マドリード国立音楽堂/鑑賞レポート!眺望・音響・シートMAP・チケットなど

スペインではオペラ座やコンサートホールを幾つか巡りましたが、今回はマドリードで訪れたコンサートホール「マドリード国立音楽堂」について、座席や眺望・音響などをレポートしたいと思います。

オーケストラの公演で訪れましたが、“国立”と名の付くホールなだけあって、巨大なパイプオルガンに斬新な照明器具を備える、なかなか立派な大ホールでした!

会場アクセスとチケット購入

マドリード国立音楽堂の場所ですが、市街地中心部から少し離れた所にあります。

最寄駅はメトロ9号線のCruz del Rayo駅か、若しくは4号線のProsperidad駅となりますが、それぞれOpera方面から向かう場合は乗り換えが必要です。コンサートで訪れる場合は、ちょっと時間に余裕を持った方が良いかもしれませんね。

マドリード国立音楽堂/外観

明るい茶色と特徴的な形をした屋根を持つマドリード国立音楽堂。なんだか日本によくある市民文化会館の様なファサードですよね。このホールは1988年に創業という事で、長い歴史を持つ訳では無い様です。

Auditorio-Nacional -de-Musica

尚、マドリード国立音楽堂の公演チケットは、コチラのサイトから購入可能。これは先日ご紹介したサルスエラ国立劇場と同じサイトですが、英語切替対応で座席指定も出来ます。

クレジットカード決済後にPDFで送られて来るEチケットを印刷して、当日持って行けばOK!チケットオフィスでの引き換えも必要無いので便利です。

ホワイエとBar

マドリード国立音楽堂のホワイエ

開演時刻の45分前にオープン!入口でチケットチェックを済ませて中へ入ると、ツヤツヤの床が特徴のホワイエがあります。上階まで拭きぬけになっているので開放感がありますが、豪華は装飾などは無し。

マドリード国立音楽堂/ソファー

このホワイエは思いの他広く、客席のある部分を取り囲む様にして広い回廊が続いています。大きなソファーもあって、何だか空港ラウンジみたいです。

Bar/マドリード国立音楽堂

ホワイエにはBarもあって、これは上階にもありますが、上の階へ上がって行くに連れて狭く簡易的なものになります。スペインは社交的な文化があまり強く無いのか、休憩時間もウィーンほどの盛り上がりは見られず、客席から動かない人も結構いるのでビックリします。

シートMAPとホールの景観

マドリード国立音楽堂シートマップ

このマドリード国立音楽堂ですが、客席のキャパは2,324あってなかなかの大きさ!この施設の中には、他にもキャパ692の中ホールや複数のリハーサルホール、レコーディングスタジオもあって、複合施設の様になっているそうです。

3階からの眺望/マドリード国立音楽堂

先ずは最上階(3階席)からの眺めがコチラ!巨大なパイプオルガンと、その手前にある4つの特徴的な照明器具が印象的です。

ステージ/マドリード国立音楽堂

大ホールの割にステージはさほど大きく無く、幅の狭い間口を奥行きでカバーしているという感じ。張り出し舞台の様にも見えますが、繋ぎ目が見えないのでこれがオリジナルの形なのかも?

パイプオルガン/マドリード国立音楽堂

パイプオルガンも見事!このホールのデザインは、セビリア出身の建築家José María García de Paredesという人物で、1990年に亡くなったのだそう。このホールの竣工年と照らし合わせると、かなり晩年の作品という事になりますね。

1階席からの眺望/マドリード国立音楽堂

このステージおよびパイプオルガンを1階平土間から見上げてみましたが、パイプオルガンと照明器具が上手い具合にマッチしてGood!ステージ奥の奏者が見え難くなる事を考慮しても、この眺望の下で鑑賞できるのは意味があると思います。

シートの仕様と3階席からの眺望

シート/マドリード国立音楽堂

このホールのシートは、平土間も上階も同じグレーのクッションが付いたシート。背もたれが高いので、聴きながら眠る人には都合が良いですね(笑)。

足元のスペース/マドリード国立音楽堂

足元はあまり広くないですが、全体的に前後の列で段差のある席が多いので、極端にステージが見え難い席は少ないと思います。

3階席/マドリード国立音楽堂

今回の私の席は3階席の先頭列。ここに限っては、足を真っ直ぐ前に向けられないほどメチャクチャ足元が狭くて大変でしたが、眺望は文句無し!音もしっかり飛んで来ますし、今回のチケット代(€38)を考えるとコスパは良いかもしれません。

手すり/マドリード国立音楽堂

尚、上階の先頭列には手すりの所に物が置けるスペースがあるのですが、ここにポーチを置いていたら注意されてしまいました!落下防止なのは言うまでも無いですが、プログラム程度なら何も言われません。

でも淵に出っ張りが無いので、ほんと物を落とさない様に注意しておかないと!

今回のプログラムは…

プログラム/マドリード国立音楽堂

さてさて、本日のプログラムですが、前半はS.ラフマニノフの有名なピアノ協奏曲第2番、後半はチャイコフスキーの交響曲第4番です。演奏はガリシア交響楽団。

ソリスト/マドリード国立音楽堂

ソリストはIvo Pogorelić(イーヴォ・ポゴレリチ)というクロアチア出身で59歳のピアニスト。度々来日してソロリサイタルを開く等の活動もある人物ですが、彼の演奏はちょっと聴こえが悪かった…。

旋律にやたらと独自のアクセントを付けるので、メロディがレガートにならずにガタガタですし、fは全て叩いて弾くので音が汚い。その証拠に、後半の方になると調律が狂う音が多数発生するほどです。

元々、彼は楽譜の指示に従わない型破りな演奏をする事でも知られている様ですが、表現の手段が強弱とテンポだけに限られ、でもその割には細かい音や弱い音になるとオケに埋もれて聴こえなくなる…。変に特徴を出して弾くのは、ただ単にテクニックが無い事を隠す為なのでは?

指揮者/マドリード国立音楽堂

一方、指揮者はDmitri Slobodeniouk(ディーマ・スロボデニューク)。ロシア出身の43歳、各国で首席指揮者を務める程の実力者ですが、彼の指揮は確かにテンポ感やタイミング等が上手く、統一感があって聴こえの良い演奏である事は確かです。

ただ、彼の指示にオケが付いて来れていないのも事実。弦楽器は全体的に主張が足りず、特にチェロは同じ音の高さを弾いてもヴィオラに負ける程です。オケの実力としては2流かな…。

夏は涼しい格好で!

服装/マドリード国立音楽堂

最後に観客の服装についてですが、夏の公演という事もあってか、ジャケットを着用した人は少数派。比較的ラフな格好の人も多かったです。

欧州のコンサートとなると、どうしてもジャケット(時にはネクタイ)着用が根付いているのですが、今回ばかりは暑苦しかった…。

Auditorio-Nacional -de-Musica

と言う訳で、以上マドリード国立音楽堂のレポートをお伝えしました!スペイン・マドリードに関する情報、観光スポット一覧など「スペイン・マドリードの観光ガイドと“一人旅”体験レポート!」も併せてご覧下さい。

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