羽田空港アクセスは本当に便利?鉄道混雑が招く懸念材料とは?

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昨日2月16日から本日にかけて、羽田空港のアメリカ路線“発着枠”についての協議が行われている様です。日米両国間の主張が食い違う中、今月初旬の予定が延期された経緯もあって、早々に決着が着く様見守っています。

しかしながら、協議の結果によって羽田空港の利便性が向上し、日本経済活性化へ寄与する事については何の異論もありませんが、我々の様な一般旅行者にしてみれば、必ずしも歓迎できるものでは無いという方も多いと思います。

これまでも、羽田空港国際線の新規路線が就航する際には、羽田空港に新設されるのではなくて、成田空港から“移管”という形が採られて来ました。羽田の利便性の恩恵を受ける人が多数存在する中、空港アクセスに特化した成田空港から路線が減少する事は、避けて欲しいと思う方もいらっしゃるでしょう。

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普段からあまり空港利用をしない人の中には、世間の風儀に流されて「羽田は近くて便利」と単に呟いているだけの人もいるのではないでしょうか?空港利用の利便性については、単純に“近いor遠い”というだけのものではなく、いかに快適に利用できるかという点も重要ですし、それが大型スーツケースを抱えての移動であるという事も加味する必要があると思います。

羽田発着路線は鉄道ラッシュ時間帯に直撃

既に羽田空港へ割り当てられている発着枠のうち、ロンドン、パリ、シンガポール等主要路線は、大方午前11時頃に日本を出発します。多くの人が羽田空港に到着するのは、国際線の空港到着目安となる出発2時間(午前9時頃)ですが、この時間帯は朝の通勤ラッシュ真っ只中です。また日本へ帰国の際にも、これら主要路線は羽田に夕方に到着しますから、空港から自宅へ帰る時にも帰宅ラッシュ時間帯となり、往復とも鉄道や駅が混雑する時間帯に大型スーツケースを引いて東京モノレールや京急に乗る必要があるのです。

首都圏の鉄道ラッシュは言わずもがな、大きなリスクを伴う訳で、それがチェックイン時刻の迫った国際線への搭乗前というのは、出来るだけ避けたいというのが本望です。

通勤ラッシュ時は鉄道の所要時間が倍増

“羽田アクセス”を謳っている京急ですが、「快特」が走るのはほぼデータイムのみ、朝夕は「急行」で品川から倍近く時間がかかる上、各駅停車となる空港線内からの通勤通学ラッシュに直撃します。勿論、ノーマルな通勤型車両に荷物置き場なんてありません。

京急時刻表

荷物置き場のあるモノレールは、車両こそ空港アクセスに適していると言えなくもないですが、狭くて混雑する浜松町駅の苦痛な乗り換えが待っており、またこちらも朝ラッシュは各駅停車のみの為、浜松町と空港との所要時間は25分程度かかっています。

乗り換え時間を含めると、東京駅まで40分ほどかかる計算になりますから、東京駅から成田空港まで52分で結ぶ「成田エクスプレス」の存在を考えると、羽田空港の利便性における“早い”は圧倒的なメリットでは無くなります。

旅行客と通勤客の混在が招くリスク

朝や夕方のラッシュピーク時間帯、ただでさえイライラしている通勤客の中に大型スーツケースを引きずって持ち込む事は、口論等のトラブルの元となる可能性がある事は言うまでもありませんね。人が集中する都心エリアにおいて、通勤客等の常用者と旅行客の住み分けが出来ていないのは、大きな問題です。

バスは渋滞リスクが付きまといますから、時間に比較的正確な鉄道利用を贔屓にしている方は多いと思います。そういったインフラ整備がままならないのに、路線ばかりが先行して移行するのは、如何なものかと思います。

羽田国際化の恩恵は側近地域のみ

1年以上前になりますが、西島秀俊さんが出演されているANA国際線のCM「羽田からスミマセン タクシー篇」を覚えていらっしゃいますか?パリへ行くのに羽田空港がいかに近くて便利か、という事を伝えていますが、このCMが示している様に、正に「タクシーで」という事なのでしょう。

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結局はハイヤーで乗り付ける城南の富裕層、そして社用車で乗り付ける都心の大企業の重役のみが得をするだけで、鉄道やバスで空港に向かう大多数の一般利用者にとって、羽田は必ずしも便利な空港ではないという事です。

羽田空港の再国際化から早5年経ちますが、その利便性の恩恵に与るのは一部の層、そして一部の地域のみの様な気がします。

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アメリカ路線の羽田発着枠が確定すると、JALやANAのニューヨーク線などが羽田空港発着へと移管される思われます。羽田の利便性向上と経済の活性化については歓迎したい所ですが、一般旅行者や都心への通勤客への配慮を、もう少し考えて頂きたいものです。


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