスの機内食の味も往復で大差がありましたし、ほんとJALの復路(日本着)に対するやる気の無さには、呆れてしまいますね(参考:往復でこんなにも違う!JALエコノミークラス機内食の朝食を比較する)。機内食は、フライトの中で唯一“もてなし”の気持ちが形になって表れるもの。こんな待遇を受けてしまっては、リピートしたいとは微塵も思いませんよ。ちょっと考え方を改めてもらいたい、そんなJALビジネスクラス機内食レポートでした。往路で食べた機内食レポートはコチラ→黒木シェフの和食が美味い!JALビジネスクラス機内食2017秋メニュー
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