2020年3月から開始される羽田空港発着枠の拡大に伴い、昨日JALとANAが羽田空港の増便を伴う路線計画(2020年3月末~)を発表しました。
羽田空港が便利になる一方、成田空港は大幅な減便となる中、JALは全ての大型機材(B777-300er)の路線が羽田へ移管される事になり、結果的に成田空港からファーストクラスが消滅してしまう見込みです…。
目次
羽田空港の発着枠拡大で大幅減の成田空港
JALのプレスリリースによると、羽田空港の発着枠拡大によって新設される羽田空港発着路線は次のとおり。
- 羽田⇔シカゴ(JL010/JL009)
- 羽田⇔ダラス(JL012/JL011)
- 羽田⇔ニューヨーク(JL004/JL003)
- 羽田⇔L.A.(JL016/JL015)
- 羽田⇔ホノルル(JL074/JL073)
- 羽田⇔ホノルル(JL072/JL071)
- 羽田⇔ヘルシンキ(JL047/JL048)
- 羽田⇔モスクワSVO(JL049/JL040)
- 羽田⇔シドニー(JL051/JL052)
- 羽田⇔デリー(JL039/JL030)
- 羽田⇔大連
- 羽田⇔上海(浦東)
この内、アメリカのL.A.および中国路線を除く9路線が成田空港からの移管となり、現在の同成田発着便は全て運休。既に成田から羽田へ移管されたロンドンやパリ等に加え、ニューヨークやシカゴ、シドニー等、欧米系の主要路線が成田空港から全て消滅する形となってしまいました!
せめてニューヨークくらいは成田に残すかなと思っていたのですが、まさか羽田をダブルデイリーにするとは…。
成田空港からファーストクラスが消滅!
今回の羽田発着への移管によって、最も残念なのが成田空港からJALファーストクラスが消滅する事。
JALの国際線ファーストクラスは、現在B777-300erにのみ設置されているので、ニューヨークやシカゴなどが全て羽田へ移管されれば、自ずと成田空港発着路線からファーストクラスが消えてしまう事になります。
既にヨーロッパ路線からは数年前に無くなってしまいましたが、来年3月からはアメリカ路線のファーストクラスも全て消滅。願わくば、季節運行されているホノルル行きのB777-300erが成田発着になれば良いなと思っているのですが、まぁ今の状況では100歩譲っても羽田でしょう。
ファースト・チェックインカウンターはどうなる?
成田空港からファーストクラスが消滅するとなると、気になるのが成田空港のファーストクラス・チェックインカウンターの存在。
成田空港第2ターミナルのLカウンターに設置されたJALのファースト・チェックインは、大きな赤絨毯が敷かれた特別なカウンターなのですが、ファーストクラスの便が無くなるとなると、その存在意義が揺らいでしまわないか心配です。(参考→成田空港【JALファーストチェックイン】体験レポート!赤絨毯でVIP気分を味わう)
それでなくても既に成田空港のチェックインカウンターは、午前中~昼を中心にガラガラ。エコノミークラスであっても殆ど並ぶ事は無い状況の中、今の状態が維持されるとは到底思えないですよね。
稼動するカウンター数の削減は避けられない状況ですが、殆ど使われる事の無いファーストチェックインは、真っ先に削減の対象になってしまわないか心配です。
ファーストクラスラウンジはどうなる?
成田空港には現在2つのJALファーストクラスラウンジが存在しますが、利用者の大幅な減少によってこの2つのラウンジの処遇が気になる所。
ただ、2019年に入ってからサテライト側のラウンジの営業時間が短縮された事や、また本館のラウンジは同年のリニューアルによって従来のビュッフェをオーダー式の提供に変更して廃棄ロスを減らすなど、利用者減に向けた取り組みは既に始まっているものと仮定すると、取り合えずは今のまま維持されるのではないかと類推します。(参考→リニューアル工事完了!JAL成田空港【4F】ファーストクラスラウンジ)
まぁ昨今の利用者増によってラウンジはどこも混雑していますから、それが緩和されるなら良い事ですが…。
羽田空港はあらゆる設備が貧弱!
そんな成田空港を尻目に大増便となる羽田空港。利用者の急増によってチェックインカウンターや保安検査場は今以上に混み合うでしょうし、ラウンジの混雑も計り知れず。
特に羽田空港の国際線はチェックインカウンターが貧弱で、ファーストクラスであっても成田の様な特別感は無いですし、またビジネスクラスであっても保安検査場の優先レーンが使えないという駄目仕様。
恐らく上級クラスへの扱いの悪さは、先進各国の空港の中でも指折りのワースト空港なのでは無いかと思っています。
また都心にある羽田空港は、鉄道や車でのアクセスに混雑や渋滞の懸念がある事も事実。午前11時発のロンドンやニューヨーク行きに乗る為に2時間前の9時に空港着となると、朝の通勤ラッシュ直撃は免れません。
国は「アジアにおける競争力の強化」とか言っておきながら、肝心なインフラ整備は後回しという体たらく。公用車でしか移動しない自分達さえ楽になればそれで良いのでしょうか?
ANAのファーストクラスは…
尚、ANAはと言うと、羽田の発着枠はJALより多いものの、今年話題になったA380のホノルル行きを初め、成田空港からのファーストクラス消滅は避けられた模様。
第1ターミナルにあるZカウンターなどのVIP導線は、今後も安泰と見て間違い無いでしょう。
とは言え、大型機材の大半は羽田へ移ってしまう事も事実。この特別なチェックインカウンターを使う為に、わざわざ成田空港出発便を選ぶ人も居るそうですが、今後はその機会もかなり減ってしまいそうです。
これを超えるVIP導線が羽田空港に設置されれば話は別ですが、あの狭い出発ロビーにその様なスペースは残されているのか…?その動向が注目されますね。