軍事関連施設や要塞を改装した博物館が多い事でも知られるロシア・ウラジオストク。今回は、潜水艦を改装した「S-56軍事歴史博物館」をレポートします!
これは太平洋戦争の頃に旧ソ連が製造し、実際に多くの対戦で使用されていたとされる潜水艦で、内部には魚雷の発車装置なども見られるのだとか。
※尚、潜水艦の名前を“C-56”と表記している所もありますが、これはシーでは無くキリル文字のエスです。当記事では、英語表記でS-56と記載します。
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長さ77mの潜水艦が博物館に
潜水艦S-56軍事歴史博物館の場所はコチラ。中央広場からほど近い、金角湾沿いにあります。
Skver Admiral’skiy公園の目の前に置かれた緑色の細長い潜水艦。公式HPの資料によると、全長77.8m、幅は6.43mあって、最大45名の乗組員が乗務できる様になっているとの事。
同型の潜水艦は1930年台から40年台にかけて幾つも製造されたそうですが、この博物館に使われているのは1936年にレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)にある造船所で製造されたものなんだとか。
エントランス、チケットは100RUB
博物館への入口は公園側にあります。潜水艦にはこの様なプレハブ小屋が2つ付いていて、向かって左側(潜水艦の後部)がエントランス、右側(船首の方)が出口です。
チケット価格は100RUB。カメラでの写真撮影は+50RUB、ビデオ撮影は+200RUB。中へ入ってすぐの所におばちゃんが居るので、ここで料金を支払います。
クレジットカード利用の可否は確認しませんでしたが、リーダーが見当たらなかったので恐らく不可…?
内部は7つのエリア
それでは早速潜水艦の中へ!初めのエリアは、ロシア潜水艦艦隊の創設から部隊の活動の歴史、また乗組員が受けた数々の表彰などが紹介されています。
この博物館は7つのエリアに分かれているそうですが、見学導線は一直線です。
資料によると、戦時中この潜水艦は主に北極圏での軍事任務に関与、14回もの勝利を収め、ソ連から数多くの表彰を受けたそうで、ここに展示された表彰の数々はその功績を称えたものなんだとか。敗戦国日本にとってはネガティブな太平洋戦争ですが、ロシアにとっては栄光の証でもあるのかもしれません。
続いてのエリアでは、この潜水艦に関する資料やモデルが展示。詳細なデータ等も書かれていますが、ロシア語のみなのでチンプンカンプン…。
後半がなかなか面白い!
軍事的な資料の展示ばかりで特に面白みの無い前半でしたが、途中から景色が一変!後半は潜水艦の中央制御室や乗組員の宿直室、指揮官の部屋などが保存・展示されていて、各エリアを繋ぐのはこの小さな穴。
これぞ潜水艦という感じがしますよね!この辺は冒険心をくすぐってGood!
穴から入って先へ進んで行くと、最初に中央制御室、その先に指揮官の部屋などがあります。本物の総縦桿やメーターの数々など、本物に触れられるのは嬉しい限り。
指揮官の部屋には入れませんが、ガラス越しから中が見える様になっています。指揮官と言えど、狭い潜水艦の中ではかなりせせこましい部屋。およそシベリア鉄道の1等車よりも狭いです。
そしてその先には、乗組員のベッドの部屋。こちらは2等寝台という感じがしますね。
潜水艦の先頭部分には、実際に使用されていたとされる魚雷の発射管がそのままの形で残されています。この緑の魚雷も本物…?おそらく火薬は取り除かれていると思いますが、なかなか重厚でリアルです!
団体客が居ない時に入るべし!
と言う訳で、リアルな潜水艦の内部が見られるS-56軍事歴史博物館ですが、館内が狭いだけに、少しでも人が増えるとたちまち身動きが取れなくなってしまいます。口コミによると、たまに団体観光客が押し寄せる事もあるそうなので、入館の際はタイミングを見計らって入る事をおススメします!
潜水艦S-56軍事歴史博物館
- 住所:Корабельная наб., Владивосток, Приморский край, 690091
- 営業時間:9:00~20:00
- ホームページはコチラ
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