ロンドン滞在中に訪れたのが「London Coliseum」。“コロシアム”と聞くとイタリアの円形競技場を思い起こしますが、これはれっきとしたオペラ劇場です。1904年創業の歴史あるオペラ座で、現在はイングリッシュナショナルオペラ(English National Opera)の本拠地として日夜公演が行われています。
ロイヤルオペラハウスよりもチケットが安く、手軽に鑑賞できるのが嬉しいところ!今回はこの劇場でガーシュウィンの「ポーギーとベス」を鑑賞、英語の国で観る英語の作品はなかなかハイクオリティでおススメです!
目次
ロイヤルオペラハウスのすぐ近く
ロンドン・コロシアムの場所はコチラ。この辺りは様々な劇場や映画館などが集まる場所で、すぐ近くにロイヤルオペラハウスもあります。最寄駅はCharing Cross(徒歩5分)。
一方通行の狭い道路に面している上、密集した建物の中に埋もれる様に建っているので、オペラ座としての外観がなかなか判り難いですが、灯台の様な形をした塔があって、その天辺に“COLISEUM”の文字が確認できます。
エントランスは、建物の中央付近。夜という事もあって建物の一部分がイルミネーションの様にライトアップされてますが、なんかちょっとセンス悪いですよね…。格式高いオペラ座からは、掛け離れた感じがします。
エントランスとクローク、服装はかなりラフ?
中へ入ると、まず最初に簡単な手荷物検査があり、そこを抜けるとエントランスロビー。チケットを取り扱うボックスオフィスもこの中にあります。
リュックやコート等は地下のクロークへ。料金は無料ですが、任意でチップを置く皿が置かれていたので、一応1ポンド入れておきました。
ロンドンのオペラ座という事で今回は少しキッチリ目の格好をして来ましたが、周りの客を見ていると正装率はかなり低め。ただ我々日本人が考えるラフな格好とは異なるので、一応ジャケットは着ておいて正解だったかもしれません。
ホワイエとBarのメニューをチェック!
エントランスロビーを抜けると、Barを備えたホワイエがあります。ロイヤルオペラハウスの様な広大な社交場とは程遠く、かなりせせこましい広間…。上階にもBarはありますが、どちらも休憩時間中は人でごった返していました!
Barのメニューをチェックしてみると、シャンパンはグラス1杯£13.5、プロセッコのスパークリングが£9、赤・白・ロゼの各ワインは£6~で、ビールは350mlが£5.5。※価格は為替レート等により常に変化します。
価格はロイヤルオペラハウスと遜色無いですが、種類は圧倒的に少ないです(メニューのPDFはコチラ)。
軽食メニューはサンドイッチとスナックが少しずつ。また“Picnic Boxes”という複数のメニューがセットになったメニューもあって、こちらは£20。HPに掲載されていた写真を見てみると、木で出来た立派な重箱に入って提供される様です。
その他、上階のBarへ行ってみたら様々なナッツやビーンズがパック詰めで売られていて、価格は£2~£3.5。尚、チェイサーの水は無料で飲む事が出来ます。
ロンドンで最大級の客席
それではいよいよ客席の方へ!このロンドン・コロシアムは、平土間+3層のバルコニーを持つ構造。見た感じはかなり手狭な劇場に見えますが、キャパシティはなんと2359!ロンドンでも最大級を誇る劇場なんだとか。
ステージに対してやや横に長い馬蹄形の形をした講堂は、確かにこうして見るとかなり大きなオペラ座です。平土間の客席は2つの通路を持つ広大なもので、ステージの幅はおよそ24m。オーケストラピットも余裕のある広さです。
ロイヤルオペラハウスと比べると、金縁の装飾などの煌びやかさは限定的ですが、各所に飾られた盾や銅像、大理石の重厚な柱など、なかなか豪華な内装でGood!
天井は、円形の模様の中央に小さなドーム屋根が付いたデザイン。落ち着いた色合いで、こちらもなかなかステキですね!
シートMAPと客席、格安の最上階は…?
ロンドン・コロシアムのシートMAPはコチラ。こうして見てみると、かなり壮大な客席です!横列は最大42席を誇る広大な平土間(Stalls)はもとい、上階の各階も凄い席数があって驚きます。
今回の私の席は、最上階のバルコニー(Balcony)の最前列。このエリアはかなりの急斜面ですが、これでも5階層や6階層もあるオペラ座と比べたら、大分緩やかでマシです。
ステージの眺望もなかなか良く、最上階ながらステージまでの距離がそれほど遠くないのも良いところ!チケット価格もかなり安く、私が選んだ最前列の中央でも£20で買う事が出来ました!
その代わり座席の足元は狭く、また座面の奥行きが極端に短いので、30分も座っていると疲れます。しかもコンサート会場としては珍しく折りたたみ式の席では無い為、席の前に人を通す際に苦労します。
また、最前列の前にはこの様なバーがあるので、視界が若干遮られます。まぁこういう所が安い席の理由の一つなのだと思いますが、ステージを見渡すのに殆ど気にならない程度ですし、平土間で前の席に大柄の人が座るよりかは断然良いと思います。
英語の国で観る英語のオペラ
さて、今回の演目はG.ガーシュウィンの「Porgy and Bess(ポーギーとベス)」。アフリカ系アメリカ人の生活を描いたミュージカル風オペラで、ガーシュウィン晩年の作品のひとつです。
3幕でおよそ3時間ありますが、はじめ1幕・2幕を2時間近くかけてぶっ通しでやるので、観ている方も大変…。
ただ、内容の方はなかなかのハイレベル!アメリカ人の作品という事もあって、英語を母国語にしたキャストの役作りは完璧ですし、黒人歌手の歌声やリズム感も見事!JAZZイディオムを織り込んだガーシュウィン特有の音階やリズムが余す事なく表現されています。これぞ英語の国で観る英語の作品のクオリティ!元々この劇場は英語での上演に特化しているそうで、例えイタリア語のオペラであっても英語に翻訳されて行われるとの事。
因みに、このプログラムはロビーで販売されていて、価格は£6。そこまで立派な冊子ではありませんが、まぁこんなもんでしょう。
チケットはHPから購入
尚、今回の公演チケットは、イングリッシュ・ナショナルオペラのHPで購入しました。トップページのCalendarから任意の日付と公演を選択。
座席指定も出来ますし、簡単な会員登録の後クレジットカードで決済すればバーコード付きのEチケットが発行されるので、実券への引き換えも不要です。
当日券を求める場合は、エントランスロビーにあるボックスオフィスへ。ただ、今回も大して人気でもない公演にも関わらず空席率はかなり低かったので、少しでも良い席で観たい場合はなるべく当日購入は避けた方が無難です。
以上、ロンドンのオペラ劇場「ロンドン・コロシアム」の鑑賞レポートでした!ロイヤルオペラハウスについてはコチラ→ROYAL OPERA HOUSEでバレエ公演≪The Winter’s Tale-冬物語≫を鑑賞
その他、ロンドンの観光スポットに関してはイギリス・ロンドンの旅行ガイドと“一人旅”体験レポート!も併せてご覧下さい。
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