ロシアと言えばバレエ!という事で、今回はモスクワにある「ダンチェンコ劇場」でバレエ公演の鑑賞レポート!ボリショイ劇場の影に隠れてあまり耳慣れない劇場ですが、有名なバレエ作品が手ごろな価格で観られるとあって、公演は満員御礼!
チケット購入方法や客席、ホワイエにあるBarのメニューなど、詳しくレポートしていきたいと思います。
目次
ボリショイ劇場のすぐ近く
ダンチェンコ劇場があるのは、ロシア・モスクワの中心部に近いこちらの場所。Bolshaya Dmitrovka通り沿いにあって、有名なボリショイ劇場とはすぐ目と鼻の先です。
正式には「Stanislavsky and Nemirovich-Danchenko Moscow Music Theatre」という名前で、これは“コンスタンティン・スタニスラフスキー”および“ウラジミール・ネミロヴィチ・ダンチェンコ”という2つの会社が合併して設立された劇場である事を意味するそうです。
設立は1941年との事ですが、劇場自体はそれ以前からあった模様。
簡単なセキュリティチェックを受けて中へ入ると、やたら柱の多い殺風景なロビーがあって、奥へ進むと大きなクロークがあります。
ここにはプログラムを持った係員が居たので1つ購入、価格は300RUB。なにしろこの係員は英語が全く話せない様で、初め「1プログラム・プリーズ」と言っても全く通じなかったので焦りました…。お金を見せてプログラムを指差したらやっと理解してくれた様ですが、ほんとロシアでは英語が通じない所が多いですね。
美術館の様なホワイエ
メインのホワイエ、および客席は上階にあるので、“Auditorium”の表示に従ってクロークの袖にある階段を上がって行きます。赤絨毯や煌びやかな装飾は無いですが、大きな鏡を備えた立派な造り!
上階のホワイエは、青と白を基調としたインテリア。こちらも華やかさは無いですが、ロシアらしい洗練された空間です。
このホワイエは幾つもの部屋が続いて、至る所にバレエ関連の写真や絵画の展示があります。写真は歴代のバレエ公演を撮った作品ばかり。
写真の他、バレエをテーマにしたと思われる絵画の展示もあります。何れも20世紀後半の作品ですが、本家ギャラリーも顔負けの豊富な種類にはビックリです!
広い社交場に展示品
また、ホワイエの中央部にはガラス張りの天井の広くて明るいエリアがあって、ここには過去の公演で使用されたとされる舞台用品が展示されています。
ここにはBarやカクテルテーブルが置かれていてメインの社交場となっている様ですが、何故かここだけは冷房が効いていないので暑い…。
Barのメニューをチェック!
Barは休憩時間中だけでなく、開演前からオープンしています。折角なのでワインを注文してみましたが、全くと言って良いほど英語が通じなかったので焦った…。
メニューをチェックしてみると、ドリンクはアルコールが中心で、ワインはスパークリングも含めて500~600RUB、他にウィスキーやブランデーもあります。このメニュー表には英語が併記されているので、これを指差して注文。
シャルドネの白(500RUB)を注文してみましたが、味が死んだ様に引き立って来ない超安物のテイスト!後で調べたら、この「Takun Chardonnay」という銘柄は日本でもボトルがワンコイン程度で買えるほどの超激安ワインでした…。
グラス1杯で800円も取るなら、もうちょっとマシなボトルを入れてもらいたいものです…。
青を基調とした客席
さぁそれではいよいよ客席の方へ!客席の開場はとても遅く、開演時刻の15分前を切ってから漸く入場開始となりました。
客席の講堂は、ホワイエと同じ青と白を基調とした色合い。それほど大規模な劇場ではなく、キャパシティは1000弱と言ったところ。
バレエやオペラの劇場と言えば、平土間を囲う様にして聳え立つバルコニー席があって然るものですが、この劇場は通常のコンサートホールの様に扇形の2階席があるだけの構造です。
シャンデリアも控えめなデザインですが、宝石をギュっと押し固めた様なハイセンスなデザインはなかなか良いものですね。ゴージャス感は無いですが、ステージのショーに集中するには最適な環境なのかもしれません。
ちょっと座り難いシート
今回の私の席は、1階平土間の前から11列目。2ndカテゴリーで、チケット価格は3,000RUBでした。チケット発売日に押さえた事もあり、中央の通路側で眺望も音響も文句ナシの優良席!
座席幅は手元で計ったところ47cmくらいあって余裕がありますが、椅子の建て付けが悪いのか、座っているだけで常に揺れるので落ち着きません…。肘掛も異様に高くて、あまり座り心地は良く無いかも…。
また、前後の席が左右にずれていないので、前に大柄な人が座ると頭が邪魔でステージが見えなくなります。幸い今回は小柄な女性だったので助かりましたが、ロシアの劇場はこういう仕様の所が多いです。
ヒロイン役のダンサーが凄かった!
さてさて、今回の演目は20世紀フランスのバレエ「Manon」。小説“マノンレスコー”を題材にした作品です。
演技性の高い振り付けでも知られるこの作品、本場ロシアのバレエ団がどの様な演技をするのか注目して見ていましたが、ダンサーのレベルとしては割りとフツーな感じで、特に目立った感動は無し。
しかしただ一人、ヒロイン:マノン役のダンサーに限っては、そのずば抜けた演技力に脱帽!足のつま先から手の指先まで寸分の狂いも無く計算されつくされた動き、そして幅広い表現力。彼女の仕草を見るだけで恋をしてしまいそうな、そんな素晴らしい演技でした!恐らく私がこれまで見て来た世界中のバレエダンサー中でもピカイチの上手さ!流石は本場ロシア、こういうさりげない所に真の実力者が居るものなんですね。
ただ、音楽の演奏に関してはイマイチ…。弦楽器はユニゾンが合っていないですし、音響バランスもいまひとつ。特に弦楽器は弦を擦るノイズ音が際立って聞こえてくるのですが、これはホールの音響のせいでもあるのだろうか…?
チケット購入は公式HPから
尚、今回訪れたダンチェンコ劇場の公演チケットは、公式HPから購入しました。英語切替対応で買い方はとても簡単!シートマップから座席の指定も可能です。
名前とEメールアドレスを記入し、クレジットカードで決済すれば完了。あとは発行されるバーコード付きEチケットを印刷して当日持参すればOKです!
公演のシーズンは9月~翌年6月。概ね公演の3ヶ月前からチケットが発売されます。
ボリショイ劇場の様な華やかさは無いですが、チケット料金は断然こちらの方が割安!「胡桃」や「ドンキ」など有名な作品も上演されているので、モスクワで手軽にバレエを観るには良い所だと思います。
今回の様な素晴らしいソリストの演技に出会えるかも?モスクワを訪れる方は、是非チェックしてみて下さい!
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