ウィーンフィルを“ステージ上”の席で聴く!ウィーン楽友協会ホール公演レポート!

1月1日と言えば、毎年恒例ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートが行われますが、毎年TVの中継を見ていて気になっていたのが、ステージ上の座席。演奏者のすぐ脇に座るこの席ですが、ここからの眺望や音響はどの様なものなのか?

ちょうど昨年夏に訪れたウィーン楽友協会では、このステージ上の席でウィーンフィルを鑑賞する事が出来たので、今回はそれについてレポートしていきたいと思います!

チケット入手困難?ウィーンフィル定期公演

1月1日のニューイヤーコンサートの会場にもなっているウィーン楽友協会。ここを本拠地とするウィーンフィルハーモニー管弦楽団は、年間40回ほどこのホールで公演を行っています。

musikverein/ウィーンフィル

私がこの時訪れたのは、昨シーズンの第10回定期公演。ウィーンフィルの定期公演は、年間シーズン(9月~翌年6月)で計10公演あって、それぞれ土日のマチネに加え、木曜か金曜にソワレ公演が行われる事もあります。

ウィーンフィルのチケット

楽友協会の公演チケットは基本的に公式HPから買えますが、このウィーンフィル定期公演に限っては、別途特別な会員にならないと買う事はできません。ただ、公演に行けなくなった会員のキャンセルチケットがエージェント市場に出回るので、定価の2倍近い価格を支払えば、大概は手に入ります。

昨日お伝えした、ウィーン楽友協会大ホールのウィーンフィル定期演奏会。今回は、そのチケット入手方法についてお伝えしよう...

私はこれまで何度かトライしましたが、何れも問題なくチケットをGet!お勧めは、日本語対応で手数料も安い「Oteloチケットサービス」です。詳しくは、上記の記事をご覧下さい。

エントランスとホワイエ

musikverein/エントランスロビー

正面入口から入るとエントランスホール。この楽友協会には大ホール(Großer Saal)以外にも様々なホールがあって、ここから各ホールへアクセスできる様になっています。

musikverein/エントランスロビーの天井

壁や床は地味ですが、上を見上げると黄金のアーチが美しい!この楽友協会の竣工は1870年、Theophil van Hansen(1813-1891)というデンマーク出身の建築家による設計です。

musikverein/ホワイエへの階段

赤絨毯の敷かれた階段を上がってホワイエへ。ホワイエにはBarがありますが、国立オペラ座の様な広さは無く、休憩時間には紳士淑女で鮨詰め状態に!

舞台袖からステージ上の席へ

musikverein/大ホール

さぁそして、こちらが公演が行われる大ホール「Großer Saal」。いつ見ても見応えありますね!ニューイヤーコンサートの時みたいに花で飾られていませんが、黄金の輝きは健在。

この大ホールの客席や眺望については、コチラの記事をご覧下さい→ウィーン楽友協会/バレンボイム&アルゲリッチ鑑賞記!黄金のホールを詳しくレポート!

musikverein-seatmap

今回の私の席は、一般の席とは異なるこのエリア。ここはステージ上に設けられた座席です。演奏者に近い位置でありながらチケットカテゴリーはかなり低く、1stカテゴリーと比べるとおよそ半額!

musikverein/舞台袖

このステージ上の席へ行くには、舞台袖から回って行く必要があります。ここは舞台の上手にあたる所で、客が本当にこんな所へ入って行って良いのかちょっと不安…。

musikverein/ステージ上の席

そんなステージ上の席からの眺望がこちら!手の届きそうな所に演奏者が居て、遠目に楽譜まで見えてしまう程です。ステージ上に居るので粗相は出来ませんが(笑)、思ったほど観客の視線は気になりませんでした。

ステージ上の席の音響は…?

今回の演目は、ニューイヤーの指揮でもお馴染みマリス・ヤンソンス氏による指揮で、バルトークの「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」およびチャイコフスキーの「悲愴」。

wiener-philharmoniker/プログラム

今回はこの悲愴が聴きたくてこの公演を選んだ次第ですが、バルトークも聴いてみると意外に良いもので、不協和音に気持ち悪さを感じながらも、二楽章以降はリズムも入って比較的聴きやすい作品です。

musikverein/ウィーンフィル定期演奏会

音の聴こえ方ですが、意外にも弦楽器はバランス良く聴こえてきますし、流石に一番近い所にあるチェロの音は目立って聴こえますが、上声部との調和もしかり。

ただし、金管楽器が入ってくると状況は一変!特に奥にあるファーストVnの音が聴こえにくくなり、トゥッティのフォルテになるとほとんど聴こえなくなってしまいます。

wiener-philharmoniker/ホルン奏者

ベルの向きが向こう側を向いているホルンであっても、特に繊細なチャイコフスキーにおいては中音域と溶け込む事なく、4声体の和音が独立して聴こえてしまうのは否めないところ…。

金管楽器の無いバルトークは聴こえが良かったですが、チャイコフスキーはちょっと残念…。でも世界一美しいチェロの旋律(特に2楽章冒頭)が間近で聴けたのは良かった!

面白い体験ができるステージ席

そんなステージ上の席ですが、楽器の音がステージの床を伝って体にまで響き渡るので、特にfでリズミカルな場面では面白い体験が出来ます!残響を重視した繊細な曲を聴くには向きませんが、バルトークの様な打楽器的発想の作品ならばアリかも?

musikverein/ステージの下手

尚、ニューイヤーコンサートではステージの両サイドに席が設けられますが、今回は片方(上手側)のみ。編成上の都合もあるので、毎回この席があるとは限りませんので、狙って座る場合は注意が必要です。

上記のOteloチケットサービスなら細かい要望も聞いてくれるので、希望の場合は問い合わせてみると良いと思います。

musikverein

と言うわけで、今年もまたヨーロッパのオペラ座やコンサートホールなど色々とレポートしていきたいと思います。本年もよろしくお願いします!

ウィーンの観光情報については、観光ガイドのページも併せてご覧下さい→オーストリア・ウィーン旅行ガイドと“一人旅”体験レポート!

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