日本人の健闘やいかに!ショパン国際ピアノコンクール2015

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連日、様々な才能の発見に沸いている「ショパン国際ピアノコンクール2015」ですが、日本人出場者の健闘も特筆すべき事です。

昨日を終えた段階で、1次予選における日本人の演奏は、有島京さんを残すのみとなりました。これまでの各位の演奏を振り返ってみると、10/4の木村友梨香さんは多彩な表現力と男性顔負けの音量でカリスマ性があり、10/5の中川真耶加さんは精密に設計された音楽で安定感がありました。中でも昨日演奏された竹田理琴乃さんは、ノクターンの出だしこそ味気ない音だったものの、その後の演奏は圧巻、エチュードOp.10-4、25-5共に豊潤な響きを伴う音と安定的なメカニック、スケルツォも然りで、ここまで洗練されたShigeru Kawai の音は初めて聴きました。

その他の方の健闘もさることながら、特にこの3名は2次予選以降への有力な候補となるのではないでしょうか。

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 「2015」の審査基準を探る、2名の演奏

昨日10/6の演奏では、特にピックアップすべき2名の演奏がありました。

 

まずは午前に演奏されたイギリス出身のKausikan Rajeshkumarさん。何と言っても先ずは溜め息が出る程の美しい音!豊潤な響きを伴っているだけでなく音の幅、音の存在感が大きいのです。どんなにピアニッシモでも音の実態が大きく、「ピアニッシモの表現」としての大きな演奏が会場の隅々まで届く、そんな音でした。動作は少ないですが、表現の幅は大きく、カリスマ性が表れていました。ライブストリーミングにもかかわらず、私は涙が出そうになりました。

しかしミスもそれなりにあり、また表現の仕方にも独特の癖があって、誰しも受け入れられるとは限らないでしょう。その証拠に、演奏後に拍手が鳴り止まないという事はありませんでした。私の中では10/5のギリシャ出身Alexia Mouzaさんに次ぐ、最有力候補となっています。

 

もう一人は、午後に演奏されたチェコ出身のNatalie Schwamováさん。細身の女性とは思えないほど存在感があって丸みを帯びた美しい音。激しい音で弾かれがちなエチュードOp.10-1でも、とにかくまろやか!全体の音量としては小さめですが、ピアノがしっかり鳴っている印象がありました。若干ミスはあるものの安定していますし、他の演奏者とは一線を画していると言えるでしょう。しかし、スケルツォの中間部が思いの他さらっと弾いている等、表現の幅という点に絞って見れば、少し物足りない感じも否めません。この辺りがどう評価されるのか、注目です。

以上、この2名の様に他者とは違う特徴を持ち、尚且つずば抜けた“美音”を兼ね備えた演奏であれば、“目立つ”事が有利なコンクールではかなり有益な材料と成り得るのではないでしょうか。しかし「ショパンらしさ」という点や、「ショパンとの霊的な会話」が成り立っている演奏というのは、私共では判断できませんので、これがこの先どの様な評価に繋がっていくのか、注目したいと思います。

審査員の評価も毎年変わっていますし、「○○な演奏をすれば受かる」という明確な基準が無い事も、ショパンコンクールの魅力の一つなのかもしれませんね。

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