JAL Sky-Suite機材のファーストクラス・ビジネスクラスに向けた機内食オーダーサービス。座席に居ながらCAを呼び止める事無く、手元のコントローラーで機内食や機内販売の商品を注文できるシステムですが、その使い勝手の悪さに辟易…。巷でも評判が悪く、実際あまり使われていない様子。
今回はこのシステムについて考えていきたいと思います。
“画期的”と称されたシステム
このミール・オーダーシステムについて、Sky Suite機材が導入された当初は、手元のコントローラーから注文する新システムが大々的に宣伝されていた記憶があります。
これによって、CAの機内を歩き回る頻度を下げる事に繋がり、より静かな環境を提供できるというのをウリにしていたと思います。しかし導入当初からシステムの不具合等が頻発し、入力したのにオーダーが通っていなかった等、多くの方がブログで嘆いていたのを拝見していました。
システムの不具合は常態化?
【ビジネスクラス機内食レポート(成田~ヘルシンキ)】でもお伝えしましたが、私が機内でこのオーダーサービスを使って機内食を注文しようとした際、システムの不具合で利用出来なかった事があります。
食事を注文しようと思いコントローラーで機内食のメニューを見ると、まだ到着まで4時間以上も残っているにも関わらず、その殆どが“売り切れ”の表示。たまらずCAさんに事の詳細を尋ねると、実際に売り切れていたメニューは無く、全メニュー注文可能との回答。結局この時はコントローラーからのオーダーを全く行わず、全てCAさんに直接注文をする事になりました。
もはや忘れ去られたシステムの存在
この成田~ヘルシンキのフライト以降も、何度かSky-Suite機材のビジネスクラスを利用する機会がありましたが、そのいずれも座席のコントローラーから機内食をオーダーした事は一度もありません。
私はおろか、周りの乗客も盛んに手を揚げてCAさんに声を掛けていましたし、もはやこの存在すら忘れ去られている模様。
一応、離陸時の機内アナウンスで「お手元のコントローラーから注文が可能~」との声が聞こえてきますが、実際にCAさんを呼び止めても「ご注文はコントローラーで…」などと促される事も無く、CAさんも事態を把握している模様です。
機械的なサービスは上級クラスに不向き
反応の悪いタッチパネルを操作してのオーダーは、とてもフラストレーションの溜まる作業ですよね。乗客にとってストレスの無い木目細やかなサービスとは、人を介して初めて成立するものであって、これを機械で半分賄おうという発想がそもそも間違いなのかもしれません。
特に機内食に関しては、ライスをパンに変えて欲しい場合や、苦手な食材を抜いて欲しい時など、細かな希望を出したい時は多々あります。しかもそれがビジネスクラスやファーストクラスの醍醐味なのに、それを機械的且つ一方的に提供する事を前提にしたシステムなんて、受け入れられるはずありませんよね。
従来のサービスでは機内をCAが激しく行き交う事になる、と言っても、それは第一回目の食事とラストオーダーの時くらいで、殆どの乗客が起きて活動している時間帯ですし、その他の時間帯はたまに呼ばれるくらいですから、うるさいと感じた事は一度もありません。
コントローラーからのオーダーシステムはJALのある意味実験的な試みだったのかもしれませんが、結果は散々ですよね。これが数年に渡って評価され、次世代のより良いサービスに繋がるのならば歓迎ですが、機械化による人件費削減の方向へ進まない事を祈るばかりです。
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