最近、JALから発表が相次いだ特典航空券の制度改定ですが、最も衝撃的だったのが「国際線特典航空券PLUS」という制度。一見すると、特典航空券が取り易くなる様な前向きな事が書かれていますが、よくよく見るとこれがとんでもない大改悪!
この制度によって、JAL国際線特典航空券の何がどう改悪されたのか?詳しく見ていきたいと思います。
目次
「国際線特典航空券PLUS」の概要
今回発表されたJAL国際線の「特典航空券PLUS」という新しい制度。これは、JAL国際線特典航空券において、通常の必要マイル数に加えて追加でマイルを支払う事により、空席の無い日でも特典枠が増えて、確保し易くなるという制度(詳細および引用元はコチラ)。
追加(PLUS)の必要マイル数は残席数に応じて増加。これまでキャンセル待ちとなっていた日でも、追加でマイルを支払えば席を確保できる様になりますが、逆にキャンセル待ちは廃止される模様。
キャンセル待ちが無くなるという事は、JGCおよびFly-On上級会員の「優先空席待ち」の優遇制度が失われる事になりますが、これについて今後何か救済措置はあるのだろうか…?
欧州片道が391,000マイル!
この制度、マイルを大量に保有している出張属の人などにとっては良い面もあるのかもしれませんが、問題はその追加の必要マイル数。
JALから発表された表によると、このPLUS利用時に必要なマイル数は、ヨーロッパ片道のビジネスクラスでなんと最大391,000マイル!もし往復利用すると782,000マイルとなり、改悪前の85,000マイルと比べると実に9.2倍!
特典航空券が満席で取れない場合に、マイルを5000や1万プラスする事で取れる様になるのならば分かりますが、この天文学的数字は何!? なんかもう桁が違いますよね。思わず0の数を数えてしまいましたよ…。以前国内線にあった「ダイヤモンド特典航空券」の様に、空席がある場合に確実に取れるというものでも無い様ですし、ちょっとこれはヤバ過ぎ!
特典枠への割り当てはどうなる?
そんなPlus制度ですが、気になるのは最小のマイル数(現行通り)で発券できる特典枠。例えば、ヨーロッパ往復のJAL特典航空券の場合、以前はビジネスクラスは1便につき大方3席が特典枠として開放されていましたが、この新制度における最小のマイル数での枠は今の所維持されている模様。
ただ、最小値から一段階でも値上がりすると、たちまち1.5倍~2倍近いマイルが必要になる路線もあって、クレジットカード等でコツコツとマイルを貯めているビンボーマイラーにとっては到底手が出せるものでは無いでしょう。
ただでさえビジネス・ファーストの必要マイル数はここ数年で大幅に改悪されているのに、更に付加マイルを課すなんてちょっと酷すぎる…。
予約変更が不可能に!
更に更に改悪なのが、このPLUS制度の導入によってこれまで可能だった「予約変更」が不可能になった事。一度発券した特典航空券は日時や便の変更が出来ず、日程が合わなくなった場合は手数料3,100円を支払って払い戻すしか無いという事になります。
これ、ほんと深刻な改悪ですよ。特典航空券は格安航空券に出来ない「乗変」が出来る事が最大のメリットであって、だからこそコスパの悪いエコノミークラスでも一定の価値はあった訳です。
それがフレキシブルに使えないとなれば、特典航空券の一番のメリットが失われた事になりますね。高額なサーチャージも相変わらず掛かりますし、もはや存在価値が見出せません。
こんなにも変わったJAL特典航空券
ここ数年JAL特典航空券がどれほど改悪されたのか、ちょっと表にしてみました。比較対象として、必要マイル数の改悪前(2016年頃)も一緒に掲載しています。
必要マイル数に加え、使い勝手も大幅に悪くなったJAL特典航空券。数年前までは、席を確保した上で新たにもう一つ違う便にキャンセル待ちを入れる事すら可能だったのに…。ここ最近の改悪劇は、ほんと凄まじいものがありますね。
提携会社特典航空券も大幅改悪
今回のPLUS制度に先立って改悪されたのが「提携会社特典航空券」の必要マイル数変更。
長らく改悪を免れていた提携会社特典航空券ですが、ファーストクラス、ビジネスクラスの長距離を中心に、2018年11月20日から概ね3割も必要マイル数が増える事になりました。
この中で最も大きな影響を受けると思われるのが、ファーストクラス(10,000マイル)の必要マイル数。この距離はちょうど東京⇔ドバイの往復に該当し、必要参る数100,000マイルでエミレーツ航空のファーストクラスを取った方も多いのではないでしょうか?それが現在では135,000という超大幅な値上げ!コスパの良い所は全て狙い打ちする、それが今のJALの方針なのかもしれませんね。
JALは辞めた!今後はANAが良いけど…
いやホント、もう流石にこの超大改悪は度が過ぎてますよ。長年JALを愛用してきた私ですが、ここまでされたら流石にJALから離れざるを得ない…。
一般の有償航空券ではなかなか手の届かない「ビジネスクラス」や「フレキシブルチケット」を実現させるのが特典航空券であったはずなのに、その術を殆ど奪われる事になりますね。
こうなると、日本の航空会社としてはANAのマイレージ制度が圧倒的に優位になる訳ですが、問題なのはANAマイレージの現行制度がいつまで続くのか…。ポイントサイトの影響もあって、こちらはJAL以上に大量マイル保有者が多いので、ある意味実質の“デノミ”がいつ行われても不思議じゃないですよね。
兎にも角にも、マイルは使ってナンボ!これからJALマイルを貯める事を検討されている方は、是非この事実を鑑みた上で慎重に検討される事をおススメします!