昨日のビジネスクラスシートに続き、シンガポール航空のシート体験から、今回はエコノミークラスの模様をお伝えします!
ビジネスクラスの時と同じ最新型機材B787-10に搭載されているエコノミークラス、そのシート幅や座り心地、座席周りの設備など細かく見ていきたいと思います。
B787-10の3-3-3配列シート
今回のエコノミークラスシート体験の会場は、東京ビッグサイトで開催中の「ツーリズムEXPOジャパン」。ビジネスクラスのブースは60分待ちもの大行列なのに、エコノミークラスの方はこの通り誰も並んでいません(笑)!
展示されているのは、シンガポール航空の最新型機材である「ボーイング787-10」に搭載されているシート。実際に機内では3-3-3の9列配置となりますが、シートの主な仕様は以下の通りです。
- 座席幅…45.7cm幅
- 前後のシートピッチ…81cm
- リクライニングの幅…15.2cm
横9列配置の奴隷船仕様にも関わらず、シート幅45.7cmを実現するというのは凄いですね!一般的に9列のB787だと43~44cmの狭小シートになる場合が多いですから。座ってみると、JALのSky-wider(B767仕様)よりも余裕を感じるくらいです。
前後のピッチは81cmという事で、こちらは若干狭い感じがしますね。座ってみると、クッション性は問題無いですが、長身の人が座ると前の席に膝が付いてしまうと思います。
リクライニングをすると、こんな感じ。少しでも座面が前に移動する仕様にすればもっと角度が稼げると思うのですが、まぁ81cmのシートピッチでは難しいでしょうね…。
ヘッドレストとフットレスト
ヘッドレストは、6段階の高さ調節に加え、両サイドを折り曲げて固定する事が出来ます。これがあると頭が固定されて眠り易く、最近はどの航空会社もこの仕様が標準装備なので助かりますね。
フットレストもあって、こちらは3段階調節。これがあると股の裏の圧迫が軽減されるので、エコノミークラス症候群の予防にもなります。
ただ、このフットレストを跳ね上げた時にあまり収まりが良く無く、ちょっと邪魔に感じてしまう事も。
中にはこのフットレストが無い仕様の機材もある様ですが、やはり便利なフットレストも81cmの狭いシートピッチに搭載するのは無理があるのかもしれませんね。
座席周りの設備
続いて、座席周りの設備をチェック!11.6インチのHDタッチスクリーンがあって、その下にはUSB電源やスマホ置き場、ドリンクホルダーもついています。
左端には読書灯のスイッチ等が配置されていますが、従来これは肘掛の所にあったもの。
モニターは、この様に角度を変えられます。最近はどの航空会社でもタッチパネル式の液晶が主流となりましたが、後ろの席の人がタップする度に頭に衝撃が来る事もあって、私はあまり好きじゃないです…。
テーブルは2段階の折りたたみ式。ANA程ではないですが、こちらも随分と軽い素材で出来ているものの、その割には安定感はあるかと。でも細い支柱が頼りなく、これに伏せて眠るのはちょっと避けたいですね。
工夫を凝らした“詰め込み式”シート
と言う訳で、シンガポール航空の新型エコノミークラスシートを見てきましたが、3-3-3の詰め込み式ながら、限られたスペースをとても上手く使えているなぁと感心しました。
しかしながら、あらゆる所を限界まで削り取って飛行機を軽くするのも、そろそろ限界が近い様な気がしますね。座り心地は良くても、他人との距離感を保つ事が出来なければストレスは増すばかり。いずれ、今の世界基準を覆す様な快適エコノミークラスシートが出てくる事を願って止みません。昨日のビジネスクラスシートも併せてご覧下さい→シンガポール航空ビジネスクラス新型シートを体験!フルフラットの寝心地は?