TBS“情熱大陸”小林愛実さんの放送を見て、《ショパン国際ピアノコンクール2015》の結果と審査の真髄を探る

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昨夜のTBS“情熱大陸”では、《ショパン国際ピアノコンクール2015》に奮闘する小林愛実さんの密着映像が放送されました。天才少女として早くから注目を浴びていた彼女が、昨月に行われたショパンコンクールに至るまでの奇跡が紹介されており、ファイナルで敗れた際に涙を流していた姿を見ると、こっちまでウルッと来てしまいます。

そんなショパンコンクールの審査結果に関して賛否両論が飛び交うのは毎度の事ですが、今回も色々と声が聞こえて来ます。勿論のこと、審査員の間でも意見が大きく食い違うくらいですから、大衆の意見が統一しないのは当然の事でしょう。

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ただ私は、そんな大衆の中でも「生」の音を聴いた数少ない一人として、今回の結果に関しては大きく首をかしげる点が幾つも存在します。小林愛実さんの順位については、どんなに厳しく評価をしたとしても半分を下回る順位を付ける事は出来ません。

彼女の涙を無駄にしない為にも(涙)、この結果を検証し、少しでもその答えに近づける事が出来れば良いなと思っています。

小林愛実さんは7位

ChopinConpetition 2015のHPでは、各審査員の点数が公開されています。これを上下カットをせずに素点を合計すると、小林愛実さんは7位という事になり、惜しくも入賞を逃したという事になります。しかも5位~7位は非常に僅差であり、その惜敗ぶりが顕著に表れています。

更に、17名の審査員のうち、彼女を入賞の6位以内(同率順位含む)に入れたのは10名と、これまた彼女に対する高評価が窺い知れます。

小林愛実さんの演奏を振り返る

昨夜の放送では、小林愛実さんの弱点として「感情移入しすぎて冷静さを失う事がある点」が語られていました。確かに、ショパンコンクールの演奏を聴いていると、それが感じ取れる箇所が幾つかありました。

例えばファイナルの演奏では、1、2楽章こそ完璧であったものの3楽章はやや“音の迷い”が感じられた部分もありましたし、それ以前の2次予選でも《バラード第1番》のラストの部分や《英雄ポロネーズ》で“焦り”と思われる所が見られました。

 

しかし、そんな2次予選でも彼女に対する評価は高く、「No」を付けたのは僅かに3名と、彼女の実力がハッキリ認められた事だと確信していました。目先の焦りや気の迷いは評価に影響せず「真」の実力を見出して評価する“真っ当な審査”であると。

ファイナルでの小林さんの演奏から減点要素を探すとすれば、恐らく3楽章からがメインになるとは思いますが…。それにしてもDmitri Alexeev氏やGarrick Ohlsson氏の「1点」というのは、あまりにも理解に苦しみます。

近々発売されるモーストリークラシックや月間ショパンの最新号では、おそらく本コンクールに関する特集が成されると思いますので、今回の結果についてどの様な意見が述べられるか、また第1位のSeong-Jin Choさんに只一人酷評を付けたPhilippe Entremont氏のコメントが掲載されるか、注目したいと思います。また、それが発売された折にでも、Seong-Jin
Choさんの演奏について振り返ってみたいと思います。

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