昨日まで行われていたANAサービス体験会では、2種類のビジネスクラスシートが展示されていました。昨日レポートしたボーイング777-300ER向けのスタッガードシートの他に、今冬就航予定の新型機材「エアバスA320neo」に搭載されるビジネスクラスシートもお披露目されていたので、早速座り心地を試してみました。
※この記事は2017年に行われた体験会の様子です。短距離向けビジネスクラスシートの詳細をレポートしています。
短距離路線向けビジネスクラスシート
エアバスA320neoはANA全日空が今冬から導入開始される最新機材。主に中国などの短距離路線に就航されるもので、小型機のため席種は2種類(ビジネスとエコノミー)のみです。
航空各社とも長距離路線向けの“個室感”に特化したシート開発に余念が無い中、ある意味イスだけの短距離路線向け新型シートを開発するのは、やはり旺盛な中国路線を意識しての事なんでしょうか。このシートは今日の時点でまだANAのHPにも掲載されていないほど出来たてホヤホヤです。座ってみると、尻や腰などにバランスよく体重が乗っている感じでGood!“不快ラックス”と揶揄されたJALの短距離向け旧型ビジネスクラスシート「スカイラックス」に体裁が似ていますが、こちらの方が遙かに体にフィットします。
ヘッドレストは高さ・左右の角度の調節に加え、手前にも引き出せる構造。やや固いですが、仮眠での利用からPC作業時の首の支えにまで幅広く対応しそうです。
リラックスポジションの座り心地はGood!
シート操作のボタンはタッチセンサー式。個人的には押した時の感触がある物理ボタンの方が使いやすいのですが、特に操作性に問題はありませんでした。
シートを最大に倒した状態がコチラ。角度は127度との事ですが、意外と浅く感じます。しかし近距離向けならこれで十分ですね。座り心地はとても良く、レッグレストを上げた時のリラックスポジションの座り心地は、ファーストクラスシートに近いものがあります。
フットレストも完備。しかしこのシルバーのパーツを引っ張り出すのは手動となっており、これがかなり固くて厄介!出すのに苦戦していたら係の人がやってくれましたが、それでも苦労されている様子でした。
テーブルは固定されるも不安定…
テーブルはモニターとは逆の肘掛から引き出します。半分に折りたたんだ時の木目調のデザインはGood!しかし広げると無地になります。
広げるとテーブルの先端が反対側の肘掛上に乗る形になるので、テーブルは一応固定される構造にはなっているのですが、それでも安定感は少なく、この上に細長いフルートグラス等を置くのは少し怖い気がします。
その他、座席周りの設備は標準的。隣席とのパーティションのサイズが小さいのは残念です。近距離のビジネスクラスなんて出張族のサラリーマンの利用が殆どでしょうから、なおさら隣席の息吹を感じさせない構造が求められると思うのですが…。
モニターは肘掛から出す仕様ですが、これが結構出し難い…。係の人に出してもらいましたが、それでも手こずっていました。
“座る”事に特化したシート
短距離向けの小型機材A320neoのビジネスクラスシートは、昨日レポートした長距離路線向けのスタッガードシートよりも座り心地が良く、リラックス出来る感じでした。ANAにせよJALにせよ、最近のビジネスクラスシートはフルフラットベッドに拘り過ぎて、座席自体がかなりチープなものになってしまっていますから、こういう“座る”事に特化したシートはある意味貴重な存在です。
しかし隣席との間のパーティションが小さい事は残念ですね。座席中央の肘掛の面積が小さいので、隣の人と肘が触れてしまい兼ねません。飛行機において他人との干渉は最大のストレスになり得ますから、もっと力を入れて頂きたいものです。最新機材のA320neo、次回は一切の無駄を省いたエコノミークラスのシートを見ていきたいと思います。羽田~ミュンヘンで利用したANAビジネスクラス体験レポートも併せてご覧下さい→ANAビジネスクラス搭乗レポ!B787-9シートとアメニティ
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