マカオの「聖ドミニコ教会」と「セナド広場」で見る西洋建築の印象

引き続き、香港・マカオ団体ツアーの旅行記です。香港から日帰りで訪れたマカオは、ポルトガルの元植民地ですが、意外にも返還されたのは1999年とつい最近の事。そんなマカオの街には数々の教会が存在しますが、今回は最も観光スポットとして名高い「聖ドミニコ教会」へ訪れました。

セナド広場の奥、クリーム色の外観

マカオ半島の中心部にある「セナド広場」。ここは中央に噴水があって、それを囲むように西洋建築の建物が建ち並ぶエリアで、マカオ観光の中心となる場所です。ちょうどチェコ・プラハやポーランド・クラクフにあった旧市街地広場の様な所だと思います。

聖ドミニコ教会

ここには様々なショップが軒を連ねていますが、街の景観を保つ為なのか店の入口が建物の奥まった所にあるのが特徴です。西洋建築と言えど、ロンドンやパリにある建物とはちょっと雰囲気が違いますよね。

聖ドミニコ教会

そんなセナド広場を少し進むと、クリームイエロー色の建物が見えてきました。これが「聖ドミニコ教会」の外観、黄色い壁面に緑色の扉が付いたデザインは、私がこれまで見てきた欧州の教会には見られなかった独特の色使いです。これがポルトガルらしさというものなのでしょうか?

創建は1587年ですが、修繕されて1997年にリニューアルしたとの事で、見た目は新しい感じがします。創建当時は木製の板張りだった為「板樟堂」と称されたのだとか。夜にはプロジェクションマッピングの様なイルミネーションで装飾されるそうですが、この時は香港から日帰りの団体ツアーだったので観賞は実現せず。

真っ白な内装と祭壇

聖ドミニコ教会は入場無料。基本的に10:00~18:00でオープンしていますが、特別なミサ等の時は入れない事もあります。

聖ドミニコ教会

中身はロンドンにある教会と比べると小ぶりですが、外観からは想像つかない程天井が高いです。白を基調とした清楚な内装は、ポーランド・ワルシャワにあるショパンの心臓が安置された「聖十字架教会」にどことなく似ているでしょうか。

聖ドミニコ教会

正面の祭壇は美しいですが、かなり小じんまりとしていますね。祭壇の中には子を抱くマリアの像「聖母子像」があって、「バラの聖母像」とも呼ばれているのだそう。

聖ドミニコ教会

毎年5月13日近辺の祝日には、ファティマの巡礼(ファティマ聖母祭)というカトリックの行事が行われ、その時この聖母像はここからセナド広場を通って、ここから南へ数百メートルの所にある主教山小堂(ペンニャ教会)まで運ばれるそうで、中国本土や香港などからも多くのカトリック教徒たちが訪れる程の一大イベントになるんだとか。

聖ドミニコ教会

祭壇の横にはイエスの像もありました。何だか彫刻や絵画で描かれているよりもリアルですよね。信者でない私にとっては、少々痛々しい感じもします…。

聖ドミニコ教会

このエリアには他にも聖ヨセフ修道院や聖オーガスティン教会、聖ローレンス教会など数多くの教会があって、ファティマ聖母祭の時は各所でミサが行われるそうですから、その時期を狙って訪れてみるのも良いかもしれません。

マカオ歴史地区と教会の印象

Macao (3)

この度のツアーでは、このセナド広場を中心に街周辺を少し歩きましたが、マカオ歴史地区の印象としては、西洋と東洋の融合というよりは“人工的”にコロニアルな建物を建てた様な感じがしました。

セナド広場を見ても、観光客の集まる所にある建物は綺麗にペンキが塗ってありますが、そのエリアを少しでも外れると中国らしい古びた建物の密集地帯が現れ、後から付け足した感がハンパ無いです。

Macao (1)

このギャップが何ともマカオらしいと言えばそうなのかもしれませんが、個人的にはもう少し一体感を持った都市開発をしてもらいたかったと思うところ。聖ドミニコ教会に関しても、ポルトガル統治の歴史があるとは言え、やはり彼らにとって中国の土地に建てる教会は所詮アネックス。息をのむ様な美しい装飾の教会は、本家に行かないとなかなか見られるものでは無いですね。

とは言え、今回の香港・マカオ団体ツアーでは世界遺産のスポットをぐるりと周っただけですから、マカオの魅力は数分の一も見れてないと思います。香港へはキャセイパシフィック航空が3万円台の格安運賃を出す事もありますから、今度は個人で手軽な気持ちで行ってみようと思います。

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