元日といえば、クラシック音楽業界の一大イベント「ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート」が開演、そしてそれが衛星生中継されますね。今回は、ニューイヤーコンサートのチケット手配や価格等についてお伝えして行きたいと思います。
入手困難なチケット
あの花に囲まれたステージを臨み、拍手喝采に沸く会場にいつか身を置きたいと、放送を観るたびに毎年思っています。しかしチケット手配は困難を極める事はご承知の通り。コンサート鑑賞を確約したツアーでは、旅行代金が100万円を超える事も常で、流石に手が出ません。
ニューイヤーコンサート前日の「イヴ・コンサート」、更には2日前の「シルベスター・コンサート」を鑑賞するツアーですら、通常では考えられない程高額なものとなっています。
チケットを個人手配するにしても、代理店手配であれば高い確率で「確約」チケットが手に入りますが、価格は定価の数倍。立ち見でも3万円、椅子のある席の最低額でも20万円という所もある様です。
裕福な貴族達はそれでも全然構わないかと思いますが、一般庶民の私としては、なんとか定価チケットを手に入れる事は出来ないかと、いつも思い悩んでいます。
“定価”との差に唖然!!
今度の1月2日から抽選申し込みが始まる、来年1月1日ニューイヤーコンサートの鑑賞チケット価格が、ウィーンフィルのHPに掲載されています。※この価格は2017年当時のものです。現在は更に値上がりしています。
それでも通常のコンサートに比べ3~5倍と高価なものですが、この価格ならば手が届くという方も多いのではないでしょうか。この“定価”チケットが毎年抽選販売されていて、私はこれまで3回トライしましたが、「イヴ」や「シルベスター」も含めて掠りもしませんでした。
当選倍率は、その筋の話によると数十倍だとか、あるいは数百倍だとか…。しかもこの当落が本当に“運”によるものなのか、それすら定かではありません。オークションなどでの転売も考えられますから、いかに多くの申込者がいることが窺い知れます。きっと、毎年多くの人達が肩を落としている事でしょう。
チケットの現地手配は可能か?
10月にワルシャワで行われたショパン国際ピアノコンクールでは、各社ツアー料金が50万円にもなる等、プラチナチケット化していたにも関わらず、実際現地に行って見ると“当日券”であっさり鑑賞する事が出来、何だか拍子抜けしてしまった経験がありました。例えばJALの特典航空券がそうである様に、どんなにプラチナチケットであっても、それを入手した人がスケジュールの都合等で後々チケットを手放す場合は十分に考えられる為、公演直前には何らかの形でチケットが残っている可能性は十分考えられるでしょう。また、とあるブログによると、年末にチケットを持たずにウィーン入りし、現地の“売り子”からニューイヤーコンサートのチケットを購入出来たとの事です。
私が以前ウィーンへ訪れた際にも、街中にはモーツァルトを模した赤い衣服を身に着けた男性がうろついていて、彼らは周辺の会場で行われるコンサートのチケット(主に当日券)を販売する“売り子”で、私も彼らから「Kursalon」でのコンサートチケットを購入した事があります。
これがダフ屋行為なのか否か、あちらのお国事情は知る由もありませんが、少なくとも料金をふっかけられる事は無く、Webで事前に購入する金額と同額、または少し安い価格で購入する事が出来ました。勿論、楽友協会ホールや国立オペラ座など主要ホールでのチケットは扱っていない様でしたが、このブログの情報が真実だとすると、“売り子”の中にはニューイヤーコンサートの様なプラチナチケットを扱う者も存在するのかもしれません。
「確約」料金は高くつく
結局「ショパンコンクール」がそうであった様に、「事前確約」を売りにした旅行業界の戦略によって価格が高騰しているだけの事なのかもしれませんね。代理店手配では、立ち見席ですら€250というとんでもない金額が表示されていましたから、それならばチケットを持たずにウィーン入りしておこぼれに預かる方法を選ぶ方が利口ではないでしょうか。今や何事においても“希少性ビジネス”が絡んでくる時代ですから、物の価値をきちんと見極めた上で、行動を開始したいですね。
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