日経TRENDYヒット予測は当たるのか?過去の発売号と見比べてみた!

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日経BP社が出版する月刊情報誌「日経トレンディ」。毎年11月に発売される12月号には、翌年のヒット商品を予測する「ヒット予測ランキング」がある事で有名ですよね。

私はこれまでほぼ毎年購入していたのですが、書棚を整理していたら以前の発売号が幾つも出てきました。これまで単年で読んではいたものの、当年のヒット商品と前年のヒット予測ランキングの答え合わせをした事が無かったので、ちょうど良い機会だと思って見比べてみました。

日経トレンディ12月号のヒット予測ランキング

「日経トレンディ」は日経BP社が発売する月刊情報誌ですが、毎年12月号に限っては特集が組まれ、翌年に日本で流行が予想される商品(家電・雑貨・食品・映画・その他サービス等)を「ヒット予測ランキング」と題してランキング形式で紹介されています。

日経トレンディの過去の12月号

ヒット予測に加えて、その年に日本で流行した商品も「ヒット商品ベスト30」と題して紹介されており、それが前年の予測と合っているかが今回の焦点。経済界からの視点による詳しい解説もあり、興味深い内容になっています。

近年では、同じ内容をB5判に凝縮したリサイズ版も発売される様になりました。この方が持ち運び易く、また何故か通常のA4判と比べて紙質も良いので、私は毎回このリサイズ版の方を購入する様にしています。

2017年ヒット予測は当たったか?

昨年2016年11月に発売された日経トレンディ12月号には、今年2017年のヒット予測が掲載されています。そのBest 30は次の通り。

日経トレンディ2017ヒット予測ランキング

第一位は「ノールックAI家電」。“ノールックAI”なんて聞きなれない言葉ですが、要するにAI(人工知能)がついた家電の事で、人の言葉を理解して処理を行ったり、また使い込む事によって指示しなくても勝手に適正な設定になる様な学習機能が備わっている家電を指すのだそう。

確かに、人の動きや体温を感知できるエアコンの様に、最近の家電はAI付きのものが増えましたが、それはただ性能が向上しただけであって“流行”していると言えるのかどうか…。家電の買い替えには時間がかかりますし、何より最先端の家電は価格もそうとう高価ですから、持つ人も限られてきますよね。

尚、この記事で大々的に紹介されているのが「Amazon Echo」という製品。これは「部屋の照明を点けて」とか「今日の天気は?」など、人の声を認識してそれを実行してくれる、ちょっと未来な電化製品ですが、大概の事はスマホで出来てしまう昨今、どれだけ需要があるのか不明…。

定価は179.99ドル(上記はミニサイズのDot)で、肝心のアマゾンでは売り切れとなっていますが、Yahooショッピングを覗いてみると25,000円で売られていました。アメリカでは人気の様ですが、日本ではまだ聞かないですよね。

日経トレンディのレゴランド

その他、30位以内で実際に話題になったものと言えば、良くも悪くも「レゴランド(12位)」、あとは「クルーズトレイン(9位)」くらいでしょうか?「秘境駅(25位)」や「FF15(18位)」など、特定の趣味を持つ人の間でのみブームで、頻繁にニュースになる様な盛り上がり方ではなかった様に思えます。

2016年ヒットの「予測」と「結果」を検証する

さて、ヒット予測ランキングはどれほど当たるものなのか、今度は過去に発売された日経トレンディと比較して、検証してみたいと思います。

下記の図は、2016年のヒット商品における2015年12月号の“2016ヒット予測”と2016年12月号の“2016ヒット商品ベスト30”を比較したもの。こうして比較してみると、順位は別として予測がほぼ当たったと思われるのは4項目のみ(上図の赤文字)。確率にしておよそ13%です。

日経トレンディ2016年ヒット商品

予測が外れたものを見てみると、例えば予測2位の「激安オムニ家電」はネットに繋がった白物家電「Lot家電」の事で、在庫管理をして足りない食材を自動的にスーパーへ発注する機能のついた冷蔵庫などを紹介。また予測11位の「無充電スマホ」は、液晶ディスプレイが太陽電池となる事で充電が不要になるという夢のスマホ。

どちらも技術的には可能なのでしょうが、あまりにも未来過ぎて量産化・低コスト化が難しいのでしょう。1年経った今でも普及の目処が立った様には思えませんし、ちょっと先を読みすぎな気がします。

その他、空前のヒットとなった2つの映画「君の名は。」「シンゴジラ」は予測できず、また「ポケモンGO」「インスタグラム」「メルカリ」などスマホに特化したサービスの流行も、予測には入っていませんでした。

2009年~2012年を検証する

更に遡ること9年ほど、2008年12月号~2013年12月号の予測と結果も見てみましょう(よくぞ捨てずに置いてあったものだ…)。当時のヒット予測は20位までだったので、空欄には斜線を引いてあります。

日経トレンディヒット予測ランキング2009~2012

こちらも予測の的中率は1割程度。ハイグレードなデジタル家電のヒットを予測して、その殆どを外すという傾向は現在と変わらず。また食品関連のヒット予測は難しい様で、全く予想だにしなかったスイーツや飲料水のヒットも見られます。

こうして見ると、LINEやFacebook、スマートフォンなど、今や生活の一部として根付いているが上位にランクインしている一方、“1000円高速”など格安や低価格をウリにした商品のヒットが目立ちますね。時は民主党政権時代のデフレ真っ只中、良いものが安く手に入った時代。思えば良い時代だったなぁ…。

選考基準の信憑性は?

これ程にまでハズす日経トレンディのヒット予測ランキングですが、当誌ではその選考基準を以下の通り定めています。

  • 新しい市場の創造
  • 売上
  • ライフスタイルの変化
  • 業界への影響

我々素人見では「売上」ばかりに目が行きがちですが、それだけではない様々な基準がある事は分かります。ただ、上記の結果を見ていると、“この雑誌に掲載されれば売れる”として有るもの無いものを片っ端からガムシャラに掲載している感も否めませんよね。

トップモデルが着れば流行になるというファッション業界がそうである様に、○○が流行る!と囃し立てて商品を買わせようとする、各メーカーの意図が見え隠れしている様な気がします(例えば2016年ヒット予測22位「コールドブリューコーヒー」、これについては “アイスブリュードコーヒー”を新大阪駅構内「Drip-X-Cafe」で試してみた の記事で試飲しています)。

日経トレンディ2017年12月号

趣味の多様化によって日本国民が一丸となる機会が少なくなっている中、各メーカーともヒット商品の捻出に苦労しているのだろうとは思いますが、毎年大げさなキャッチフレーズでお馴染み「ボジョレーヌーヴォ」がそうである様に、あまり“作られたブーム”ばかり創出していると、やがては見透かされてしまうでしょうね。

今年2017年のヒット商品、および来年2018年のヒット予測ランキングが掲載されるであろう「2017年12月号」は、来月11月の初旬発売です。昨年の予測はどれほど的中しているのか、結果が待たれます。


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