ルーヴル美術館(仏)、メトロポリタン美術館(米)と並んで“世界三大美術館”の一つと称される、ロシア・サンクトペテルブルクの「エルミタージュ美術館」。世界屈指の美術館とあって、入場するだけで1時間以上の行列が出来るとの噂がある中、今回私はチケット購入から入場まで僅か10分強で済ませる事が出来ました!
そんな私の体験を元に、チケットの買い方から入場、館内の見所などについて詳しくまとめてみました!
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目次
5つの建物から成る巨大な美術館
エルミタージュ美術館があるのは、ロシア・サンクトペテルブルクの中心部、ネヴァ川に沿ったこちらの場所にあります。
美術館の前には広い宮殿前広場がありますが、観光の中心とあって昼夜を問わず人で賑わっています。ここでは軍事関連行事が行われる事もある様で、タイミングによっては物々しい雰囲気で迂闊に近づけなくなる様な時もありました!
この水色の大きな建物がエルミタージュ美術館ですが、この美術館は計5つの建物で構成されており、この広場の前に構える巨大な建物はその内の一つ「冬宮殿(Зимний дворец)」に過ぎません。これを見るだけでも、いかに巨大な美術館かが分かりますね。
- 冬宮殿(Зимний дворец)
- 小エルミタージュ(Малый Эрмитаж)
- 新エルミタージュ(Новый Эрмитаж)
- 旧エルミタージュ(Старый Эрмитаж)
- エルミタージュ劇場(Эрмитажный театр)
この内、エルミタージュ劇場以外の4つは中で繋がっていて、一つの大きな美術館として構成されています。
チケットは券売機で購入して行列を回避!
さて、それでは早速美術館の中へ!エルミタージュ美術館のエントランスは幾つかありますが、今回は一番王道のメインエントランスから入場したいと思います。建物中央正面にある3つの通路のいずれかを通って、先ずは中庭の方へ。ここでは手荷物検査等は無く、誰でも自由に入る事が可能。
エントランスがあるのは、中庭の正面一番奥。建物の外にチケットオフィスは無く、入場ゲートも含めて全てエントランスの中にあります。
今回は15時過ぎの訪問だったので大して混まないだろうと思っていたのですが、残念ながらそれは甘かった…。エントランスからは、50名を超えるほどの長い行列が…。
しかしこの行列はチケットを買い求める人の列で、その隣にある“With Ticket”の列には誰も並んでいませんでした。
この中庭には券売機が2箇所あって、タッチパネル操作でエルミタージュ美術館のチケットが買えます。つまりこの券売機でチケットを購入すれば、あの行列に並ばずに済むという訳です。
券売機は英語切替対応で、買えるチケットは700RUBの入場チケット1種類のみ。注意書きの様な画面が出たら、どこかをタッチすると次の画面へ進む事が出来ます。
行列にも並ばず、あっという間にチケットをGet!後は行列を横目に、With Ticketのレーンから中へ入って行きます。ロシアの観光地は何故かこういう“無駄な行列”が多いので、きちんとした下調べが欠かせませんね。
尚、入場チケットは公式HPから事前購入する方法もありますが、オンラインチケットの場合は入場ゲートがこことは別の場所になる上、そこでも1時間以上並んだという口コミもあったので、必ずしも事前購入が良いという訳では無い様です。
様々なチケット購入方法が出回っていますが、結局は余計な事を考えずにシンプルに買うのがベストなのかも?
エントランスホール/MAP、クローク、オーディオガイド
中へ入るとエントランスホールがあって、ここにはインフォメーションカウンターやオーディオガイドのカウンター、クロークは階段を下がった所にあります。行列に並ばずに入れたものの、外にも増して凄まじい混雑…。
エントランスから長い行列が出来ていたのでゾッとしましたが、意外と回転が早く5分程で通過出来ました!金属探知機によるセキュリティチェックがあり、その先でチケットチェック。
手荷物は、特別大きな物でなければリュックを持っていても何も言われない様ですが、ペットボトル等の水を持っていると没収されてしまうので注意が必要です。
尚、このフロアには館内MAPが置いてあるので、忘れずに取っておきます。残念ながら日本語版は無し。韓国語版はあるのに…。
ただ、オーディオガイドは日本語版があるので、詳しい解説を聞きたい場合はこちらで受付、価格は500RUBです。
MAPを見ながら巡る
さてさて、オペラ座の様に豪華な大階段から始まるエルミタージュ美術館。ここには古代エジプトの遺跡からフランス印象派の絵画まで、あらゆる分野に渡る膨大なコレクションがあって、その数は300万点以上にも及ぶのだとか。
展示エリアは4つの建物に渡り、資料によると部屋数だけでも1500以上、総移動距離はなんと20km!確かに“一日は周りきれない”というのには納得いきますね。
MAPには有名な絵画や見所が写真でピックアップされているので、今回はそれを頼りに巡ってみる事にしました。
大階段(MAP=191)から順に、なるべく一筆書きで行ける様なルートで歩いてみましたが、館内は“美術館”というよりも“王宮”そのもの!シャンデリアが美しい豪華な部屋がどこまでも続いています。
展示品の美しさも然り!パヴィリオンの間(MAP=204)には大変貴重な「孔雀の時計」の展示もありますが、とにかく人が多すぎて近づけやしない…。
全体的に絵画の展示はあまり多くない様に感じましたが、新エルミタージュの方へ行くとスペインやオランダの絵画作品が沢山見られます。こちら側は冬宮殿側よりも人が若干少ないので、比較的ゆっくり見られるのが嬉しいところ!
見応えのあったおススメの部屋3撰!
そんな展示品の中、私が特に感銘を受けた場所(作品)は3つ。先ずは冬宮殿の南西側(MAP=304)にある「黄金の客間」。ここは冬宮殿の中でも最も美しい部屋とされていて、金で埋め尽くされた壁面や天井の装飾が見事!
資料によると、ここは元々あった客間をロシアの建築家Andrei Stackenschneiderが19世紀に改装、扉やその淵に至るまで隈なく金箔を施したのだそう。金一色とはまぁなんとも豪華ですね!
また、同じ冬宮殿(MAP=178)にある「ニコライ2世の書斎」は、木目調とシャンデリアのミスマッチがなかなか渋くてGood!グレーの物体は暖炉で、これには砂岩が使われているそうです。
絵画部門では、やはりこちらの1枚は外せないところ!レオナルド・ダ・ヴィンチの超有名な「リッタの聖母」ですが、聖母の肌艶と言い服装の鮮やかさと言い、とても15世紀頃の作品とは思えませんね。
金の額縁もまた豪華!この作品の周りだけは人だかりが絶えませんが、少しずつ近づけば案外すんなりと観られるものです。
鑑賞は体力との勝負!
と言う訳で、取り合えずのところ2時間かけてMAPの1stフロア(2階)を一通り巡ってみましたが、余りにもの広さと混雑に、MAPを見ながら歩いても迷ってしまう程!しかもこれでかなり急ぎ足での散策だったので、じっくり観ればこの倍の時間は必要でしょう。これでやっと全体の半分ほど…、総移動距離20kmは伊達じゃないですね!
歩く距離が長いですし、それに加えてあの混雑…、観終わった後の披露感がハンパ無いです!閉館時刻が延長される水曜・金曜の夜間は比較的空いているそうなので、予定が許すなら是非その時間帯に訪れる様にしたい所。
無料で入れる4つの分館
尚、700RUBで購入したエルミタージュ美術館のチケットは、当日であればエルミタージュ美術館の新館、メンシコフ宮殿、ピョートル大帝冬の宮殿、インペリアル陶磁器工場博物館にも入る事が出来るので、体力が残っていれば巡ってみるのも良いかもしれません。
ただ、20km歩いた後に4つの美術館を巡るなんて、普通の人間には無理(笑)!それを分かっての特典だとしたら、なんだかちょっとズルイですよね・・・。
エルミタージュ美術館
- 開館時間:10:30~18:00(水曜・金曜は21:00迄)
- 入場料:700RUB(学生以下無料)、毎月第1木曜日は無料
- ホームページはコチラ
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