「リヨン美術館」の見所をチェック!創業200年、素敵な中庭と礼拝堂

今回は、ロンドンへ行く前に訪れたフランス・リヨンの話題から、リヨン美術館(Musée des Beaux Arts de Lyon)についてレポートしたいと思います!

創業200年以上、フランスの中でも有数の美術館として知られるリヨン美術館とあって、その立派な佇まいはなかなかのもの!どの様な作品が見られるのでしょうか?

リヨン美術館の場所

リヨン美術館があるのは、2つの川に挟まれたリヨン市街の中心地。リヨン市役所の裏手にあって、すぐ近くにはリヨンオペラもあります。

リヨンの広場

この辺りはいつも観光客や地元民で賑わう所ですが、近年相次いで起こるテロを警戒してか、自動操銃を抱えたアーミーもウヨウヨ。うかつに目を合わせたら、何か言いがかりをつけられそうで怖い…。

lyon-museum/エントランス

バルトルディ噴水で有名な広場の南側に建つ建物が、リヨン美術館。入場は正面エントランスからで、簡単に手荷物検査が行われます。

ステキな中庭がある

lyon-museum/中庭の噴水

中へ入ると美術館…かと思いきや、広々とした中庭があります。シンメトリックな配置の園庭で、中央には噴水。ベンチもあって、なかなかステキな中庭です!(しかし噴水は水が止まっていた…)

lyon-museum/中庭の回廊

このリヨン美術館は、17世紀からある修道院を改築した建物だという事で、中庭を囲む回廊を見るとその当時を思い起こさせます。美術館としての開業は1803年、なかなか由緒ある美術館ですね。

lyon-museum (30)

この中庭へはチケットが無くても入ってこれる為、美術館へ入らずここでのんびり過ごす地元の人も結構見かけます。晴れた日はここで読書をするのも良いかもしれません。

レセプションとクローク

lyon-museum/レセプション

“MUSEUM’S ENTRANCE”と書かれた所から建物へ入るとレセプションがあり、ここでチケットを購入。入館料は€8です。オーディオガイドは€1で借りられますが、残念ながら日本語は無いとの事…。※価格は為替レート等により常に変化します。

lyon-museum/クローク

クロークはコインロッカー式。施錠には€1コインが必要となりますが、親切にもコインを持ち合わせていない人の為に€1の代わりとして使えるプラスチックコインが側に置かれているので安心です!

lyon-museum/食堂

尚、レセプションの横にはこの様な美しい小部屋があります。側面には無数の聖人の像があって、正面には晩餐の絵画。

側にあった解説にはフランス語で“食堂”と書かれていましたが、今でも使われる事はあるのだろうか…?ちなみに、入口にはロープがあって中へ入る事はできません。

館内の見取り図と展示作品

lyon-museum/MAP

さてこのリヨン美術館ですが、中庭を取り囲む建物全体が展示エリアになっていて、フロアは主にレベル1とレベル2の2フロア。各階は幾つもの小部屋に分かれていて、それぞれテーマや年代に添った美術品が展示されています。

lyon-museum/レベル1

レベル1は、主に遺跡や銅像などの展示。時代は紀元前から19世紀までと幅広く、ミイラの入った石棺や土器、また中世のコインやメダル等も見られます。

lyon-museum/ミイラ

lyon-museum/土器

lyon-museum/天井

lyon-museum/メダルの部屋

館内は装飾品などの無い殺風景な展示室ですが、一部には中国っぽい特徴的なデザインの天井の部屋があったり、またリヨン出身の建築家Hector Guimardが設計したアールヌーボー式のベッドルームもこのフロアにあります。

lyon-museum/レベル2

一方、レベル2は絵画が中心。時代は1800年代以降の作品が多く、ジャンルは宗教画から風景画、人物画まで様々。見学順路の最後の方では、現代アートも見る事が出来ます。

lyon-museum/チャペル

その他、グランドフロアからレベル1への階段の中腹にもう一つ展示エリアがあります。ここは“Chapel”と呼ばれるフロアで、フランスの彫刻家Auguste Rodin(オーギュスト・ロダン)による大理石の彫刻が展示。

lyon-museum/チャペルの絵画

壁にはVictor Orsel作の絵画もあって、この美術館の中でもこのChapelだけは一際見応えのあるエリアです!この時は、校外学習の学生が沢山居て、絵画のスケッチに勤しんでいました。

どんな作品が見られるか?

lyon-museum/作品

このリヨン美術館を一通り巡ってみましたが、全体の見応えとしてはイマイチ。パリのルーブル美術館の「モナリザ」の様にコレと言った有名な作品がある訳ではないので、話題性に欠けるというのが正直な感想…。

lyon-museum/Antoine Guindrand

ただ、心を打たれる美しい風景画や宗教画は幾つかあって、例えばこちらはAntoine Guindrand(1801~1843)という地元リヨン出身の画家の作品。彼は海を主とした風景画に特化した画家だったらしいですが、幻想的なタッチがなかなか素敵!

lyon-museum/Théodore Géricault

また、美術館のカタログにも記載されているのが、こちらのThéodore Géricault(テオドール・ジェリコー)という画家による精神疾患者を描いた作品。実在する人物を題材にしたものだそうですが、血眼な瞳やうつむき加減の表情が見事ですね。

1820年に描かれたものの、当時はそれほど評価されなかったそうで、作者の死後100年経って漸く再評価される様になったのだそう。

lyon-museum/現代美術

lyon-museum/現代画

その他、目新しい面白さがあるのは最後にある現代美術のコーナー。素材を貼り付けた様な絵画とは思えない発想のものもあって、個人的にはここが一番面白かったです。

玄人向けの美術館

lyon-museum/営業時間

と言う訳で、リヨン美術館を巡ってみましたが、館内の雰囲気や所蔵数などは文句なし。話題性には欠けるものの、美術作品に特段の知識がある人であれば楽しめるかもしれません。

まぁここは完全に玄人向けの美術館ですね。日本語のオーディオガイドがあればもう少し素人でも楽しめるとは思いますが…対応を待ちたいところ!

Musée des Beaux Arts de Lyon

  • 開館時間:10:00~18:00(金曜日は10:30~)
  • 定休日:火曜日・祝日
  • ホームページはコチラ(日本語)