前回に続き、フランス・リヨンにあるミュージアムをレポートしたいと思いますが、今回ご紹介するのは「ガロ・ロマン文明博物館(Lugdunum Musée et théâtres romains)」。
ここは古代ローマ帝国時代の遺跡や文化を展示する博物館ですが、博物館の建物がなんと古代ローマ円形劇場の遺跡の中にあるというかなり珍しい博物館です。
目次
場所はフルヴィエールの丘の上
ガロ・ロマン文明博物館があるのは、リヨン市街の西側に聳えるフルヴィエールの丘の上。メトロのVieux Lyon駅からケーブルカーに乗って上って行きます。ケーブルカーの乗り方等についてはコチラを参照→リヨンの地下鉄&トラム/切符の買い方から乗り方、路線MAPまで詳しく!
ノートルダム大聖堂があるFourvièreが最寄駅。Minimes Théâtres Romains駅からも行けますが、こちらの場合は後述する下の階からのエントリーとなります。
駅から歩いて5分ほど、博物館の目印はこちらの案内板。道路からだと博物館の建物が見えないので、うっかり見落としてしまわない様に注意が必要です。
古代ローマ劇場の遺跡がある
このガロ・ロマン博物館ですが、凄いのは博物館の横にあるこの大きなローマ劇場の遺跡!この大きな遺跡は「フルヴィエール古代ローマ劇場 (Théâtres Romains de Fourvière)」と呼ばれていて、紀元前43年に建設されたものなんだとか。
このローマ劇場の中へは勝手に入る事が可能。近寄って見てみると、小さな石が無数に積み上げられた基礎の部分が確認出来ます。
この半円形の劇場は、リヨンの街創設にあたって一番最初に造られた建物だそうで、そういう意味でも歴史的価値はかなり高いと思います。
一方で中心部の方へ降りて行くと、比較的新しい人工的な石段が整備されています。恐らくステージ周辺は遺跡がまた発掘されていないか、若しくは形状が判らないほど壊れてしまっているのかもしれません。
また、この劇場は現在でも使われていて、夏季には野外フェスが行われる事もあるのそうなので、そういう理由でもステージだけはしっかり整備されているのでしょう。
劇場にしては大した広さではないですが、これでも1万人収容というから驚きです!
博物館の入口は2箇所
博物館のエントランスは2箇所あって、一つは先ほどの道路にあった案内板を目印に階段を少し降りた先にあるエントランス。Fourvière駅方面から歩いて来て、ローマ劇場の方へ入らずに向かいます。
もう1箇所は、ローマ劇場遺跡のステージの横から細い道を進んだ先、崖の斜面に埋もれる様にもう一つのエントランスがあります。
この博物館の建物自体も崖の埋もれる様に建っているので、外からだとかなり判り難いですが、これはローマ劇場遺跡の景観を損なわれない様にする為の配慮なんだとか。
館内はレベル1~5まであり、レセプションは5階。ローマ劇場側から入った場合は、中のエレベーターで5階まで上がります。入場料は€7。※価格は為替レート等により常に変化します。
オーディオガイドもあって、嬉しい事に日本語対応!借りる為にはパスポートのコピーを預ける必要があります。
5階にはレセプションの他、ギフトショップとクローク。クロークはロッカータイプで、利用する場合は係員に言って鍵を掛けてもらう必要があります。
展示エリアは3フロア
受付を済ませたら、螺旋階段を下って下の階へ!一つ下の階から展示エリアが始まりますが、エレベーターでも行く事が出来ます。
このガロ・ロマン文明博物館ですが、展示エリアはレベル4~2の3フロアあって、順路としては上の階から順に下がって行く形になります。館内は4,000平方メートルの広さがあるのだとか。
3フロアと言っても、この様にいろは坂の様なスロープによって一続きになっているので、各階の移動がとても楽ちん!フロアの境目も曖昧で、気づいたら下の階へ移動していたなんて事もしばしば。
ローマ遺跡の展示、最新設備も
さてこのガロ・ロマン文明博物館ですが、ローマ劇場跡と共にリヨンで出土した遺跡をベースに、当時の私生活や政治的・宗教的背景などがテーマごとに展示されています。
展示品としては文字の書かれた石盤が最も多く、次いで人物を象った石像がよく見られます。さぞ石好きにとってはたまらない空間かと。
隣にあるローマ劇場に関する詳しい解説もあります。かつては劇場前にこんな建物が建っていたんですね。
展示品の多くはオーディオガイドに対応し、中には映像と連携したものもあって、設備は充実しています。
見所は「モザイク画」
この博物館の見所として、各観光ガイド等でも紹介されているのが、こちらのキルクスのモザイク画「Mosaïque du cirque」。騎馬によるサーカスの様子を描いたもので、大きさはおよそ5m×3m。1806年に発見されたものだそうですが、その割りには保存状態が良くてビックリ!
同じ様な作品は他にもあって、こちらは縦の長さが10m近くにもなる大きなもの。このフロアの天井が拭きぬけになっているので、上から眺める事が出来ます。
その他、子供達が遊びながら学べるプレイスポットもあって、ローマ数字の磁石やモザイクアートのブロックなど、自由に触って動かす事が出来ます。ここだけは木の素材で統一されていて、子供達の肌に配慮しているのかもしれません。
なかなか見応えのある博物館
と言う訳で、古代ローマ遺跡と一体になったちょっと珍しい博物館「ガロ・ロマン文明博物館」をレポートしました!日本語ガイドがあって分かり易いですし、入場料も比較的安くて良心的。それでいてボリュームもあってなかなか見応えのある博物館だと思います。
ケーブルカーの駅前にあるノートルダム大聖堂とセットで訪れるのがおススメ!大聖堂についてはコチラ→リヨン「ノートルダム大聖堂」入場無料!フルヴィエールの丘にある美しい教会へ
Lugdunum Musée et théâtres romains
- 営業時間:11:00~18:00(土日は10:00~)
- 休館日:月曜日
- ホームページはコチラ