美しい海に囲まれた西表島、その内陸部には手付かずの自然が沢山残っていて、そんな秘境を体験できるのも西表島の魅力の一つだと思います。しかし山奥へ入って行くには重厚で大掛かりな装備が必要ですし、時間も多く取られるもの。もっと手軽に秘境を感じる事の出来るものは無いかと探したところ、2つの滝を巡るトレッキングツアーの存在を知り、参加してみる事にしました。
往復¥1,800¥3,000の浦内川クルーズ
今回参加したのは、浦内川観光という会社の「マリュドゥ・カンビレーの滝」ツアー。HPを見ると、他にも亜熱帯の森トレッキングやカヌー体験など、西表島ならではのツアー商品が幾つも用意されています。
今回参加する2つの滝を巡るツアーは、西表島北西部に流れる「浦内川」を船でクルーズし、その先にあるトレッキングコースを散策するもの。ツアーと言っても案内人が同行するものではなく、一日6便運行の定期便に勝手に乗って自由に散策するだけのものです。
クルーズ船の船着場は、上原港から車で10分の所にあります。30台収容の無料駐車場もあるので、レンタカーで乗り付けても問題ありません。
ここからトレッキングコースとなる上流まで、およそ30分のクルーズです。“マリウド1号”と書かれたクルーズ船は、小型ながら80名分くらいの座席がありました。予約は不要で、HPに記載された各便の出発時刻10分前までに乗り場へと行き、料金を支払います。往復の船とその先の自由散策で、お値段一人¥1,800也。※現在は大幅に値上げされて3,000円となっています。上流域をトレッキング
浦内川の上流へ到着すると、ここから先は自由行動になります。散策時間は基本的に2時間ですが、今回は30分早い便があったので、1時間半で戻って来る事にしました。
Mapを見ると、ここから滝のある所まではおよそ45分とありますが、実際に男の足で歩くと30分強で到着しました。
道中は山道が続きますが、高い山に登るのではないので勾配は殆どありません。この日は雨が降った翌日だったので多少ぬかるんでいる所もありましたが、裏底がゴムの靴を履いていたので滑り易い事はありませんでした。
このトレッキングコースには、西表島ならではの植物の姿も多く見られます。この様に熱帯地方に見られる板状の根っこ(板根)を持つ木は、日本では沖縄地方(一部奄美も含む)でしか見られないものです。
西表島には、高さ2mにもなる板根を持つ「サキシマスオウノキ」を見に行くツアーもあるのですが、それは次の機会にお伝えしようと思います。
展望台から臨む「マリュドゥの滝」の姿
さて、船着場からおよそ20分ちょっと、初めのビューポイントに到着しました。ここはマリュドゥの滝を遠方から臨める展望台になっています。
“日本の滝100選”にも選ばれているマリュドゥの滝は、2段になっているのが特徴。遠くからだと実感できませんが、落差は20mにもなるんだとか。
滝の迫力は水量に比例する部分も多いと思いますが、この日はちょっと少なめなのか心無し迫力に欠けますね。でも2段の滝が成す景観美は、なかなかのものだと思います。
トレッキングの終着点「カンビレーの滝」
マリュドゥの滝を臨む展望台からおよそ10分、トレッキングコースの終点「カンビレーの滝」に辿り着きました。
ここは広く開放的なエリアで、水が流れる横まで歩いて行く事が出来ます。この日はやはり水の量が少ないのか、大部分で岩肌がむき出しになっていました。
Wikipedia情報によると、“カンビレー”とは神の座を意味するのだそう。それだけここは神聖な場所という事なのでしょうか。確かに周囲の木々とマッチした風景は、神秘的な雰囲気をかもし出している様に思えます。
“滝”と言えば数十メートルの落差をドドドッと激しい音と水しぶきをあげている様子を想像しますが、ここはどちらかと言うと“川”の延長の様な感じがします。もう少し水かさがあれば、ラフティングなんかしても面白そう?まぁここは所謂パワースポット的な感じでしょうかね。暫く散策して、15分程で帰路につきました。
“秘境”と言えるか?言えないか?
今回のトレッキングツアーは、西表島の自然を手軽に感じられるものとして、一応おススメは出来ますが、“秘境”という感じには程遠い気がしました。歩き易いコースの整備に加え、イマイチ迫力に欠ける風景。やはり“未踏の地”を感じる為には、重装備をしてもっと島の内陸部に潜入していく必要があるのかもしれませんね。
次回も西表島のトレッキングをご紹介します。
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