ショパン国際ピアノコンクール2015は、昨日までに1次予選が終了し、2次予選進出者が決定しました。
私が注目したギリシャ出身のAlexia Mouzaさんは、見事2次進出を果たしました。
何と言っても圧倒的なテクニック!超高速かつ正確なエチュードを始め、鍵盤をなでる様な小さな音から、大きく激しい音まで実に多彩な表現で魅了してくれました。多声部になる所の音色の使い分けも見事です。彼女の2次進出は、誰もが納得する事でしょう。
一方、イギリス出身のKausikan Rajeshkumarさんは外れてしまいました。
彼の演奏の凄い所は、どんなにピアニッシモでも音の存在感が大きく、芯まで響いて耳に届いてくる事です。エチュードの高音旋律の美しさも超一級品で、聴いていて涙が出そうになりましたが、全体的にミスが目立った事、そして表現方法にクセがあった事、それらが大きく評価を下げてしまった要因ではないかと思っています。何れにせよ、彼の演奏を今後聴く事が出来ないというのは非常に残念です。
その他、日本人出場者の内5名が2次予選へと進出を果たしました。おめでとうございます!
1次予選の審査基準
2次予選進出者43名の内、10名ほど私の予想と外れてしまいました。どの様な観点で審査が行われているのでしょうか?おそらく、メカニックや音質などの「演奏技術」よりも、ショパン個々の作品に対する「理解度」をチェックする事に重きが置かれているのではと感じました。勿論、ミスが無い或いは感じさせない演奏である事や、スバ抜けたメカニックや表現力を持ち合わせている事は大前提としながらも、“響きを伴った音質”だとか、“声部同士のバランス”だとか、そういった演奏そのものに関する観点での評価は、あまり重要視されていないのだと思います。
当然といえば当然ですが、私は1次予選という特性上、技術的な事や、その演奏家の可能性の有無などに重きが置かれるものと思っていました。今回の結果を元に、今後も自己審査を続けていこうと思います。
少数派KAWAIとFAZIOLIの状況
- KAWAI 11名、内5名が2次進出
- FAZIOLI 1名、2次進出なし
(※独自調査の為、万一のミスはご容赦ください)
前大会で好成績を残したFAZIOLIは、1stステージでは唯一の選択者Tian Luさんが落選となった為、その実力を探るには至りませんでした。この方の演奏を聴いていると、低音が異様に際立って聴こえたのですが、これがFAZIOLIの特性なのか、音声マイクのせいなのか、または演奏上の特性なのか…?2次予選以降、新たにFAZIOLIを選択する奏者が現れる事を期待します。一方、KAWAIは5名が2次進出。こちらも今後新たに選択者が増えるかどうか、注目していきたいと思います。
本日10/8は、審査が行われませんので、今夜は久々にゆっくりと眠る事が出来そうです。
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