サンクトペテルブルクに滞在中、折角ロシアへ来たのだから本格的なバレエが観たい!という事で訪れたのが「ミハイロフスキー劇場」。
ここは、最も有名なマリインスキー劇場(大劇場)に対して“小劇場”として位置づけられる事もあるそうですが、行ってみるとなかなか豪華な内装の本格的な劇場で見応えは十分!
今回は、地元ロシアの大作曲家チャイコフスキー作曲の「白鳥湖」を鑑賞しましたので、その内容や会場内の装飾、またチケット購入などについて詳しくお伝えしたいと思います。
目次
劇場アクセスと服装
サンクトペテルブルクにあるミハイロフスキー劇場の場所はコチラ。血の上の救世主教会やロシア美術館もすぐ側にある観光の中心地にあって、アクセスのし易さは抜群です!
薄い黄色をした外壁の建物がミハイロフスキー劇場。設立は1833年、マリインスキー劇場の様な立派なファサードは無く、ごくありふれた西洋建築の長屋の中にあるので、外から見るとここにオペラ座があるなんて想像もつかないですね。
エントランスはミハイロフスキー広場側にあります。
来客の服装をチェックしてみると、年配の男性はジャケット姿も目立ちますが、若い人は皆キレイ目カジュアルと言った感じ。流石にジーンズ姿は居ませんでしたが、清楚な襟付きのシャツを着ていれば問題無いと思います。チケット購入は公式HPから
尚、今回の公演チケットですが、私は公式HPから購入しました。英語切替対応で、買い方はとても簡単! トップメニューのPLAYBILLをクリックし、カレンダーから任意の公演を選択して進めていきます。
シートMAPから細かな座席指定も出来るので安心!チケット価格は、今回の演目(バレエ)で言うと5,000RUB~1,500RUB。1stカテゴリーは西欧のオペラ座と比べると破格の安さですが、逆に悪い席でもそれほど安くならないので、ここはなるべく良い席で観るのがおススメです!
アカウントを作成し、クレジットカードで決済すれば完了!Eチケットが発行されるので、実券への引き換えは不要です。
手狭なロビーと複雑な階段
さて、金属探知機と手荷物検査を受けて中へ入ると、最初に天井の低い手狭なロビーがあり、その先に客席へ通じる廊下があります。オペラ座では珍しく、入口付近には両替の出来るATMが設置されていました。
およそホワイエとは呼べない程せせこましい1階のロビー。でも壁に設置された鏡や絵画、そして床に敷かれた赤絨毯などは高級感があってGood!
ホワイエは何層かに分かれていますが、各階を繋ぐ階段がこれまた超複雑!どこから入ってどこへ出て行くか全く想像がつきません。こんな迷路の様に複雑な階段は初めて見ましたよ…。
2階にはやや広めのスペースがあって、奥にはBarも設置。ここがこの会場の社交場になっている様です。
Barのメニューをチェック!
幕間の休憩時間にBarをチェックしてみると、メニューはドリンクだけでなくサンドイッチ等の軽食も販売。複数の種類のケーキもありました。
Barカウンターは2つあって、一つはミールとドリンク、もう一方はドリンク専用カウンターの様です。休憩開始の3分後に行ったら既に長蛇の列が出来ていたので、食事をするなら開演前に来るのがベター!
メニュー表が置いてあったのでちょっと拝借して見てみると、サンドイッチは10種類くらいあって、価格は350~500RUB。中には2,500RUBもするブラックキャビアもありますが、ここでこれを注文する人は居るのだろうか…?
こちらはドリンクのメニューですが、アルコールは複数のワインにシャンパン、ハードリカーやリキュールもあって、とても充実!複数の容量が選べる他、いずれも英語が併記されているので分かり易いです。
ソフトドリンクは、TeaやCoffeeの他3種類のフレッシュジュースがあったので試しにパイナップルジュースを注文してみましたが、出来上がりまで5分も掛かった割りに大して美味しくないし、価格も500RUBと超割高!これはちょっとおススメ出来ません…。
馬蹄形の美しい講堂
さぁそれではいよいよ客席の方へ!今回は1階平土間席を予約したので、社交場の無い1階の狭い廊下の方から入場します。
扉から中へ入ると、朱色が際立つ緞帳と客席、随所に金の装飾や天使を象った彫刻が施されていて、なかなか豪華な空間です!
このミハイロフスキー劇場は過去に“小劇場”と呼ばれていた事もあって、もっと小じんまりとした空間かと思っていましたが、典型的な馬蹄形の形をした4層ものバルコニーを持つ本格的な造り!バルコニー中央には、朱色のカーテンで囲まれたVIP席も設置されています。
天井に描かれた宗教画は、凹凸の少ない平面的な図柄でいかにもロシアと言った感じ。シャンデリアは無く、絵画の中央が照明になっています
平土間席の眺望
平土間の客席は、中央の通路が無い横22列の配置。古いタイプの仕様なのか、前後のシートピッチや座席幅はかなり狭いです。
しかし今回私が指定した12列目は平土間で唯一通路になっている所なので、足元は広々!その為、この辺りではこの12列目だけ1stカテゴリーに指定されていて料金が高くなっています。
前方に人が居ない分、眺望もGood!ただ、この劇場の平土間席は前後の席で互い違いになっていない為、これでも前の席の人の頭が若干気になります。そう考えると、平土間で席を指定する場合はなるべく前方の席を選ぶのが良いかもしれません。
バレエの本場で観る「白鳥の湖」は…?
さてさて、今回の演目はSwan Lake「白鳥の湖」。言わずと知れたチャイコフスキーのバレエです。初めから最後までパドドゥばかりなので、演目としては多少退屈に感じてしまう部分もありますが、有名で聴き易い音楽が多いのは嬉しいところ。
演じるのは「ミハイロフスキーバレエ団」。以前は「レニングラード国立バレエ団」という名前でしたが、2007年に今の名称になったそうです。日本でも度々来日公演が行われているので、知っている方も多いはず。
彼らの本拠地で観るロシアの作品とあって、その内容には大きな期待を抱いていましたが、正直なところソリスト以外は大した事無いというのが正直な感想です。全体的にキレが無いと言うか何と言うか、表現力に欠ける感じ。見習いのダンサーも相当多く出演していたのかもしれません。
音楽もちょっとイマイチで、金管ばかりが聴こえて弦の音があまり飛んで来ません。これは会場の都合である部分もあるかとは思いますが、残響自体はきちんと飛んで来るので、やはり原因は音響バランスかと。
ダンス、音楽共に、ちょっと期待していたものとは違っていました。
有名な作品なら観る価値あり?
と言う訳で、バレエの本場サンクトペテルブルクの「ミハイロフスキー劇場」で観たバレエ公演ですが、まぁ全体的な満足度は60点くらいかなと。期待が大きかった分、ちょっと拍子抜けした部分も否めませんが、1stカテゴリーの席でも5000RUB(8,500円)という手ごろな価格で楽しめるのは嬉しい所!
シンデレラやドンキホーテ、ジゼルなど有名な作品の上演も多いので、取り合えずバレエが観たいという人にはおススメです!
その他、サンクトペテルブルクに関する情報、各記事はこちらの特集ページをご覧下さい→サンクトペテルブルクの旅行ガイドと一人旅のすすめ!街並み、治安、観光スポットなど
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