首都圏第3の空港として航空自衛隊の百里基地を旅客化した「茨城空港」。都内からかなり遠いですが、これまで行った事が無かったので、どんな所なのか見に行ってきました。
今回は都内方面から車で向かったのですが、平日でしかも閑散期であるにも関わらず、駐車場は意外にもかなりの混雑!その理由を探ってみました。
民間共用化した百里基地
茨城空港は、元々航空自衛隊の百里基地として戦後まもなくして整備された空港で、その前身は戦中からあったそうです。2010年に旅客利用が開始されてからも自衛隊機の離着陸は変わらず行われていて、民間共用という形が採られています。
現に私が空港に滞在中も、およそ15分おきに自衛隊機が爆音を立てて離発着を繰り返していました。茨城空港が開業した当時は、この軍用機を目当てに見に来る人で賑わっていた光景が報道されていましたね。
ターミナルビルの横には、現役を引退した自衛隊機がディスプレイされています。この点は兵庫県にある「こうのとり但馬空港」と同じですよね。あちらでは旅客機や商用機でしたが、こちらにあるのは戦闘機。→コウノトリ但馬空港から大阪伊丹へ!プロペラ機の展示とアクセス
展示は2機あって、一つ目は「F-4EJ改」という要撃戦闘機。1973年に日本で造られたものだそう。最高速度マッハ2.2(時速2700キロ)というのは、戦闘機の中では一般的な性能でしょうか。
もう一つは「RF-4EJ」という戦術偵察機。こちらも生身は戦闘機ですが、災害時における被害状況の偵察にも使われていたのだとか。でも震災なんかの時にコレが飛んできたらかなり怖いと思うのですが…。
因みに、この2機の戦闘機が展示してあるエリアは、ちょっとした公園っぽくなっています。ベンチも設置されているので、暖かい日なんかはここでゆっくりするのもアリ?
無料駐車場が大混雑!
さて、今回茨城空港へは車で向かいました。この日は閑散期の平日でもあるので、さぞかし駐車場はガラ空きだろうと思っていたのですが…
到着してビックリ!空きがなかなか見つかりません。特にターミナルビルに近いところは隙間が全く残っていない状況です。
この空港の駐車場は3100台収容できるほど大規模なものですが、この内「第一駐車場」は大方埋まっている状況でした。
ターミナルから離れた「第二駐車場」はそれなりに空いています。でもここからターミナル入口までの道のりはおよそ300mもありますから、皆これを嫌っているのでしょうね。
駐車場混雑の理由
それにしても閑散期の平日、しかもこんな田舎の空港にこれだけ沢山の車が停まっているというのは驚きです。茨城空港は首都圏第3の空港として路線拡大に力を入れているとは言え、圏央道が出来て以来旅客を成田空港に奪われたと聞いていましたから。
立地も悪く、管轄地域も北関東に限定。一時期、発着枠が飽和状態の羽田空港の代わりとして茨城空港が候補に挙げられた時期もありましたが、都心から80キロも離れていている為か、あまり現実的な話を聞かなくなりましたよね。鉄道駅も無いですし、バスでも東京駅から2時間半かかります。
だからこそ、自家用車でのアクセスを求める人が増えて、この様な混雑に繋がっているのでしょう。特に北関東は車社会ですから、そもそも移動に公共の交通機関を利用する感覚が薄い人も多くいると思います。
自家用車アクセスに特化した茨城空港
しかし成田空港や羽田空港は駐車場が有料ですし、混雑も必至、だからこそ茨城空港が選ばれているのでしょうね。ここは何日間停めても無料ですし、都心の混雑もなし。北関東の人達にとっては成田へ行くよりも近いですし、これ以上の利用価値は無いでしょう。
聞く所によると、成田空港や羽田空港の方が近い人でも茨城空港を選ぶ場合があるのだとか。重たいスーツケースを自宅から楽に運べて、これで駐車場が無料となれば選ばない理由は無いのかもしれませんね。今回私は都内方面から向かって2時間程かかりましたが、埼玉県辺りならば十分候補に挙がってくるのではないかと思います。就航路線が少ないので機会は限定的になるとは思いますが、“首都圏”の大きなくくりとして考えれば、茨城空港の利用価値はかなり見出せるものではないかと思っています。
次回はターミナルビルの中を見ていきます。