ポーランドのご当地グルメの一つに“ピエロギ”があります。ピエロギを英訳すると「餃子」の意味で、その名の通りモチモチとした白い皮が特徴の“ポーランド風餃子”です。
最近は、国内外を問わずどこへ行っても「ご当地ご当地」と言って、現地ならではの特異性ばかり強調し、原価率が低くコスパの悪い品を押し付けられる事も多く、ワルシャワに至っては昨日の記事でご紹介した「ポンチキ」がそうでしたから、ピエロギに対しても当初から期待は大きくありませんでした。
今日は、私がワルシャワ滞在中に食したピエロギのレポートを、3つのレストランからご紹介します。
目次
Pierogarnia na Bednarskiej
ピエロギ専門のセルフ式レストランです。専門と言えど、ジュレック(ポーランドのご当地スープ)や日替わりランチ等、種類は少ないですがピエロギ以外のメニューも揃っています。※こちらのレストランは既に閉店しています。
左がCHEESE、右がMEATです。ここは1種類につき6個入りがスタンダードですが、ハーフ(3個入り)も選べます。
MEAT(ハーフ7.5PLN)。第一印象は「あぁなるほど…」といった感じ。不味くはないですが、パサパサのひき肉と無駄に分厚い皮で、空腹にもかかわらず1つで満腹感が出て来てしまいました。確かにモチモチっとした食感は噂どおりですが、味がしない小麦粉の塊が口の中でいつまでも残り、心地よくありません。
CHEESE(ハーフ6.5PLN)はデザート向けで甘いです。チーズの風味は少なく、代わりにオレンジテイストの甘いシロップに漬かったピエロギは、やはり食欲が失せました。別に“甘すぎ”という訳ではありませんが、しつこい甘さですぐ腹いっぱい…。甘党の私ですが、それでもこの1品はあまり受け付けません。
ちなみにコチラは、このレストランのZUREK。3.5PLNと安いですが、殆ど具が入っておらず、スープの旨みもイマ一つ二つ…。ただ、温かいので、寒い季節に体を温めるには良いかもしれません。
このレストランでの注文は、入ってすぐ左のカウンターで行い、番号札を持って席で料理を待つシステムです。低廉な値段設定の割に店員の対応は良く、滞在中2度訪れましたが、やはり味は値段相応の様です。
Pierogarnia na Bednarskiejの店情報(閉店)
- 住所:Bednarska 28/30, 00-001 Warszawa
- 営業時間:12:00~20:00
Zapiecek
言わずと知れた、ポーランド料理の有名チェーン店です。多くのガイドブックにも必ずと言って良いほど載っているレストランで、多彩なポーランド料理を無難に食べられる事から、ワルシャワに来て先ず初めに入る方も多いのではないでしょうか。
試しに、先ずはここのZUREKを試してみました。スープの味は、先ほどのセルフ式レストランよりマシですが、具が少ない点は同じ。野菜が鯉の餌の様に細切れに入っているだけで、具材を味わうという楽しみは全くありません。まぁ食前のスープとしては、それなりに機能しそうなメニューでしょう。
さて、コチラが本題のピエロギ(ピンボケでスミマセン)。ここでもMEAT(22.99PLN)を注文しましたが、味は似た様なもの…。ミンチ上の肉は、言わばシーチキンにも似た食感で、このネチネチとした食べ応えは、人によっては「気持ち悪い」と感じてしまうかもしれません。皮に関しては、先ほどとは違い、やや“火の通った感”があって、9ピースを完食するのにそれほど難はありませんでしたが、それでも「具」のネチネチ感を助長する舌触りである事に変わりはなく、リピートしたいとは思いません。
Zapiecekの店情報
- 住所:ul. Swietojanska 13, Warsaw 00-266
- 営業時間:11:00~23:00
Folk Gospoda
こちらは市街地から少し離れた所にあります。位置としては、地下鉄2号線RONDO ONZ駅から北西方面に数百メートル離れた所にあります。※このレストランは既に閉店しています。
ここのピエロギがコチラです。
おっ!こんがり狐色に揚がったピエロギ、付け合せにベリーのソース、これは期待できます。
注文したのはチーズ味(21PLN)です。トロっと出てくる“とろけるチーズ”ではありませんでしたが、デザートの様な甘さは無く、食事として頂ける一品です。なかなか美味しい!単独でもいけますが、これにベリーのソースが良く合います。これまで“半生餃子”ばかり食べて来ただけに、このカリッとした食感には感動です。久しぶりに食欲が沸いてきました。
ここのFolk Gospodaには、他にも美味しいメニューが揃っており、ワルシャワ滞在中に好んで何度か訪れましたので、それについては次の記事にて詳しくご紹介したいと思います→ポーランド・ワルシャワ“一人旅”におススメのレストラン《Folk Gospoda》
揚げたものが正解か?
ワルシャワのありとあらゆるピエロギを試した訳ではありませんが、少なくともネチっとした重苦しい食感よりは、カリッ、サクッとした軽い食感の方が、大きく外れる心配は少ないと感じました。モチモチとした食感であるならば、それこそ日本の「餅」の様に豊かな風味が感じられなければ、味のしないガムを噛んでいる様なものです。ただ、「揚げれば何でも美味くなる」とは言ったもので、スーパーの格安コロッケやコンビニ弁当にも必ずと言って良い程入っている“揚げもの”を良い例として、その類には注意が必要かもしれません。
決して「美食の街」とは言い難いワルシャワのレストラン事情。ご当地グルメに舌鼓を打つのも、そう楽ではないのかもしれませんね。
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