薄暗い!【羽田空港国際線ターミナル】の印象…これが日本の玄関口!?

前回の記事では、江戸の町を模した「江戸小路」を巡って、羽田空港国際線ターミナルのショップやレストランについて見ていきました。

「コンパクトな国際空港」を謳っているだけあって、狭いエリアに多くの要素を終結している、といった印象を持ちますが、今年の秋より始まる2016年冬ダイヤからは、更にアメリカ路線が日中10往復増える事を考えると、このコンパクトさが“悪い意味”での「小さな空港」というレッテルを貼られる可能性は否定できないでしょう。

それでは、飛行機に乗る立場に立って、チェックインカウンターのある出発ロビーを見てみる事にします。

とにかく薄暗い!

出発ロビーに立つと先ず感じるのが、とにかく薄暗い!

羽田空港国際線ターミナル2

2010年の開業当初は、凝った照明と洒落た空間が演出されて、もっと明るかった記憶があります。確か、2011年の東日本大震災後の「節電」の影響によって、照明が間引かれた事は知っていますが、未だに元に戻っていないのでしょうか?

羽田空港国際線ターミナル

店舗などの照明が無い部分は、基本“影”です。逆光になると人の顔すらハッキリ見えません。元々、日光を取り入れる構造になっていないのではないでしょうか?“斬新”だったハズの「大屋根」も、これではただ重ったるく圧迫感が増すだけです。

成田空港第②ターミナル (1)

こちらは成田空港の出発ロビーの写真ですが、その差は歴然!勿論これは震災前の模様ではなく、昨年秋に撮影したものです。煌びやかな照明など、無駄な電力消費をする必要はありませんが、せめて「標準レベル」の明るさくらいは確保しても良いのではないでしょうか?

手狭なチェックインカウンター

羽田空港国際線ターミナルのチェックインカウンターについて、これまで何度か「成田空港」のそれと比較し、その規模の小ささを述べてきました。

JAL

成田空港ではJALだけでも計10面を使用し、ファーストクラスやビジネスクラスはおろか、エコノミークラスですら独立したカウンターを持っています。

成田空港第②ターミナル (4)

しかも各々カウンターのピッチが広く、フル稼働状態であっても隣のカウンターとの距離がある事で、気兼ねなく係員とやり取りが出来ます。特にファーストクラスのカウンターにはソファーがあり、VIP待遇でもって手続きが進められます。

JAL

しかし羽田空港国際線のカウンターは、A~Lまで計12面のみ。この内JALに宛がわれているのは僅か2面。この2面の中にファーストからエコノミー、更にはグローバルクラブ・カウンターまでが集約されている訳ですから、いかに狭いかが分かります。

羽田空港国際線T

勿論、成田空港に比べてまだまだ圧倒的に便数が少ないものの、今後アメリカ線も増える事もあって、特に午前中の出発便が集中する時間帯などは混雑必至。たとえグローバルクラブ・カウンターであっても、エコノミークラスの様な行列が予想されます。

これは、たとえファーストクラス・カウンターであっても同様で、隣のカウンターとのピッチも狭い事から、常に人ごみを肌身で感じます。 これでは旅への高揚感など全く持って皆無…。「手軽さ」を売りにした結果、何か大切なものまで奪われてしまった感じがします。

“空き”カウンターの存在

ただ、出発ロビーの端を見てみると、使われていないカウンターが幾つも見受けられます。

羽田空港国際線ターミナル (3)

お盆など繁忙期の為の予備スペースなのかもしれませんが、常時これだけ余っているならば、せめて「ファーストクラス・カウンター」だけでも、成田空港同様に一つのアルファベットを専用に割り当てるくらい、余裕を持たせても良いのではないかと思います。現状の様に、数個のカウンターがあるだけでは、ファーストクラスと言えども行列の発生は避けられないでしょう。「絶対お待たせしない」という精神は何処へ…?

羽田空港国際線ターミナルについて“まとめ”

羽田空港の再国際化から早5年。「日本の玄関口」を自称している割には、その出来栄えは中途半端にも満たない様に思えます。「都心に近い」が一番の売りな訳ですが、「東京城南・横浜地域への訪問、および地方空港からの乗り継ぎ」を目的とする人は、果たしてどの程度いるのでしょうか?その中でさえも、「薄暗いターミナル」や「都心の混雑」を嫌気している人も、少なからずいるのではないでしょうか?

羽田空港国際線ターミナル (1)

ただ単に「羽田に飛ばせば儲かる」というだけでは、長い目で見ても有益な空港運営に繋がるものでは無いと思いますし、この“陰気臭さ”が「日本の印象」として捉えられるのは、残念な気がします。羽田を国策として“国際空港”にしたいならば、もっと徹底的に力を入れてもらいたいものです。

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