ベトナム・ハノイから、東の衛星都市ハイフォンへ向けたベトナム鉄道の乗車記をお伝えします!今回は1等車(ソフトシート)を利用、そのシートや乗り心地等について、詳しくレポート!
尚、ベトナム鉄道のチケット購入については、昨日の記事をご覧下さい→ベトナム鉄道チケットの買い方/ロンビエン駅の窓口での購入方法
♪こちらも合わせてどうぞ→「ハノイ」記事一覧と旅行ガイド
ベトナム鉄道の車両
ベトナム鉄道は、同国唯一の国有鉄道会社が運営する鉄道。南北に長いベトナムの都市を網羅し、その総延長距離は2,600kmにも及ぶのだとか。
全線が電化されておらず、また機動車も保有していない為、この様なディーゼル機関車が客車を引っ張ります。
ハノイ~ハイフォン間で運行される列車は、日によっても異なりますが5両~7両編成である場合が多い模様。その内、2等車(ハードシート)があるのは2両のみ、その他は全て1等車(ソフトシート)となっています。同区間の列車は、1日4往復。今回は9:17ハノイ発の列車の乗車し、80km離れたハイフォンの街を目指します!
乗車するのが大変!
昨日の記事の通り、今回はハノイ旧市街の北東にあるロンビエン駅(Long Bien)から乗車。駅と言えども、明確なプラットホームの様なものはありません…。
その為、列車にはこの様なハシゴを登って乗車するのですが、これが見た目以上に急で登り難く、またハシゴがかなり高い位置にあるので大変!
両手で手すりを持って何とか乗り込むのですが、この手すりの位置が微妙に後ろにあるので腕に力が入らず、ほんと乗り込み難いです!バリアフリーなんて皆無、お年寄りなんかはどうやって乗っているんだろうか…?
最悪のお見合い席…
今回は1等車(ソフトシート)、座席は全席指定で、チケット発券時に指定された席へ着く必要があります。空いてたら良いなと淡い期待を抱いていましたが、この便は見事に満席!
シート番号は、座席の裏に書かれています。この番号が貼られた座席が当該の席となりますが、私ははじめ間違えて一つ後だと勘違いし、別の人をどかせようとしてしまいました…。
そして今回指定されたのは、何と最悪のお見合い席!この1等車ソフトシートの車両は“集団お見合い式”の座席配列なので、この様なお見合い席は1車両に2箇所しか無いのに…、なんとも運の悪い…。
そして極めつけはコレ!列車走行中、私の前に座るお婆ちゃんの足が、なんと私の股の間に!他人が座っている椅子に足を掛けるなんて、日本でやったらそれこそ訴訟物ですよね。
こんな事がごく普通に行われるなんて、ある意味アメイジング!
ソフトシート(1等車)の座席
ではここで、この1等車ソフトシートの座席と設備を詳しく見てみようと思います。上記の通り満席の列車内でしたが、ハイフォンが近づくに連れて人が減り、写真が撮影できる様になりました!
ソフトシートのシート配列は、この通り全体が車両中央を向いた“集団お見合い式”。
座面は、ブルーの安っぽい革張り。でも列車の外観から想像するに、もっと古びたシートかと思っていましたが、案外きれいな状態です。
シート幅は一見すると狭そうですが、目分量で計っておよそ46cm。JALのクラスJの肘掛間よりも若干広いくらいです。
シートはリクライニング機能付。この角度がかなり深いもので、もし前の席の人が全開に倒したら、その後ろの占有面積は殆ど無くなってしまう程です。
肘掛は、通路側も含めて可動式。パーティションを下すのと同じ要領で、一旦上に上げ切ってから低位置に戻すと固定され、下す際は少し上に上げると固定されずに下まで下がります。
ドリンクホルダー付き可動式のテーブルも付いていますが、これまでに見た事も無いくらい安っぽいプラスチック製です。しかも、座席によってはいつ清掃されたのか分からないくらい酷い汚れの所もありました。
ここに弁当を乗せて食べるのは、ちょっとカンベンですよね…。
トイレと洗面所、冷房、ハードシート(2等車)
続いて、車内設備を見てみましょう。ソフトシートの車端部には、この様な洗面所が付いていて、その傍らにゴミ箱が付いています。使用頻度が少ない為か、思っていたよりも清潔感はあります。
続いてトイレ。こちらも思ったより汚くは…無いですが、ちょっとここに座って用を足そうとは思えないですよね。まぁ公園の公衆トイレよりはマシかと。
尚、ソフトシートの車両にあった気温計を見てみると、室温は23℃。暑くもなく寒くもない、ちょうど良い具合に冷房が効いていました。
一方、2等車ハードシートへ行ってみると、冷房は無く扇風機のみ。でもハンパ無い数の扇風機が程よい空調を生み出している為か、むゎ~っとした様な暑さは感じられず、不快指数は小さいです。この時期(11月)のハノイ地方は極端に暑くなる事は少ないので、秋・冬ならばハードシートでもアリかも?
車内ワゴン販売
ハノイ~ハイフォンまでのおよそ2時間40分の間、ワゴン販売が幾つかやって来ました。まず最初に来たのが、この笹の葉(?)で包まれた食べ物。
隣の人が食べていたので見ると、白いスライム状の餅の中にミートっぽい具が入っていて、それをスプーンですくって食べていました。
帰りの便で試食してみましたが、これがなかなか美味しくてビックリ!この食レポについては、こちらの記事をご覧下さい→安くて美味い!ベトナム鉄道【車内販売】ご当地グルメを食べてみた!
この他、ドリンクのワゴン、およびお菓子・スナック類のワゴンと、計3回のワゴン販売がありました。ドリンクはペットボトルも売っていますが、何れも冷えていないのでその点はお含み置きを…。
時速50kmの乗り心地は…
ハイフォンまでは、およそ2時間40分。上記の通り、このベトナム鉄道の最高時速は50kmなので、車窓を眺めても見るからに凄く遅いです。途中、バスやバイクに何度も抜かれていました。
しかも線路の形状が悪いのか、スピードの割りにメチャクチャ揺れます!特に車両の車端部は揺れが激しいので、少しでも快適さを求めるなら車両の中央部の席の方が良いでしょう。
また、途中幾つかの駅に停車しますが、車内アナウンスがあったのは主要駅(ハイズオン・ハイフォン)のみ。車内検札も無く、ほんど何もかもがゆる~い感じ。
結局、定刻から5分遅れでハイフォンに到着しました!それでもこの緩さを考えたら、5分遅れでも上出来かも?
バスで来るよりも時間を要しましたが、冷房付きのリクライニングシートでトイレ付き、70,000ドン(≠350円)である事を考えると、まずまずの内容だったと思います。
乗降りが多少不便な点は否めませんが、古き良き時代(?)を思い起こす東南アジアの列車の旅、一度は味わってみるのも良いかと思います。このベトナム鉄道のチケット購入については、昨日の記事をご覧下さい→ベトナム鉄道チケットの買い方/ロンビエン駅の窓口での購入方法
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