“当日券”実は余裕で買えた?ショパン国際ピアノコンクール”

ワルシャワは、連日曇天や雨のパッとしない天候が続いています。この先もこの様な天候が続く予報が出ており、“黄金の秋”を想像していただけに、落胆も大きいものがあります。

さて、私が一昨日ワルシャワへ到着した時の印象としては、「全く盛り上がっていない」という事です。国を挙げての一大イベントなのかと思いきや、そうではないらしく、一部の音楽愛好家に限る音楽イベントの一種という位置づけの様で、街中は平穏な日常が流れています。
何ゆえ、空港に降り立ってからワルシャワフィルハーモニーに入るまでの間、ショパンの「C」の字すら見かけない有様でしたので、私としてもやや意気消沈…。しかしフィルハーモニーの会場内に入ると、世界最高峰のピアノコンクール会場に身を置いている喜びに満ちた人々の笑顔と、楽しげな会話で溢れかえっていました。

当日券を購入

以前の記事でも述べた通り、私はこの日の2nd sessionのチケットしか持っておらず、午前に行われる1st sessionを鑑賞すべく、噂には聞いていた“当日券”の購入にトライしました。

 ワルシャワフィルハーモニー2

チケットオフィスがオープンするのは9:00の為、8:30頃にフィルハーモニー会場へ到着しました。

ワルシャワフィルハーモニー

すると既に50名程の行列が出来ており、絶望感に襲われながらも、駄目もとで並び始めました。しかしその後、私の後ろにも次から次へと行列が増していきます。しかも皆余裕の表情…。これはもしや期待出来るのでは!?と胸の高まりを抑えながらも、販売開始を待ちます。

 ワルシャワフィルハーモニー3

行列の先頭は、チケットオフィスの窓口ではなく、特設された受付にありました。少し遅れて9:15頃、漸く列が動き出します。しかし50枚もの当日券が果たして発行されるのか、そんな心配を他所に列は少しずつ流れてゆき、ついに私も当日券を手にする事ができました。

chopin piano competition 2015

当日券は「自由席」で、空いている座席ならどこでも座れるというものらしく、その場で印刷された即席のチケットです。

chopin piano competition 2015 (2)

しかし50名もの行列の為、時は既に10:04。この日最初の奏者Charles Richard-Hamelinさんの演奏を聴く事は、もはや諦めぎみでしたが、取りあえず会場内に入って行きました。ところが、ドアマンの女性に尋ねると、まだ入場可能(演奏が始まっていない)との事。即入場し、“21列目11番”の座席に案内されました。

chopin piano competition 2015 3

この席は3rdカテゴリーの最前列で、尚且つ中央に近い良席。しかし2階席の張り出しが頭上を覆っている為、天井の方へ抜けていく音が聴こえず、ステージのピアノの音は遠くでゴモゴモと篭ってしまい、奏者の繊細な音楽表現を聴き取るには難があります。

同じ3rdカテゴリーでも、2階席の方が会場全体に響き渡る音が耳に入ってくるかもしれません。それでも諦めていたCharles Richard-Hamelinさんの《ピアノソナタ》を聴くことが出来たので、満足しています。

 当日券を前提としたチケット販売

特筆すべき点は、当日券を求める列が、私を含めて100名近くもいた事です。日本に居る際にあれだけsold outだのキャンセル待ちだの、一部でプラチナチケット化して入手困難な状態でありながら、現地では当日券を買って気軽に鑑賞できる“程度”のものでした。

勿論、前方の良席を手に入れる為には事前購入は必須でしょうし、行列にも並ぶ必要があります。しかも明日からのFinaleともなれば、当日券も相当数を減らす事が予想されますので、一概に言う事は出来ませんが、少なくとも3次予選までは気楽なコンサート気取りで鑑賞できる事が分かったので、次回以降のチケット購入は、これを踏まえた戦略が必要ですね。

ワルシャワフィルハーモニーの座席等については、改めて記事にしたいと思います。

【ショパン国際ピアノコンクール2015】人気の記事