“3次予選”2日目の見所など〈ショパン国際ピアノコンクール〉

昨日は、日本の小林愛実さんの名演が光っていましたね!最後まで決して劣らぬ安定感とカリスマ性で聴衆を魅了されていたと思います。私は残念ながら旅先でのヘッドフォン視聴となった為、その美音がどのくらいのものなのか全く分かりません 彼女に良い結果が与えられる様、祈るばかりです。

さて、本日は3次予選2日目です。

  • 17:00-17:55 Marek Kozák (Czech Republic)
  • 17:55-18:50 Łukasz Krupiński (Poland)
  • 19:20-20:15 Krzysztof Książek (Poland)
  • 20:15-21:10 Kate Liu (United States)
  • 24:00-24:55 Eric Lu (United States)
  • 24:55-25:50 Szymon Nehring (Poland)
  • 26:20-27:15 Georgijs Osokins (Latvia)

この中で、私が注目する出演者のこれまでの演奏と評価を振り返ってみたいと思います。先ず、冒頭チェコ出身のMarek Kozákさん。

 

1次予選はあまりパッとしない演奏だったと思います。エチュードOp,10-2がそうであった様に、音が擦れたり不均等になったりする等、軽いタッチによる演奏が少々不得手ではないか、と感じました。しかし一転、2次予選では大きく存在感のある音で魅了してくれました。たまにミスはあるものの、ショパンに相応しくない音というのは、彼の演奏からは皆無であったと思います。

次に、アメリカ出身のKate Liuさん。

 

彼女の演奏も同様に、1次予選では黒鍵エチュードの裏拍があまり聴こえてこないなど、やや不可解な感じが否めませんでしたが、一転して2次予選では、非常に安定的で過ぎたパフォーマンス等もなく、スタンダードな解釈と響きを伴った美しい音色、ひたむきにショパンの作品に接する彼女の姿勢が見えた、すばらしい演奏でした。

また、地元ポーランドのSzymon Nehringさんも、2次予選は特筆すべき演奏でした。

 

冒頭の曲:バラード1番の出だしの音から、ものすごい重心を感じる事が出来、その重さを保ちながら演奏するピアニッシモの響きが、何と美しいこと!その他、鍵盤をなでる様な表現からズシンと迫力のある音まで、ピカイチの表現力であったと感じます。

彼は1次予選でも安定した演奏で好評価を得たと思いますが、それでも特別魅力的に感じる事はありませんでした。しかし2次予選で魅せてくれたカリスマ性は、今日の演奏でも期待できるのではないでしょうか。

以上ピックアップした3名とも、1次から2次へと次第に調子を上げて、徐々に真の実力が見えてきた様に思えます。更に飛躍した演奏を聴くことが出来るかどうか、本日の演奏に注目したいと思います。

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