JALビジネスクラス Sky Suite Ⅲ を体験!かつて無い程の圧迫感が心配…

JAL国際線777-200機材へ新たに導入されるビジネスクラスシート「スカイスイートⅢ」の体験会に行って、座り心地を試してみました。

これは、昨日まで六本木ヒルズの「ヒルズ・カフェ・スペース」にて一般に向けて公開されていたもので、今年7月からバンコク線に導入される最新型のビジネスクラスシートが展示されています。

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JAL初となる“ヘリンボーン式”のシートは、そのプレスリリースで「一部の座席で足元を立体的に交差させる工夫…」と記載されていた事から、どの様な工夫なのか気になっていました。

JAL Sky-Suite Ⅲ 体験会

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場所は六本木ヒルズの66 PLAZA、大屋根プラザへ向かう通路に、展示スペースはあります。

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入るとすぐに、ドリンク券がもらえました。JALの機内で振舞われているドリンクの一部が、無料で提供されている様です。

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私が訪れた時、日本酒はこの2種類のみ。ここは昨年6月(?)にJAL国内線ファーストクラスで採用された事もあるという「旭鶴」を頂きます。

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クセが無くて美味しいですね!自然な甘みがあって、好きな味です。

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館内は、無料でドリンクが振舞われている事もあって、老若男女問わず結構賑わっています。最新の「Ⅲ」の他、ⅠやⅡも比較用に展示されていました。

中央列左側の座席

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ありました!機内中央に設置される4席です。事前に得た情報によると、ベッドポジションにした時に左右の座席で高さが異なるという事なので、その辺りを中心に見て行きたいと思います。

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先ずは左側の座席。スタンダードポジションですが、早くも座面が低い感じがします…

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座ってみると、特段座り難い事はありませんが、周りのオブジェクトがそびえ立って見え、かなりの圧迫感を覚えます。 足元もかなり狭い印象で、長身の人なんかは足を組むのにも一工夫必要かもしれません。

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ベッドにしてみました。いやぁこの低さ、分かりますか?

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下手をすると、まるで床にマットレスをひいているかの様…。寝ている耳元のすぐ間近に、機内で忙しなく動き回るCAの足音が突き刺さる事は容易に予想できますね。よろめいた時に顔を踏まれそうな気がします…。

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更に、この低さはリラックスポジションにしてもあまり変わらず、座椅子に毛が生えた程度の高さにしかなりません。せめて座面の高さだけ独自に調節できるボタンがあっても良いのではと思いました。

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また、最大幅74センチをうたっているベッドの幅も、この様にベッドと同じ高さに調節したアームレストを含めてのもので、実際はスマホを落としかねない程の“クレバス”があって、決してベッド幅として認識できるレベルではありませんでした。

中央列右側の座席

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続いて右側の座席を見て行きます。左側の時もそうでしたが、座席への入口は狭く、余程細い人でない限り座面をまたいで中へ入らなければなりません。

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足元は、左側よりは広く感じられます。事実、ベッドにした時に足を入れる所の他に、左側には無かったプラスαのスペースが確認出来ます。

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しかし座ってみると…左側とは打って変わって高い!男の平均身長である私の足がぎりぎり床につくくらい…。足元にあるスペースの下段は、自然と足置きとして使われる事になるでしょう。

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リラックスポジションにすると、その高さは更に顕著になってきます。もはや左側の肘掛が座面の高さと変わらなくなるほど。これで座ってみると、やはり足が宙に浮いてしまいます。

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ベッドにすると、なんだか一番“マトモ”な姿になった様な気がします。

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これだけ高さがあれば、左側の座席の様に聳え立つ山の谷間で眠る必要もありません。ただ、足を入れるスペースは、少し高さが足りない印象。足をぶつけずに寝返りを打つのは難しいです。

座席周りの設備

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ここで、身の回りの設備を見てみましょう。テーブルは、斜め前からパタンと倒れてくる仕組みで、サイズとしては標準ながらも、支えのアーム部分が常に斜めに見えている状態の為、若干違和感を覚えます。これでテーブルクロスがひかれると、テーブルの奥の部分の境目が分かり難くなって、お皿やグラスを落としてしまわないか心配です。

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サイドテーブルは、小物を置くには十分なスペースだと思います。個人的には、このパーティションを端まで伸ばして欲しいと思うのですが、これでも普通にしている分には、隣の人の顔が見える事はありませんでした。

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コンセント、USB端子の上は、鏡つきの収納スペースです。女性には嬉しい設備かもしれません。

Sky-Suite Ⅲの印象

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総じて感想を申し上げると、座面の高さや身の回りのスペースに関して、「違和感」と「圧迫感」ばかりが沸き立って来ます。とにかく余計な箱庭が増えて、居住スペースを圧迫している印象です。個室間を追及した結果であるとは思いますが、特に左側の座席は、大きな岩山に囲まれて、それが今にも崩れてきそうな感想を持ちました。

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これならば、なぜ大好評の「Ⅰ」を採用しなかったのか、いささか疑問に思います。“狭い”と不評だった「Ⅱ」と比べても、その圧迫感は群を抜いていました。

「Ⅲ」の就航先はバンコクやシンガポールと言った6時間程度の中距離路線ですが、かつてはパリ行きの深夜便に宛がわれていた777-200(私もこれでパリへ飛んだ事があります)ですから、やがては欧州や米国などの長距離路線に割り当てられないか心配です。この座席に11万マイルを叩いて、ましてや40万円も自腹を切って乗ろうとは、決して思わないでしょう。

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願わくば、まだ発表されていない窓側の仕様が、これらと一線を画している事です。隣席と足元がクロスしない分、居住性に関しては、比べ物にならない程をスペースを有している事を祈る他ありません。その発表が待ち焦がれます。

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