マレーシア・クアラルンプールでは、開業したばかりのMRTに乗ってみました!開業とは言っても、まだ郊外の一部区間しか運行されていませんでしたが、ピカピカの駅構内や車両、そして殆ど誰も乗っていない車内から、開発著しい新興地域の車窓を眺めてきました。
※この記事は2017年の部分開業時点のものです。そのごMRTは全線開業し、現在では2つの路線が運行されてます。詳しくはコチラ→KL空港アクセスがたったのRM9.4~!新規開業MRTプトラジャヤ線で行くお得な方法
♪こちらも合わせてどうぞ→「クアラルンプール」記事一覧と旅行ガイド
MRTの路線図
クアラルンプールのMRTと言えば、2011年から建設が始まった総延長51kmの新規鉄道路線。MRTプロジェクトのHPによると、MASS Rapid Transit Corporation Sdn Bhd(MRTコーポレーション)という新設された国主管の会社が運営しているそうです。
路線図を見てみると、MRTは緑の「KAJANG LINE」と茶色の「PUTRAJAYA LINE」の2路線。今回開業したのは緑のKAJANG線ですが、KLセントラル駅側近のMuzium Negaraを中心に、東はPasar SeniやBukit Bintangを通るルートになっています。これが全線開業すれば、現在ではモノレールしか無い「ブキッ・ビンタン」までKLセントラルからスムーズに行ける様になりますね!これは便利!しかしこのKAJANG線のBukit Bintang方面への延伸開業は今年7月予定だそうで、現在はKLセントラル(Muzium Negara)の一つ手前「Semantan」から西側のみの運行となっています。
そこで今回は、終点のSungai Bulohから乗車し、現在開業済みのSemantanまで全区間乗り通す事にしました。Sungai BulohまではKTMコミューターで向かいましたが、その模様は「rapid KLからKTMコミューターへ乗り換え!Touch’n GOは使えるか?」の記事をご覧下さい。
Sungai Buloh駅から乗車
KTMコミューターで到着したSungai Buloh駅。KTMの改札を抜けて、MRTの案内表示に従って進んで行きます。
すると、ものの数十メートルでMRTの改札口。この時、KTMからMRTに乗り換える人が私以外に誰も居なかったので、本当に運行されているのか心配でしたが、問題なく改札を通過!Touch’n GOカードも使えて、全ての改札機で対応していました。
ピッカピカの駅構内!そして(無駄に)広いです。これだけ人が居ないのにエスカレーターやエレベーターも稼動していて、なんだか申し訳ない気分。節電大国の日本じゃ、こうはいかない?
開業区間のナゾ
時刻表をチェック。2番線は当駅止まり、1番線の列車に乗れば良い訳ですが、TAMAN MUTIARA行きとありますね。先ほどの路線図を見ると、Taman Mutiaraと言えばKLセントラルやBukit Bintang等をはるかに超えた先にある駅ですが、まさか既にそこまで開業してしているのか…?
取りあえずホームへ上がってみる事に。ここにも乗客の気配はなし…。
2番線には回送電車が停まっていました。ホームドアーもついていますが、一部稼動していない扉もあるので注意が必要です。
ホーム上の路線図を見てみると、Taman Mutiara(25)どころか終点のKajang(35)まで既に記載されていました。これで本当に開業していたら儲けものですが、近くに居た作業員らしき人に伺ったところ、やはり現在はまだSemantan(14)までしか運行されていないとの事。
既に乗客扱いを開始しているのに、未開業区間をテープで隠すなどをしない所はマレーシアらしいと言えるでしょうか。
▼ 続きを表示する
ピッカピカの車内!
その後、1番線に入って来た「Taman Mutiara行き」の列車に乗ってみました。流石にここでも誰も居なかったら不安でしたが、他に2~3名の乗客が乗って来たので一安心!
車内はピッカピカ!新車特有の匂いもします。内装はLRT等とあまり変わらない感じがしますが、シート・手すり・つり革がライトブルーになっています。
液晶ディスプレイによる情報も完備。まぁこのレベルのものは今更珍しいものでもないですが。
車椅子スペースも各車両にあります。
シートは7人掛け。クアラルンプールでは一般的なプラスチックタイプで、KTMコミューターの様にクッションはありません。
扉と座席の敷居には、天井まで続くパーティション。乗客同士のトラブルを避ける為にも、日本の電車でも是非採用してもらいたいものですね。
先頭車両の窓を独占!
それにしても車内はガラ空き!途中駅での乗降りも殆どなく、まるで試験運転の様です。やはり運行区間が郊外である事に加え、KLセントラル等のターミナル駅まで繋がっていないので、特に日中は利用する人が少ないのでしょう。
車窓を眺めていると、特にSungai Bulohに近い所は区画整理や開発中の地域ばかりで、既存の住宅街すらまばら。これから数十年かけて、この景色も様変わりしそうですね。
折角なので、先頭車両からの眺めを味わってみる事にしました。人の居ない今なら、このエリアも独占です!進行方向へ向いた先頭車両は既に先客が居たので(笑)、最後尾の窓から眺めてみます。
このMRTは、運転手の居ない完全自動運転。加速減速もスムーズですし、スピードも結構速くて快適!今回乗車したSungai BulohからSemantanまで11駅区間が24分でしたので、クラナジャヤ線などと比べても速いと思います。
結局Semantanで降ろされる…
車内の運行案内を見ると、Taman Mutiaraまで緑のマーク。この電車、本当に“Taman Mutiara行き”として運行されている様ですね。本当にこのままSemantanを超えてBukit Bintang方面まで行けたら良いな~と、浅はかな期待が膨らみます。
しかし残念ながら、Semantanに到着するや否や、見回りの係員らしき人が車両の向こうから走ってきました。やはり現在では、乗客はこのSemantanで降ろされてしまう様です。
電車を降りたプラットホームの電光掲示板にもTAMAN MUTIARA行きとの表示があり、私が乗ってきた列車もTaman Mutiara方面に向けて出発して行きました。どうやら7月の開業に向けて、試運転だけは行われているのかもしれませんね。
ここまでの運賃はRM3.4。運賃表を見ると、MRTも他路線と同じ様にTouch’n GO用の割引運賃が設定されている様です。
尚、現在は暫定措置として、このTaman Mutiara駅から無料のシャトルバスが出ていて、KL線トラル方面へも行く事が出来る様です。KLセントラル(Muzium Negara)まではあと一駅なのですが、ここだけでも先に開業してくれたら便利なんですけどね~。
ブキッ・ビンタンの今…
因みに、この後ブキッ・ビンタンへ行ってみると、工事中のMRT駅入口を見つけました。どうやら列車は運行されているものの、駅設備の工事がまだ終わっていない様です。ここはモノレールのBukit Bintang駅からもほど近い、ショッピングセンターLot 10の目の前ですので、これが出来ると本当に便利になりますね!これまでは2両編成のモノレールにすし詰めになりながら訪れたブキッ・ビンタンですが、間もなくKLセントラルから“MRTで3駅”という好立地に生まれ変わります。
という訳で、部分開業したばかりのMRTに乗ってみました!沿線住民にとっても待ち望まれている事と思いますが、何より観光客にとっても利便性が格段に上がること間違いありませんね。
今年7月以降、ブキッ・ビンタン方面まで延伸されると多くの人が利用する事となりますので、ピカピカの車内がじっくり見られるのは今の内。鉄道ファンの方はお早めに(笑)!
「クアラルンプール」記事一覧と旅行ガイドはこちら↓