今日ご紹介するのは、オーストリア・ウィーンの「イエズス会教会」。シュテファン大聖堂にほど近いリンクの内側にある教会ですが、シンプルな外観からは想像もつかないほど豪華絢爛な内装が美しいです!無料で入れるので、手軽に立ち寄れるのも魅力の一つ。
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「イエズス会教会」の場所と外観
イエズス会教会があるのは、ウィーン旧市街リンクの内側、シュテファン大聖堂から東へおよそ300mの所です。
美しい教会が数多く林立するウィーン旧市街。シュテファン大聖堂近くを歩いていると、それこそ100m~200mおきに教会が見つかる程です。
狭い路地を抜けると超えてくるイエズス会教会。規模は大きくありませんが、2つの塔を持つステキな外観です!ドイツ語の教会名は“Jesuiten-kirche”となっています。
1539年に設立されたとされるイエズス会ですが、このバロック様式の教会が完成したのは1631年、その後18世紀初め、および19世紀前半に外観や内陣の修繕が行われ、今の姿になったのだそう。
美しい内陣とパイプオルガン
正面入口から中へ入ると、重厚な柱と金の装飾が美しい内陣。外から見たとおり内部も小じんまりしていますが、身廊と左右対称の側廊を持った標準的な教会の構造をしています。
後ろを振り返ると、これまた素晴らしいパイプオルガン!マントを広げた王者の様な貫禄のある佇まい、教会の規模の割にとても長いパイプを持ったオルガンです。
これでもか!と言うくらいゴージャスに飾られた金の装飾!このオルガンは2003年~2004年に建設されたそうで、シルバーのパイプに真新しさが残るのはその為なんですね。3段の手鍵盤と、2745本のパイプに繋がる41のレジスタを備えてたオルガンなのだそう。
アンドレア・ポッツォのトリックアート
資料によると、この教会の内陣の装飾を主に手がけたのは、17世紀のイタリア人建築家でイエズス会士でもあるAndrea Pozzo(アンドレア・ポッツォ)という人物。彼の作風は、建築と幻想が融合した独特の技法が特徴で、バロック期に活躍した中で最も卓越した人物の一人として崇められているらしい。
そんな彼の作品の中で最も注目すべきなのが、天井のフレスコ画。“神の勝利と救い”が称えられた絵の一角にあるこのドーム型天井の部分。実はこれ、実際にここにドーム型天井がある訳ではなく、その様に見せかけたトリックアートなのです。ちょうど、入口方面から祭壇方面に向かって上を向いた時に上手い具合に凹んで見えるのですが、反対側から見るとネタばれ!こんなユニークな発想が当時からあったなんて、ちょっと感慨深いものがありますね。
他にも、祭壇に描かれた油絵もポッツォの作品。祭壇自体は小さいですが、聖母マリアの被昇天が描かれた絵画は、近づいて見てみると大きく見応えがあります。
日本語パンフレット有り(€3)
尚、このイエズス会教会の入口付近には各言語に翻訳されたパンフレットが置かれていて、有り難い事に日本語も用意されています。ただし、直訳に近い翻訳、且つペラに印刷されただけの簡易的なもので、また€3というちょっと高額な寄付が必要な点には要注意。
開館は7:00~19:00(日曜は8:00~)。この時は正午ごろの訪問でしたが、人は2~3グループのみと大変空いていたので、意外と穴場的なスポットなのかもしれませんね。
規模は小さいが内装は豪華絢爛!美しいウィーンのイエズス会教会へ、ぜひ足を運んでみて頂ければと思います。
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