今日ご紹介するオーストリア・ウィーンの「アウグスティーナ教会」は、ホーフブルク宮殿から繋がる一連の建物と一体化した、他ではあまり見られない構造の教会。その外観はあまり冴えませんが、内部には壮大な空間と祭壇、パイプオルガンがあって、なかなか見応えのある所です!
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アウグスティーナ教会の入口
ウィーン国立オペラ座の裏手、アルベルティーナ広場からホーフブルク王宮方面を見ると、細長い塔が長屋から顔を出しているのが分かりますが、それがアウグスティーナ教会。
“いわゆる教会”の様な外観ではないので少し分かり難いのですが、小さいながら時計も付いているのが分かりますね。創建は14世紀、元々は独立した建物だったそうですが、後に王宮の増築の際に、建物の一部として込まれる形になったのだとか。
教会入口は、もう少し北側のJosefsplatz広場にあります。“AUGUSTINER-KIRCHE”の表記が目印、ちょっと分かり難いですが、重厚な扉が閉まっている教会と比べると、かなり入りやすいのではないでしょうか?
白の内装、壮大な空間!
中へ入るとエントランス、その奥の内扉から教会に入って行きます。この時は朝の9時半頃、人はまばらで2~3名ほどでした。
白い内壁、細長い柱とシャンデリアが等間隔に並んだ空間。17世紀より、ここはハプスブルク家の儀式が取り行われる宮廷教会になったそうですが、それを思わせる豪華な造りですよね。照明が点いていないのが残念な所。
ゴシック様式の内装は、なかなか壮大な景観です!身廊の長さは40m余り、天井高も20mあるそうで。構造的には身廊と2つの側廊を持つ教会の様ですが、景観としては一つの大きな空間に一体化している様な感じ。この点は、先日お伝えしたマリア・アム・ゲシュターデ教会と似ていますよね(参考→マリア・アム・ゲシュターデ教会‐ウィーン旧市街の歴史的な建築)
でも、マリア・アム・ゲシュターデ教会と違って、自然光の入る窓が片側にしか設置されていません。恐らく、一連の建物と一体化しているからなのだと思いますが、それでも窓のサイズがハンパ無くデカイので、自然光がガンガン入って明るいです。
この教会、過去にはマリーアントワネットやフランツ・ヨーゼフ、ナポレオンなど、名だたる著名人が結婚式を挙げているのだとか。さすがは王宮の一部というだけあって、その歴史は華々しいものがありますね~。
美しい祭壇とパイプオルガン
この教会で最も見ごたえあったのは、この祭壇。恐らく今回ウィーンで見た中で、最も大きい祭壇なのではないかと!大理石とシャンデリアだけのシンプルな造りの教会ですが、ここだけは派手やかに煌いていました!
祭壇の十数メートル手前にロープが張られているので近づけませんが、カメラのズームで撮れば細かい所が良く見えてきます。数え切れない程多くの人物像、その一人一人が皆違う姿形をしていますが、その殆どの背中に羽が生えているのが興味深いです。
祭壇の手前、側廊の壁際にはパイプオルガンがあります。遠くから見ると小さそうに見えますが、何気に数メートルもの高さを誇る堂々たる姿!
でもメインはこっち!祭壇とは対面の上階にある巨大なパイプオルガンが素晴らしい!ロココ様式で製造は18世紀、白の支柱に金の装飾は、なんだかハープの様な見栄えですよね。
印象的なマリア・クリスティーナの石碑
もう一つ注目すべきは、祭壇に向かって右側の側廊にあるこの大理石の彫刻。これは、A.カノーヴァという18世紀から19世紀にかけて活躍したイタリアの彫刻家の作品だそうで、ハプスブルクの女帝マリア・テレジアの娘であるマリア・クリスティーナの墓になっているのだそう。
頭を垂れて物悲しそうに列をなす人物。5mもあると言うピラミッドの上方には、本人の肖像が象られたメダルを掲げる天史の姿があって印象的。マリア・クリスティーナ比較的若くして亡くなったそうで、その悲しみから彼女の夫であるアルベルト公が造らせたのだとか。その当時の気持ちが、すごく良く表れた作品だと思います。
王宮の壮大な教会
と言う訳で、ウィーンのアウグスティーナ教会を見てきましたが、外から見るとただの長屋の一部なのに、その中にこんな壮大で美しい空間があるなんて想像つきませんよね。煌びやかな装飾は限定的でステンドグラスも無い教会ですが、壮大で美しい祭壇やパイプオルガンは一見の価値ありだと思います。
しかしながら寒い~!暖房のついていない教会はどこも一緒ですが、このアウグスティーナ教会は特に冷えます!冬場の特に午前中に訪れる際は、防寒をしっかりして行く事をおススメします~。
- 住所:1010 Vienna、Augustinerstrasse 3
- 開館時間:10:00~18:00(日曜は13:00~)
- 教会HP→Augustinerkirche
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