かねてから導入が予定されていたJALの新機材「E190」について、遂にその就航路線が決定しましたね。先週発表されたプレスリリースによると、大阪「伊丹」から「鹿児島」や「仙台」などの路線へ導入される様ですから、関東在住の私は残念ながら乗る機会は殆ど無さそうです。
しかし、今回新たに投入されるE190の座席配置を見ると、これまでJALの小型機には無かった「クラスJ」が設置されており、しかも2+1という座席配列である事から、クラスJでは大変珍しい“一人がけシート”が誕生する事になります。
JAL「新E190」の座席図
JALのクラスJシートは、普通席と比べると格段に広いものの、肘掛にある「カクテルテーブル」が隣席と共有である事に加え、明確な仕切りが無い為、隣人への気遣いが少なからず必要となってしまいます。
少し前までは、上級ステータス保持者への「隣席ブロック」サービスもあった様ですが、機材縮小が進む昨今、加えてFly on会員に向けた「クラスJクーポン」の大盤振る舞いもあって、クラスJはどの便を見ても満員御礼となっている様ですから、1人で利用する事の多い方にとって“快適”を手に入れるのにはなかなか苦労する事と思います。
今回の様な一人がけシートは、その様な気遣いは皆無ですし、真の快適さが保障される「上級クラスシート」と言えるでしょう。1便につき5席しかありませんから、争奪戦必至ですね。
特別仕様のエアカナダとUSエアウェイズ
ところで、他の航空会社の「E190」について、その上級クラスシートがどの様な仕様になっているのか、見てみたいと思います。
先ずはエアカナダ。前方3列が「ビジネスクラス」となっており、一人がけの独立シートも確認出来ます。
座席幅はJALのクラスJと同程度の様ですが、前後のシートピッチは広そうですね。エコノミークラスとの間に明確な敷居があって、エリアが明確に区切られています。
続いてはUSエアウェイズ。こちらは4列ですが、独立シートは3列に留まっています。日本とは違い、広いアメリカ大陸を運行するだけあって、両社とも長距離路線と遜色無いサービスを意識しているのかもしれませんね。
普通席と同様のフィンランド航空
私が昨年搭乗した「ヘルシンキ→ワルシャワ」もE190での運行でしたが、ビジネスクラスと言えども普通席と全く変わらずの2+2でした(詳細は【Finnairビジネスクラス搭乗記】に記載しています)。「ボーイング737」の様な3+3の機材では、その中央席が自動的に空けられる形が取られますが、2+2のE190ではそれが敵わず、混雑時には容赦なく隣席に人が座ります。
これはビジネスクラス利用客の数に応じたクラス分けの境目を柔軟に対応させる為で、機内前方の4~6列目辺りの座席はエコノミークラスにもビジネスクラスにも対応させる様になっている事から、両クラスの異差をつけない為にエコノミークラスシートに統一しているのです。
E190のFinnairビジネスクラスは、座席が貧相にも関わらず運賃はそれこそ一桁違うほど高額になりますから、有償でビジネスクラスに乗る“個人客”はまず存在しないでしょう。その他、幾つかの航空会社を見てみましたが、やはり小型のE190は国内線仕様である場合が多く、全席エコノミークラスでの運用がスタンダードとなっている様です。
今回JALが新たにE190を宛がう「伊丹⇔福岡」や「伊丹⇔鹿児島」は、同区間を並走する山陽新幹線がグリーン車並の座席幅を誇る「2+2」の普通指定席を提供している事から、「飛行機」と「新幹線」の競合が激しいことで有名です。この「クラスJ独立シート」が新たなるシェアを獲得するに至るのか、注目していきたいと思います。
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