ショパン国際ピアノコンクール2015 ライブストリーミングを視聴して

いよいよ始まりました「ショパン国際ピアノコンクール2015」。私は2次予選までは自宅でライブストリーミングによる視聴、ファイナルは現地で鑑賞します。

今や世界中から高画質なライブ映像を視聴できるなんて、凄い時代になったものです。ただ、肝心の「音質」に関しては“本格志向”とは言えないもので、アンプを通したスピーカーからであっても、残響の善し悪しがはっきりと聞き分けられる程には至りませんでした。その他にも、ライブストリーミング視聴で気になった点を幾つか挙げたいと思います。

“フォルテ”でこもるストリーミング音声

“ピアノ”の弱い音からcresc.で“フォルテ”に向かう際、音の勢いが増大する感じは判るのですが、肝心の音量の変化があまり感じられません。どうもピークリミッターが掛けられている様で、大音量の時に音が削られている感じがしました。勿論その恩恵によって、“フォルティッシモ”でのアクセントなど瞬間的に強烈な音が出てきた際にも、音割れが発生する様な事はありませんでしたから、これで良いのかもしれません。

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一方で、ホワイトノイズは少なく、“ピアニッシモ”の音を聴く為にスピーカーの音量を上げても「サー」というノイズはあまり聴こえずに済みます。この様に、ストリーミング音声でありながら、演奏者による音の違いを“ある程度”判断できる音質にはなっている模様です。

 バルコニー席はガラ空き

1次予選と言えども、表面上はチケット「完売」したはずですが、映像から2Fサイドのバルコニー席のガラ空き状態が確認出来ました。空席はある程度予想していましたが、あそこまであからさまに空いてしまうと…。

コンクール1~2週間前には、コンクールHPで選択できるチケットは全て完売していました。もしここに残席があれば、買いたい人は沢山いたのではないかと思います。それが、付加価値を付けた販売を目論む旅行会社による買占め(かどうか分かりませんが)等によって、この様な本末転倒な状態になっているとしたら、大変残念でなりません。

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噂によると、空席に自由に座れる「当日券」が発売されているとかいないとか…。どちらにせよ、現地に行かないと分かりませんね。ウィーンフィル「ニューイヤーコンサート」もそうですが、価格高騰を前提とした中間マージン有りきの販売戦略はさっさと辞めて、誰もが平等に健全な定価チケットを手に入れられる様になれば良いなと思っています。音楽は、一部の富裕層の為だけにあるのものではありません。

ピアノの入れ替えが雑

私が見た初日の映像には、ファツィオリを除く3種のピアノがステージに用意されていました。各者演奏修了後に転換を行うのですが、2名のスタッフがピアノを“ガラガラガラ”と大きな音を立てて足早にセッティングを行っていました。あんなに振動を与えて、調律が狂ってしまわないのでしょうか?

ただでさえ演奏によって、僅かな音のズレは少しずつ表われて来るものですから、せめてキャスターを付けて慎重に動かす等、1次予選と言えども、そこは世界一のショパンコンクールなのですから、特段の配慮が必要ではないかと思いました。

観客の騒音が多い

ライブストリーミングのマイクは客席の音声も容赦なく拾います。咳は仕方ないにしても、物が床に落ちた音が頻繁に聞こえてきます。特に金属が落ちた音が“キーン”と響いた部分もありました。会場の仕様上仕方のない事なのでしょうが、私も訪れた際は細心の注意を払って鑑賞に臨みたいと思います。

気になった演奏者に対する所管等は、後日改めて記載したいと思います。何ゆえ、ライブストリーミング音声ですから、自分の中でも厳正に判断する事が難しいので、本格的な予想は、生演奏が聴ける「ファイナル」で行うつもりです。